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神戸近代建築巡り②真珠会館

2008-05-10 | 建築巡り・街歩き【兵庫】



神戸税関の後やってきたのは平成17年に登録有形文化財の指定を受けた「真珠会館」。
そうじをされてたおばさんに声を掛けたのがきっかけで、帰りがけに責任者を呼んで来られて、建物についての詳しい説明を受けることに。

「真珠会館」は戦後の建物では初めて登録有形文化財になったものだそう。
シンプルな建物だがデイティールに昭和モダニズムならではの重要な見どころがちりばめられているという。

昭和27年築、設計者は光安義光。
昭和30年~40年代にかけて、真珠は90%は海外へ向けて輸出されていた。
三重や愛媛、長崎など日本で作られた真珠は全て神戸へ集まり、加工されていたという。
その真珠取引の核となるのが真珠会館であり、現在もこのビルで真珠の入札が行われている。
建設当時から50年以上に渡り用途が変わることなく使用されているということからもこの建物の質の高さが伺えるという。





入り口にも工夫がされており、建物の中へ入って自然と右手の方へ導かれるように外扉と内扉、入ってすぐの大きな柱と自然にカーブを描く動線になるような配置になっている。





外の窓につけられた面格子は内側に傾く微妙な傾斜がポイントとか。





エントランスの踏み石は角を取り丸くカーブをつけているのも近代の建築の特徴。





外壁は1階部分は御影石をあしらい、2階以上はタイル貼り、船の形をイメージしたものに。
4階の部屋は真珠の入札に使用される部屋、
真珠の取り扱いには光線が最も重要、ということから色の入っていないイギリス製のガラスを使い全面窓ガラスに。





ここのエレベーターは自動化第一号なのだそう。
ちょうど今故障中ということで中は見せてもらうことはできなかったが、手動式のレバーもついているという。





当時のままの照明器具は昭和モダン風?!





ここは2階のオリエンタルレストランが入っていたという部屋の天井の照明。
神戸では二番目の全館蛍光灯設備であり、日本初のオール自動のブラインドなどもこの建物の特徴。





3階にはこんなテラスも。





そして入札が行われているという4階の会場まで案内していただけた。
部屋の中は真珠の取引で活気あふれる。
全面ガラスになっていて、天井に照明はない。
5時頃になり太陽が傾いてきたら、真珠の取引は終わりだそう。





窓からのやわらかい自然光に照らされる真珠。





さらには屋上へまで案内される。
当時はここでゴルフの練習なども出来、モダンで最先端の建物だったという。

この建物が出来て二年後には昭和天皇もやって来られたということからも当時のこの建物の重要性が伺いしれる。

最後にはこのビルのことが記されてる資料のコピー、更にはこの真珠会館を設計した光安義光氏のハードカバーの本もプレゼントされ、いいのかなあ~?!という感じ・・
光安氏の息子さんもこのビルにおられる、とかで案内されたが、ちょうど留守中だった。

6月からは1階では真珠ミュージアムが開館するとのこと。
実はそれほど興味のなかった昭和モダニズム建築であるこの建物だったがいろいろと知ることができたよい機会だった。

真珠会館を後にし、お昼に近代建築であるチャータードビルへランチに。


コメント (4)
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