文化逍遥。

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わたしのレコード棚(CD)-南インドBalachander

2011年03月12日 | わたしのレコード棚
昨日の地震は、千葉のわが家でも大きな横揺れが長く続き少し気分が悪くなった。
偶然にも仕事が早く終わり、地震の起こる40分ほど前に帰宅していたので帰宅困難にならずにすんだのだった。
携帯電話は4時間ほど繋がらなくなった。千葉市のJFE工場の火災はうちからも煙が見え、市原のコンビナートが火災から爆発を起こした時にはガラスがゆれた。市原までは直線距離で10キロはあるので、爆発の激しさが窺われる。
通信手段や交通機関の混乱はまだしも、あの程度の地震で危険物が引火するようでは危機管理が甘いと言わざるをえない。これを教訓に、必要なコストまでをも削るリストラは考え直し、安全を優先させた社会作りを目指したいものだが…。




Balachander

南インドのCDはこのBalachanderしか持ってないのだが、演奏は北部よりも伝統にのっとっていると言われる。
楽器はヴィーナ(veena)。写真では見えずらいかもしれないが、フレットがかなり高くなっていて、日本の琵琶のように強く握って音の高さを変えられるようになっている。シタールはこのヴィーナを改良して作られたとも聞くが、フレット間の音の高さはほとんど無限に出ると言ってもよく、それだけに演奏者の力量がそのまま表われてしまうとも言える。極端にいえば、琵琶もそうだが、一音出しただけで単なる音になるか音楽になるか決まってしまう。恐ろしい楽器だ。録音されているのは、2曲のラーガム(北インドのラーガ)。それぞれが25分ほど。特に1曲目は、フリーリズム(自由拍)で直感が得られるまでスケールを装飾しながら弾き続ける演奏で聴きなれないと取っ付きにくいかもしれない。落語家の五代目古今亭志ん生が「噺は落語家が語るんじゃないんだ、あなたがた(客のこと)が語らせるんだ」と高座で言っていたらしいが、それに近いものを感じる。しかし、もし日本の学校で生徒がこんなの演奏しても1点もくれないだろうなあ。嘆いてもしょうがないが、貧しい音楽教育を受けてたもんだ。
インドではこのヴィーナを演奏できるのは上位カースト出身者だけだったと小泉文夫が言っていたが、今でも変わらないのだろうか。

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