ひげ爺のお産・子育てご意見番

子どもは育つ力を持って生まれてきますが
親に子育てする力が減っています。
親育て支援の中で感じたことを書いています。

産後の母子密着

2014年12月06日 | 母子同室
最初の一週間」こそ育児体験を持たない、核家族化した今日の妊婦さんにとっては、子育て実習の大切なじかんです。

この人生の始まりにおける一瞬の手抜き、うっかりした瞬時の息抜きが、一生の悔いになります。
多くの赤ちゃんは天国のような胎内生活を経験し、産道ではこれまで経験したことのない痛みや苦痛の試練を経て、新しい生活が始まります。

それまでの暖かく宇宙遊泳のような楽しい世界と比べて、この未知の世界は騒がしく、まぶしく、寒く、そして重力のある、不自由な世界です。
心ない病院では、形ばかりの母との出会いを終えると、直ちに新生児室へとつれていかれます。

突然の環境の激変です。
そこでは心を慰めてくれる懐かしい母の匂いも温もりも、そしてやさしい声も聞こえてはきません。
不安を訴えても誰も答えてはくれません。
更に空腹を訴えても決められた時間が来るまで、その欲求は満たされません。
加えて新生児室では、おっぱいからの直接の授乳時のように、五官を通じて行う互いの心の交流は望むべくもなく、多くの場合一定に時間を決めて、しかも哺乳瓶で牛のお乳が与えられます。

おしっこや排便でオムツが汚れて不快を訴えても誰も答えてくれません。
どんなにメッセージを送ってもお母さんは現れてくれません。
誰一人として不安や不満、そして甘えを受け入れてくれません。

このように出生直後より赤ちゃんの生理や欲求を無視し、大人のルールを 守る事を強制した扱いに、
やがて赤ちゃんはメッセージを送る事をあきらめ、人との交流・・・例えそれが自分の母親であっても・・・
お互いのコミュニケーションを取りやめてしまい、自分の殻に閉じこもります。
サイレントベビーの誕生です。
皆さんの大切なお子さんのために、見せ掛けのきらびやかさにまどわされずに心の豊かさを、母と子の間に育まれる基本的信頼と心理的一体感と、母と子の共生生活へと向けて素晴らしい出発(たびたち)の場として施設を選んでください。
分娩の時は、あなたもつらいけど赤ちゃんはもっとつらいのです。

赤ちゃんは不安や痛みに耐えながら狭い産道を恐怖に心と体を傷めながら、あなたに会いに、初めての世界に出てくるのです。

そのことをお産の時に考えると痛みが和らぎますのでイメージしてください。
出てきた赤ちゃんをすぐに抱っこしてあなたの胸で癒してあげてください。
この瞬間がとても大切です。
出生後2時間はお母さんの胸の上で至福の時間を過ごさせてあげてください。
母子分離をしないで生まれたらすぐに抱かせてもらってください。
 
いいお産が出来た赤ちゃんは生まれた瞬間から満たされた素晴らしいい表情をしています」
その時には「よく頑張ったね」「お利口さんだね」等と優しく、二人で楽しい会話を楽しんでください。
一方、無理矢理うまされた赤ちゃんは「悲しい顔で泣きます。
「いいお産」は、あなたとお子さんの絆がさらに深まり母性本能が生まれます。
主役は、産むあなたです。
あなたと赤ちゃんを応援しています。

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母子別室は悪いの?

2008年05月05日 | 母子同室
僕のサイトから新規に会員登録された方へメールを、送信しているのですが、それを読まれて不快に感じられた方からのクレームメールです。
*************
母子別室に対して、何か嫌な体験でもあったのでしょうか。
あまりに一方的かつ、決め付けた内容で、とても不愉快に感じました。
私が、第一子を出産した病院では、選択ができたので、私は、母子別室を選択しました。
子供は嫌いだったし、しんどい妊婦生活の終わりに、最大の難関の出産を経験し、そのまま育児へゴーでは、あまりに辛いと感じたからです。
私の親元からも、主人の親元からも離れた土地での出産で、退院したからと言って、誰の助けも借りる事ができず、家事と育児を両立させる事を考えたら、そこで休息は必要だと判断したのです。
実際には、休息なんてありませんでしたが(苦笑)といっても、緊急帝王切開となったため、母子同室を希望していたとしても、別室になっていましたが。私が出産した病院では、母子別室だからと言って、
きらびやかで贅沢なひと時を過ごし、産みっぱなしで休息できる体制ではありませんでしたよ。
また、牛の乳を与える病院など、存在するのでしょうか?
出入りしているメーカーのミルクを与えるならともかく・・・聞いた事もありませんが。
夜中も含めて、2・3時間おき、赤ちゃんが欲しがっている、と呼ばれ、
授乳室ので哺乳。
これも普通だと思います。
ミルクは与えない主義の病院でしたので、授乳の後、搾乳し、新生児室に預けます。
母親の体力が回復しないうちは、あまりに頻回に泣く場合、
搾乳した母乳を与えてくれていました。
オムツ指導もありましたし、授乳のたび、オムツ交換はしましたけど、
汚れても誰も替えてくれないなんて状況ではありませんでしたよ。
何を参考にされたのか、疑問に思います。


* *************
お産に対する考え方も医師の考え方も様々です。
何がいいか悪いと判断するかは、個人の育ちや考え方にもよります。
子どもが10年20年後、そして成人し親になった時に、子育てを振り返って後悔しないようにすべきだと思います。



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母子同室への戦い(その6)

