紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

学校以外はたのしかった

2004-06-20 07:43:00 | 9・昔の風景
小学生の頃、学校に行くのは苦痛だったけれど、家に帰れば、楽しいことが待っていた。
夏休みも40日間、あきもせずに目いっぱい遊んだ。一緒に遊んだのは、K子ちゃんである。小学校の二年生の頃、関西方面に引っ越していき、また四年生の時にもどってきた。それからは、小学生の間、ずっといつもいつも、一緒に遊んでいた。

今でも、あの豊かな、朝から晩まで、楽しいことで満ち満ちていた夏休みを思い出す。あんなに幸せな時代は、あれ以後も、あの以前もない、と思うほどだ。
原っぱを駆け回り、柿の木にのぼる競争をしたり、飛び降りたり。近所の農家の納屋のわらにもぐっては、秘密の迷路を作ったりした。石神井のプールにも一緒にいった。私はそこで、初めて平泳ぎで100メートル泳げるようになった。帰りにアイスを買って食べ、バス代がなくなって、二時間もかかって歩いて帰り、二人ともへとへとになったこともある。
朝から夕方まで、K子ちゃんと遊んでいた。ほんとうに夢のように楽しい時間だった。

でも、その楽しい生活から一転して、苦痛に満ちた生活に入る瞬間がある。8月31日。その日は、明日からのことを思って、気が重く、1日じゅうため息をついて暮らしていた。

(写真は小学校低学年の頃。K子ちゃん、N子ちゃんと)

小学校ではなぜか暗く・・

2004-06-19 06:42:29 | 9・昔の風景
先日友人が、小学校時代の思い出として、つぎのようなコメントを残してくれました。

「夏休みに高学年になると「松庵の一夜」という学校にお泊まりする行事がありました。昼過ぎに集合、その後校庭で飯ごう炊さん、食事の後は花火をみんなで楽しみ、その後クラス全員でぞろぞろと銭湯に行きました。確か・・・「玉ノ湯」だったと思います。・・・」

この「松庵の一夜」と「玉ノ湯」で、一気にローカルな話しになってしまうのだけど、私は、その友人のように、小学校にはあまり、というかほとんど楽しい思い出がない。その後知り合った人は信じられないだろうけど、クラスの人と付き合うのが苦手で、暗く、いつも一人でひっそりと本を読んでいるような女の子だった。
学校に行くのが苦痛だったし、ズル休みもよくしていた。

その頃の自分を投影して、「汽車にのって」という本を書いた。でも、あの苦痛な時代があったからこそ、私は子どもの本を書くようになったのだとよく思うことがある。

中釜浩一郎さんのご冥福をお祈りします

2004-06-18 10:38:10 | 2・仕事の周辺
「汽車にのって」の本を調べていて、さし絵を描いてくださった中釜浩一郎さんが、今年、2004年5月5日に急逝されたことを、知った。
39歳という若さだった。

本を見ると、この本が出版されたのは、1996年。ということは、私がたった一回お会いしたのも、その年ということになる。四谷の「美味小屋」というお店で、本の打ち上げがあったのだ。講談社の長田さん、金沢さん、水町さん、中釜さん、そして、私で、昼食とワインをいただいたと思う。

ラフな革ジャンスタイルで、あわててお店に入って来たその姿が目に焼き付いている。年上の女性ばかりの席で、ちょっとはにかんだ笑顔が印象的だった。さわやかなスポーツ青年というおもむきだった。
「汽車にのって」のさし絵の繊細さと、ちょっとイメージがちがうなと思った。それと、なんとはなしに、名前の印象から想像したより、ずっと若かった。

私は昼間だというのに、ワインをたくさん飲んで、気持ちよく酔った。
中釜さんは、理容師から、一念発起、画家を目指したという。片っ端から、いろんな出版社に飛び込みで絵を売り込んだ話しをしてくれ、絵描きさんには絵描きさんの売り込み方があるんだなあ、などと思ったりした。
それからも、いろいろな本の表紙が中釜さんの絵で飾られているのを見るたびに、あのさわやかな笑顔を思い出した。

