ひげ爺のお産・子育てご意見番

子どもは育つ力を持って生まれてきますが
親に子育てする力が減っています。
親育て支援の中で感じたことを書いています。

夜間の授乳は虫歯になる?

2008年11月12日 | 母乳と虫歯
母乳と虫歯について医師や保健師に誤解があるように思います。
夜間の授乳は、虫歯になるといったことや母乳には栄養がないといったようなことを言われます。
渡辺眞史先生に回答していただきましたので参考にしてください。
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1歳児健診で、夜間の授乳(母乳なのに)が虫歯になると言われました。
保健婦さんの問診と、その後の歯科相談で、両方から「いつまで母乳を続けるつもりですか」と言われました。
「自然卒乳を待つつもりです」と答えたところ、断乳の指導はありませんでしたが、歯科指導では、「夕食後の歯磨きあとの授乳、夜間の授乳、こういうのが危険」とことあるごとに「危険、危険」とくり返され、嫌な気持ちになりました。
今も夜はおっぱいがないと眠れないし、夜中に1~2回はおっぱいをあげています。
そのたびに歯磨きしなさいと言わんばかり。
食後の歯磨きはしっかりしているつもりですし、その後の水分はお茶か母乳で
ジュース等は与えていません。
母乳自体に虫歯になる要素(原因)はないと考えていましたが、よいのでしょうか?
また、「もう母乳に栄養はない」というようなことを言われましたが、本当でしょうか?
母乳の成分は母親の血液だから、大丈夫では?とは思うのですが。
これからもおっぱい育児を続けていくつもりに変わりはありませんが、アドバイスを頂けると嬉しいです。宜しくお願い致します。
回答 たまごママネット医師団
母乳には身体が成長するための栄養、身体を丈夫にする免疫、基本的信頼関係を築く心の栄養の役割があります。心の栄養が注目される前は1才になり離乳食を食べるようになれば母乳にこだわる必要はないと考えられました。しかし1才を過ぎても母乳には大切な役割があり、母親に抱かれおっぱいを含ませてもらうことからくる安心感が基本的信頼関係を築くうえで大切なことと考えられています。このため世界的に赤ちゃんが望めば2才以上まで母乳育児を続けることが勧められています。
歯科の先生や保健師さん達の中には虫歯だけをとらえてこの心の栄養のことまで考えてくれないことがあります。このため母乳を止めるように指導されることがあります。
虫歯は母乳だからできやすいできにくいということはありません。この時期には栄養の主役は母乳以外の食べ物です。特に砂糖の含まれる食物は歯に歯垢を作ります。眠っているときには唾液の分泌が少なくなり歯垢の中に虫歯菌が繁殖しやすくなります。この虫歯菌が酸を作り続けることで虫歯となります。離乳食や甘いジュースなどをとり歯が汚れたままで夜間に母乳を飲むと虫歯を作ることがあります。このため夜間の授乳だけを取り上げて母乳は虫歯を作ると言われてしまいます。虫歯の一番の原因は歯垢ですから眠る前に歯の手入れをして歯垢を取り除ききれいな歯にすることが大切です。少なくとも1日1回はガーゼか歯ブラシでしっかりと歯の表面を磨いてください。食事は砂糖を使いすぎないようにし、市販のジュースやスポーツ飲料、乳酸飲料などには砂糖がたくさん入っていますから与えないでください。甘い味を好むようになると虫歯になる危険が高まります。
1才を過ぎると母乳には栄養がないともよく言われますが、母乳には充分な栄養があります。母乳は飲み始めと飲み終わりでは成分が違います。1日の中でも朝の母乳と夕方の母乳では成分が違います。生まれて間もないときの母乳と数ヶ月したときの母乳、1才過ぎの母乳ではその成分が違います。母乳のよいところはその時その時の赤ちゃんに必要な成分の母乳が作られているということです。これは人工乳にはまねのできないことです。1才過ぎてからの母乳はその時に必要な栄養成分をしっかり含んだ母乳です。生まれて間もない時の母乳に比べさらさらした母乳のため栄養がないなどという誤解が生まれたのかもしれません。
歯の手入れをしながら母乳育児を楽しんでください。

