この木を1週間かかって整理しました。
面白い名前の珍しい木が、我が家のベランダに来たのはもう20年以上前のことです。
直径45㎝のプラスチック鉢に植えたままにしてかれこれ10年以上が過ぎました。珍しい
のと秋の紅葉が見事で、この紅葉に引かれて購入したのでした。
そんなメグスリノキを今回思い切って整理しました。お別れです。 大きくなり
すぎて、ベランダではこれ以上大きくしない方が良い‥と考えた措置です。 誰かに
貰っていただいて地植えで元気に成長して欲しいと思いながら整理を始めました。
整理することにしたメグスリノキ
(鉢は45㎝プラスチック製)
かなり前ですが、秩父方面に行ったとき、西武秩父駅からそう遠くない慈眼寺に、
メグスリノキは大きく聳えていました。眼のお寺で、日本百観音霊場の秩父札所十三
番にあたります。
メグスリノキは、日本だけに生息するムクロジ科カエデ属の落葉高木です。その名
の通り、樹皮、小枝、葉を乾燥させ煮出したものは、洗眼薬や点眼薬として用いられ
ていたそうです。 また、肝臓の調子を整える健康茶としても利用されていたよう
です。
余談ですが、2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の黒田官兵衛の父、黒田重隆
は、このメグスリノキから点眼用薬を造り巨万の富を築いたとの記事もありました。
このようなメグスリノキに関して、拙ブログ2014年の1月と9月に記事アップして
いました。
前置きが長くなりましたが、12月16日から、解体?に挑戦しました。 普通、
鉢物の植え替えでは、折り畳み式ののこぎりを鉢の端の土に差し込むようにして鉢と
根を切り離して根鉢を抜く・・ようにしているのですが、このメグスリノキの場合、
のこぎりの歯が全く入らないのです。根がびっしりとヘリについて、土全体がコンク
リートの様に固まっていました。そこで、草の根を掘り出す「鉄の爪」(後に写真で
紹介しています。)で、鉢のヘリを少し掘りましたが、それでものこぎりは入らな
かったのです。
鉢の周り(縁)を鉄の爪で掘る
(少し切り始めています。手前は万能のこぎり)
かくなる上は鉢を切るしか方法はありません。「万能のこぎり」で、鉢を縦に切り
ました。
3か所を切り、ようやく根鉢を取り出しました。 根と土がまるで、土塀などを
作るときのように、上手くきっちりと詰まりあって、根が邪魔をして土をはがせない
のです。
鉢から切り出し
根鉢は、7㎏位いの重さがあり、大きさも30㎝以上もあるので、これを3つに分割
することにしました。 この作業に最も時間と力がかかりました。道具は、鑿(ノミ)
と金づちです。大工さんが柱の継合を切り込むような感じで、鑿を入れる作業が続き
ました。1日1~2時間でしたが4日ほどかかり、手には金づちを持つ手にマメを作り
ながら、ようやく根は3つにわけることが出来ました。
やっと3分割できました。
(道具:左から鑿、鉄の爪、万能のこぎり、金づち)
この塊から細かな根に守られている土を掘り出すのにも一苦労しました。鉄の爪を
立てても、びくともしないほどに土が硬くなっていて、何度もつついているうちに
ようやく少しづつほぐれてくる・・そんな感じでコツコツと時間ばかりが過ぎる作業
でした。
街は暮れの忙しいさ中に、ひとり世間から離れて、一生懸命時間を費やしていた
のでした。きれいに土を落とした根は「燃えるゴミ」として、土は、溜めておいて、
川原の土手に捨てる手筈にしています。
鉢植えの花木は、普通、上方に成長して背丈が伸び、あまり高くならないように
途中で剪定しますが、この木は不思議なことに、年々丈が伸びずに、幹の上部が枯れ
てきて、ひこばえが広がる、つまり根ばかりが大きくなっていたということなんで
すね。10年前には1.2mの高さまで30㎝高さが低くなり、今回ではさらに2~30㎝低く
なっていました。
在りし日の姿(2001年頃)
(真ん中の木です。) (紅葉の様子)
I'm Gettin' Sentimental Over You
この寒い季節に連日屋外で、無理もされたことと思います。
どうぞお疲れが出ませんように。
そのうち2枚の姿でも汗ばんでくるのですね。風がなければ、
日中の太陽はまだまだ捨てたものじゃないのですね。
見渡したところ、これ以上大変そうなのはないようですので、
ホッと一息です。ご心配ありがとうございます。