心からご冥福をお祈りします。

「やまねこ翻訳クラブ 追悼~中釜浩一郎さん~」 

汽車にのって

2004-06-17 09:22:47 | 1・作品紹介
 1996年11月

 絵・中釜浩一郎

 講談社(絶版)


♪汽車にのって(汽車にのって)アイルランドのようないなかへゆこう♪

「合唱コンクールを前にとつぜん声を失ったショックから心をかたくとざしてしまった千草(ちぐさ)を、卓おじさんは強引に旅行にさそう。その旅の目的地は、亡くなった父さんが愛した国・アイルランドだった……。」


私も学校で見たかな?

2004-06-16 13:56:32 | 9・昔の風景
きのう下のコメントを書いてくれた人は、実は私が通っていた隣りの小学校出身の人です。もう四十年も前のことですけどね。

「小学校のときに、夏休みになると小学校の校庭で校舎に大きなスクリーンを張り、校庭に「ゴザ」を敷いて映画会が開催されていました。準備は先生方とPTAの方たちによって行われていました。
毎年見に行ったはずなのですが、覚えているのは「我は海の子」「白蛇抄」「孫悟空」だけです。確か小3~小5くらいだったと思いますが始まる前からわくわくしていました。」

十何年か前、息子が小学生の頃にも、夏休みに、このような映画会があった。
私も付き添っていったのだけど、その時に、デジャビュ(既視感)っていうのかな。こういう所にいたことがあるって気がしました。
隣の小学校で行われていたのなら、私の出身の高井戸第二小学校でもあったのかな? なぞです。


もう一度見たい映画

2004-06-15 18:01:25 | 9・昔の風景
友人の良流娯さんは、
「もう1度みたい映画が1つあります。それは屋久島に住んでいたとき、近所のおばちゃんが連れて行ったくれた時にみた小林桂樹主演の「はだかの大将」。ふところに饅頭をいれて線路を歩いていた映像(実際にはなかったかもしれないけど)が心に残っています。」

とコメントを残してくれましたが、私ももう一度見たい映画がある。
たしか「三匹の犬」という題名だったと思う。
小学校の中学年の頃、学校の講堂で見た映画です。

その頃、一学期に一度くらい、映画の日というのがあって、講堂に全校生徒が集まって、映画を見た。2時間授業を受けなくてもいい。それだけでも嬉しかったのに、当時めったに映画館に連れていってもらうことなどなかったので、その日は、とびきりハッピーな日だった。
講堂の後ろの方には、6人がけくらいの木の長椅子がずらっと置かれ、前の方は、ゴザが敷き詰めてあった。
低学年の頃は、早くゴザから昇格して、長椅子に座りたいと思ったものです。

たしか長椅子になった頃だったと思う。「三匹の犬」というのを見たのは。内容はほどんど忘れてしまったのだけど、巨大な犬が出てきたのだけ覚えている。と何ともオソマツな感想しか書けないのだけど、すごく面白かったことだけは心に残っている。その日1日じゅう、その映画のことを考えて、興奮していた。またいつか見たいと思ったけど、一体どういう映画を学校で上映していたのか。その後、その映画を見る機会も、題名を聞くこともありませんでした。

土曜日の夜は・・

2004-06-14 13:53:00 | 20・日々のできごと
おとといの土曜日の夜は、めずらしくフリーな日でした。こんなことは一年に何回もありません。山に行かない日は、ほとんど全て介護で埋まっているから。
夕方、歩いて3分のKさんの家へ。その日は、黒姫に一緒にいった、SさんとCさんが泊まりに来ていたのである。

日曜の早朝、ある近くの場所まで(どこかは内緒)、桑の実をとりにゆくということになっていたけど、きのう予定のある私はパスで、前日の夜だけ、一緒に飲んだのでした。
Kさんも、Cさんも、この年になると早寝早起き。早々と11時には、寝てしまう。それじゃあ、さあ帰ろうと思ったら、Sさんから引き留められた。
「帰らないで。一緒に見よう。」
冬のソナタである。