日本母乳の会で「母乳と虫歯を考える」という本を出しました。
『日本母乳の会』のホームページから求めることができます。
渡辺眞史先生 山形県立中央病院小児科
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いかがでしたか。素晴らしい回答ですね。
皆さんも参考にしてください。
おっぱいは「心の栄養」です。
卒乳まで皆さん母乳哺育を楽しんでください。
卒乳とは、赤ちゃんが自然におっぱいとさよならすることです。
親の都合でやめるのは卒乳ではありません。断乳です。
yakannjyunyuuha

コメント (2)
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自治体の歯科検診で断乳指導

2008年10月02日 | 母乳と虫歯
またまた困った自治体の断乳指導がありました。
皆さんの情報提供で少しずつ改善できればと願っています。
今回も、ある自治体に書留で質問書を発送してきました。
電話などでクレームをつけてもほとんど改善されません。
先日の東京都目黒区は電話でのクレームで改善していただきましたが
そのような自治体は希有です。

質問書の回答次第で次の手を打ちます。
歯科医の団体にも要望書を出さないといけませんね。
医師や歯科衛生士の母乳に対する知識不足はひどいモノです。

文書は必ず書留で出します。
そうしないと受け取っていないといいわけするからです。
困った役人根性です。

通信費がかかりますがそれしか方法がありません。
その後の闘いのためには絶対に必要不可欠です。

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         2008年10月2日
○○長 
○○ ○様
               特定非営利活動法人たまごママネット
                    理事長 新井一令
               〒550-0006 
               大阪市西区江之子島1-7-3-1110

             質 問 書

貴職におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
市民が健康で暮らしやすく、子育てしやすい「○○市」とよく耳にします。
日頃のご尽力に深く敬意を表します。

さて、現在、実施されています1歳6か月児健康診査(歯科健康診査)について質問させていただきます。

質問1
○○保健所で行われている1歳半歯科検診では虫歯の原因になるから母乳を
やめるように指導しているのでしょうか。お答えください。

質問2
それはどのような理由で指導されているのでしょうか。お答えください。

質問3
 自治体として何故、1歳半の乳幼児に断乳を指導するのでしょうか。
その理由についてお答えください。

○長の誠意ある回答を望みます。
ご多忙中とは存じますが至急回答して下さい。
最後に、皆様のご清祥を心から祈念いたします。
                               以上
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一つずつこつこつと情報があったところから改善していきます。

皆さんもぜひ情報をお寄せください。
悪いことはなおさせましょう。





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乳幼児の虫歯と母乳の関係?

2008年02月20日 | 母乳と虫歯
昨日の新聞記事で気になるものがありましたので、コメントします。
北海道新聞 08年2月19日付け朝刊の生活面です。

乳幼児の虫歯のことについて書かれています。
「乳幼児の虫歯ー予防をしっかり」という見出しです。
1歳をすぎて子どもの前歯が生えそろってくると、気になるのが虫歯、乳歯は虫歯の進行が早く、普段の口のケアが大切だ。最近は母乳を無理にやめさせる必要はないとされ、以前より長い期間母乳を飲む子どもが少なくない。しかし、母乳は虫歯の栄養となる糖分を含むため、専門家は「歯が生え始めたら母乳の与え方に注意してほしい」と話しているとあります。
小見出しで「夜間の授乳は控えて」としている。
また、「夜間の授乳やだらだら飲みを控え、歯が生え始めたらガーゼや綿棒で歯をこするなどのケアできちんと予防出来るとしています。
夜間の授乳を控えるといっていますが、この記事を鵜呑みにして夜間の断乳は避けてください。
1歳過ぎても「母乳は単なる栄養ではありません」「心の栄養」でもあります。

不安やストレスに対しおっぱいは子どもの心を安定させる役割をします。お母さんとおっぱいを通じてつながることによって安心感をもらい、また新たな挑戦ができる心の余裕を持つことができます。
今の時期でも母乳育児の大切さは変わらず、しっかり続けることが大切です。

 虫歯は母乳だから多いと言うことはありません。ただ、食事を取って歯が汚れたままおっぱいを飲むと虫歯になります。おっぱいが悪いのではなく、汚れた歯をそのままにしておくことが虫歯の原因です。
  甘いものに含まれる砂糖は歯にくっついていることで虫歯菌を増やし虫歯を作りやすくします。
甘いものはなるべく避け、食べた後は歯を磨くか、きれいに拭くことが必要です。そうすればおっぱいを続けても虫歯が増えると言うことはありません。

北海道の皆さんご注意を。



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