一昨日7/18(水)も暑い日で、日中の上野公園は、じりじりと焼けるような日でしたが、
友人のお誘いを受け、東博(東京国立博物館)の特別展『縄文 1万年の美の鼓動』に行っ
てきました。 上野公園はこの暑さにもかかわらず、多くの人出でした。 東博・平成館内
もかなりの込みようで、その人気のほどが伺えます。
縄文 特別展 (撮影可能コーナーにて)
縄文の土器、土偶 200点を超える展示は、圧巻で、中でも注目は、国宝6点が一堂に並ぶ
第4章『縄文美の最たるもの』は、緋色に染めた薄暗い室内に国宝たちのライトアップされ
た姿は壮観でした。
国宝6点のうち、「縄文のビーナス」「仮面の女神」は、7/31からの展示ということで、
この部屋には不在でした。 しかし、この2体は、茅野市の尖石縄文考古館で、何度か見て
いますので、不在でも何の問題もありませんでした。
今回展示の国宝土偶は、「中空土偶」(北海道函館市)、「合掌土偶」(青森県八戸市)、
「縄文の女神」(山形県船方町)で、もう1点の国宝土器は、画家、岡本太郎が絶賛する
「火焔型土器」(新潟県十日町市)でした。
4~5000年前に、日本の各地に存在していたわけで、国宝のほか、重文など多くの土偶、
土器は、種族の守りや祈り、そして機能性豊かな土器などから、縄文時代の生活様式、人々
の意識がそうであったのではとその一端が浮かび上がってくるのでした。
当時は、おそらくこれらの集落の相互流動は希薄だったでしょうから、これらの時代に
生きた人々に共通する文化が、このような風習、造形を同時に生み出しているのは、一瞬
不思議な感覚を覚えましたが、同じような自然環境に生きる中で、そのような文化が形成
されるのだと思いました。 そこに、共通する祈りや美意識があるのですね。
国宝土偶の1体・・なんと、洗練された姿でしょうか。
縄文の女神 前 後ろ
(ネット画像より)
「火焔型土器」は、縄文土器として、よく知られるところですが、目の当たりに見ると、
そのダイナミックな造形に 精緻な文様が刻まれ、上部の炎部分は立体構造をしており、
なにやら迫ってくるような感じです。 この国宝とは別に、同じ新潟県十日町市出土の
火焔型土器、王冠型土器が10数個並べられたその空間も圧巻でした。
現代と4~5000年前との文明の差は、計り知れないほどの開きがありますが、当時、
そこで生活していた人々の意識、美に対する憧憬、造形技術など、芯に潜むそれは、今と
変わらない、というか厳然と今に生きているのです。 現代は、表現技法に文明が可能と
した要素が加味され、それによる新しい表現スタイルとしての美が創り出されていますが、
美意識とそれを表現しようとする人間の芸術性の神髄は 昔も今も変わっていないという
ことに、改めて思い至るのでした。
美術館を出ると、暑さの盛りで、上野の森の中にあっても暑さがにじみ、近くで長めの
お茶を楽しみ さよならしました。 暑かったけど充実した一日でした。
暑い日差しを受けて・・西郷どん 彰義隊のお墓