紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

なつかしい光景

2004-06-26 10:01:03 | 9・昔の風景
父が残してくれたフィルムは、大小、形がばらばらなので、一枚ずつスキャンして取り込まなくてはならない。そのため、すごく時間がかかる。今市販されているフィルムなら、去年買ったスキャナーでスキャンすると、いっぺんに12枚とりこめるので、それほど時間はかからない。

でも、フィルムをスキャンすることで、昔の家や人や町が、パソコンの画面いっぱいにあらわれるので、小さな写真で見るより、ずっと臨場感がある。思わず知らず、パソコンの中にすいこまれてゆきそうになる。できれば、なつかしい、お兄さんと会って話しがしたい。

当時、家の前は、お米屋さんだった。今なら車で配達するのだろうだけど、その頃は自転車だった。黒いがっしりした重い自転車で、後ろに、竹で編んだ大きなカゴがくくりつけてあった。たまに、お米屋さんで働くお兄さんたちは、仕事の手があくと、その後ろのカゴに、私を乗せてくれた。仕事中だから、そう長い時間ではなかったのだろうけど、カゴの中に入って、そこから外をながめると、いつもの町とはちがって見えた。楽しくて、ドキドキするような時間だった。

あれは何歳頃だったのか。あのカゴにすっぽりおさまるのだから、3-4歳というところでしょうか。
写真は、幼稚園の時。お米屋さんの前で。自転車がちょっとだけ見える。