Sさんは、BSで二回見て、さらにNHKでも三回目を見ている。BSでやっていた時に、Sさんがあまり「冬ソナ」の話しをするので、今回とうとう私も見るようになってしまった。

前の週の土曜の夜は、山のふもとの茅葺き屋根の宿にいた。
その日は、4:40分起き。山に登ってくたびれていた。
それでも、11:10。みな寝静まった頃、二人のYさん、Sさんとテレビの前に集合。4人で「冬のソナタ」を見た。

でも、毎週見てはいるけど、1週間が待ち遠しいというのではない。土曜日がくると、ああそうだった。とテレビをつけ、つい見てしまうのである。オープニングのあの音楽を聴くと(あの音楽はすごくいい)、なぜかふわりと、その世界に入り込んでしまう。ようやく半分にたどり着いたので、残り半分というところです。

好きだったマンガは・・

2004-06-13 06:46:01 | 9・昔の風景
きのう書いたのを読むと、少女マンガ愛好者だったと誤解されそうな気がするから、またしてもマンガについて。

少女マンガは、ある時ぱたっと興味を失い、高校生になった私は、セーラー服姿で、毎週の発売日を待ちかねて(ここまでは小中学生と同じ)、「あしたのジョー」を本屋さんで立ち読みしていたのでした。あの時も発売日が待ち遠しかったですね。
その頃、寝ないでも読んだマンガは、「カムイ外伝」「忍者武芸帳」。借りたら最後、あまりにたくさんあるので、その日は眠りそこねるのでした。

当然のことながら、手塚治虫の大ファンでもありました。手塚さんのマンガは、今でもけっこうたくさん持っています。「ブラックジャック」が一番好きかな。「火の鳥」も好きだし「ブッダ」も好き。ほかにもたくさん好きな作品があります。

今また読みたい本といえば・・

2004-06-12 07:00:00 | 9・昔の風景
私がもう一度、すごく読みたいものは何だろうと考えてみたら、実はマンガです。もちろん、すごく好きだった本は、たいていは大人になってから手に入れてしまったから。

何が読みたいかというと、
水野英子 「ブロードウェイの星」
西谷祥子 「白樺日記」「ジルとミスターライオン」(こんな題だったっけか?)

小学生の頃に、多分少女フレンドかマーガレットに連載されていたマンガだけど、毎週発売日が待ち遠しくて、その日は学校から駆けて帰って、買いに行きましたね。続きが読みたくて読みたくて、たまらなくて。

でも、思えば、あんなに何かを楽しみにするって、最近ではもうめったになくなってしまった。よく考えるとさみしいことです。あれは、子ども時代の特権でしょうか。
もっとも、今は1週間過ぎるのが早くて、待ち遠しいほど、時間はゆっくりと流れないのだけど。

復刊という道はあるか?

2004-06-11 15:34:38 | 2・仕事の周辺
本を書いている者にとって、絶版というのは、相当に悲しい出来事です。刊行されてから年月がたてば、仕方ないことですけどね。Blogを作るにあたって、調べたら、何冊かありました。このBlogで、自作の紹介を書こうと思った時に、そういうのはどうしようかなあとちょっと迷いました。けど、やはり、書くことにしました。どれも思い入れがある本だから。
日常生活を書くのにはさんで、ぼちぼちと、順不同で本の紹介もしてゆこうかと思っています。

「ぼくらの夏は山小屋で」も今では手に入りません。それでも、読んでみようかなあと思ったら、図書館に行けば読むことができます。調布の図書館では手に入ります。

それで、もし私のでもほかの人の本でも、自分の手元においておきたいと思ったら、復刊という、最後の頼みの綱のような道があります。ある程度の人がそう思ってくれないとダメですけど。
それで復刊されている本もたくさんあるそうです。
図書館で読んで、よかったら、復刊リクエストしてくださいね。

「復刊ドットコム」