紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

中釜浩一郎さんのご冥福をお祈りします

2004-06-18 10:38:10 | 2・仕事の周辺
「汽車にのって」の本を調べていて、さし絵を描いてくださった中釜浩一郎さんが、今年、2004年5月5日に急逝されたことを、知った。
39歳という若さだった。

本を見ると、この本が出版されたのは、1996年。ということは、私がたった一回お会いしたのも、その年ということになる。四谷の「美味小屋」というお店で、本の打ち上げがあったのだ。講談社の長田さん、金沢さん、水町さん、中釜さん、そして、私で、昼食とワインをいただいたと思う。

ラフな革ジャンスタイルで、あわててお店に入って来たその姿が目に焼き付いている。年上の女性ばかりの席で、ちょっとはにかんだ笑顔が印象的だった。さわやかなスポーツ青年というおもむきだった。
「汽車にのって」のさし絵の繊細さと、ちょっとイメージがちがうなと思った。それと、なんとはなしに、名前の印象から想像したより、ずっと若かった。

私は昼間だというのに、ワインをたくさん飲んで、気持ちよく酔った。
中釜さんは、理容師から、一念発起、画家を目指したという。片っ端から、いろんな出版社に飛び込みで絵を売り込んだ話しをしてくれ、絵描きさんには絵描きさんの売り込み方があるんだなあ、などと思ったりした。
それからも、いろいろな本の表紙が中釜さんの絵で飾られているのを見るたびに、あのさわやかな笑顔を思い出した。

心からご冥福をお祈りします。

「やまねこ翻訳クラブ 追悼~中釜浩一郎さん~」