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わたしのレコード棚ーブルース114 K.C.Douglas

2021年01月14日 | わたしのレコード棚
 K.C.ダグラス(K.C.Douglas)は、1913年11月21日ミシシッピー州のマディソン(Madison County)郡で生まれ、1975年10月18日にカリフォルニア州バークリー(Berkeley)で亡くなっている。生まれた所はミシシッピーの州都ジャクソンの北25マイルの所ということで、下のアーホーリーLP解説によると、若い頃はジャクソンのブルースマン達と音楽活動をしていたらしい。特にジャクソンを代表するブルースマンであるトミー・ジョンソンとは、1940年頃にジャクソンからデルタ地方を共に回って演奏したこともあるという。なので、やはりトミー・ジョンソンからの影響は大きく、CDのタイトルでもある「Big Road Blues」はそのままジョンソンの曲だ。
 1945年、すなわち第二次世界大戦が終わる頃には、ミシシッピーから西へと移動。サンフランシスコ湾で港湾関係の仕事をして生計を立て、その合間にバンドを組んだりしてブルースを演奏し、そのままカリフォルニアで亡くなっている。ブルースマンの中には北のシカゴを目指すのではなく、ダグラスの様に、西に向かった人も少なからずいる。寒いシガゴを忌避して西海岸で仕事を得ることを考えたようだ。


 BluesvilleのCD1050。1961年のギターとヴォーカル、単独での11曲を収録。フォークムーブメントの頃で、アコースティックな音作りになっている。この人は、なかなかに器用な勉強家だったようで、シカゴで活躍したミュージシャン、トミー・マックレナンやビッグ・ビル・ブルーンジーの曲を演奏して、面白いアレンジになっている。
 

 ARHOOLIEレーベルのLP1073。A面6曲は1973年11/17の録音で、アコースティックギターによる一人での演奏やハーモニカとの演奏。B面5曲は1974年1/26で、さらにエレキギターによるスライド奏法でのバッキングや、ドラムスが入ったバンド演奏になっている。録音場所は、ARHOOLIE Houseと書かれているので、カリフォルニア州のバークリーにあったアーホーリーのスタジオのようなところだったようだ。ハーモニカを演奏しているのはリチャード・リギンズ(Richard Riggins)という人で、かなりなテクニックで優れたバッキングをしている。この隠れた名手とも言えるチャード・リギンズについて、LP解説には、1921年7月1日ミシシッピー州Tupeloの出身で、1963年にオークランドに移ってきたとある。ダグラスと同様に、ミシシッピーから西へと移動してきた人だった。


 同LPの裏面。


 LP裏面の写真を大きく切り取ったもの。見てわかるとおり、バンドでの演奏しているところで、ダグラスは立ってエレキギターを弾いている。


 ハーモニカ・ヴォーカルのシドニー・メイデンの1961年録音のCDで、Bluesvilleレーベル1035をP-Vainが日本向けに発売したもの。全12曲で、ダグラスがギターを演奏している。

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