2007年08月27日 | 母子同室
今回は最終回です。
母子同室を進める上で最後は、堺市会議員の無所属市民派の山中優子さんにとどめをさしていただきました。
今回の件に理解を示していただきましたのでお願いしました。

堺市議会の健康福祉委員会での質問からです
山中議員の質問です。

平成17年6月17目
             母子同室について
Q1
 新生児の免疫力の強化、母と子の絆の確立のために母乳育児は今、世界で推進されています,1989年にはユニセフとWHOが「母乳育児の保護、促進、そして支援一産科施設の特別な役割」と題する共同声明を発表し、産科施設に
対して「母乳育児を成功させるための10ヵ条」を守るよう呼びかけています。
 市立堺病院では母乳育児についてどのようにお考えかお示しください,

A1
 堺病院では助産師が中心となり、母乳育児を推進しております。妊婦健診時に保健指導や母乳アドバイス、妊婦教室での乳房マソサージなどに積極的に取り組んでおります。
 分娩後にもカンガルーケアを行っており、新生児は生まれて直ぐに母親の母乳を含むことができ、母親と新生児の早期のふれあいを大切にしています。
 また入院中の授乳時間は、新生児が泣いたら、いつでも与えられるように自律授乳とし、自然な母乳保育支援を目指しています。
Q2
  「母乳育.児を成功させるための10ヵ条」は、母親が赤ちゃんを母乳で育てられるように、産科施設とそこで勤務される職員が実行すべきことを具体的に示したものですが、第7条に「母親と赤ちゃんが一緒に居られるように、終日母子同室を実施しましょう」と謳っています。そこでお尋ねします。母子同室にデメリットはあるのでしょうか。
A2
 デメリットについては、母親の疲労がよく言われているところです。母子同室の場合、母親は出産後の疲労に加えて、夜間のおむつ交換や授乳など新生児の世話をするので、睡眠不足になることがあります。

Q3
 母親の疲労・睡眠不足は医療サービス上問題がありますが、それについての対策はありますか。
A3
 母子同室を出産後、すぐに実施するのではなく、母親の状態や疲労度により産後数日から開始したり、母親の希望があれば、途中数日母子別室にするなり工夫することができます。
 実際に、母子同室を実施している多くの施設から、母親は退院後、疲労より母子同室のメリットの方を高く評価しているという内容が報告されています。

Q4
 それでは次に、母子同室のメリットについて、お答えください。
A4
 母子同室のメリットでございますが、
 ・新生児が欲しがる時に授乳ができるため、母乳育児を確立するのに有効で す。
 ・母親は入院中に子どもを観察する日を養い、育児に慣れることができ、退院後の育児不安の軽減に繋がります。
 ・新生児は常に母親の側にいることで、情緒の安定を得ることができます,
  また、母親も子どもへの愛情が育ち、母と子の絆が強くなります。
 ・母親だけでなく、家族も早期から新生児に触れることにより、家族関係の 確立を図ることができます。
 ・新生児は常に母親とともに過ごし、頻回に授乳するため母親の常在菌が子 どもに移行して、抵抗力をつけ、感染症に罹  
  患するリスクが低くなります。 これらがメリットです。

Q5
 母子同室には、多くのメリットがあることが分かりました。ところで堺病院では母子同室を実施していますか。

A5
 母子同室につきましては、全面的な実施には至っておりませんが、平成16年6月からNICU(新生児集中治療室)を退室された新生児を対象に実施しています。

Q6
  「NICU(集中治療室)を退室された新生児を対象に実施している」とのことですが、その内容と件数をお尋ねします。


A6
 NICU(集中治療室)に入室する新生児は何らかの治療が必要であるため、母親と接する機会が極端に制限されてしまいます。授乳だけでなく、子どもを抱くことも十分できないこともあります。
 新生児の症状が安定し、NICU(集中治療室)を退室した後、母子同室で過ごして頂き、母親の育児への不安の軽減や母乳育児を行っています。
 平成17年5月までで13組の母子同室を実施しています。数が13組と比較的少ないのは、NICU(集中治療室)退室後も新生児に治療が必要であるため母子同室ができなかったり、母親の状態が良くなかったりするケースがあるからで
ございます。

Q7
 -母乳育児の成功や育児不安の軽減など、多くの成果が認められる母子同室ですが、堺病院で全面実施に至っていな      
  いのは何故ですか。

A7
 母子同室の全面実施に際しては、安全対策が重要と考えるからです。母子の安全のため、病室の錠設置や面会者を制限できる設備が必要です。現在の病棟は混合病棟であり、様々な疾患・症状のある患者さんが入院されています。夜
間の新生児の泣き声が、他の患者さんの療養の妨げにならないように病床運用が必要と考えています。
 現在実施している母子同室の成果を今後の母子同室導入の資料として役立てたいと前向きに検討してまいります。
要 望
 前向きに検討していくというご答弁で安心いたしました。
 先日、厚生労働省から発表されましたように、平成16年度の出生率が1..29人であったことは周知のとおりです,国においても「子ども子育て応援プラン」を掲げ、少子化社会対策に取り組んでいます。
 是非とも早期に課題を検討されまして、堺市民の病院として、また地域の中
核病院として、その機能を十分発揮し、母子ともに安全な環境で母乳育児ができる母子同室を実現されることを要望してこの質問を終わります。
*************
この結果、今年の6月から母子同室が出来るようになりました。
市民のためにと願って行動を起こせば変わります。

目下、一ヶ月健診での母乳哺育率について、市当局から聞き出す準備をしています。
母子同室にしても同室以前の母乳哺育率30%台では困ります。
母子同室にさせた意味がありません。
妊婦への教育やスタッフのサポートがないのではないかと推察しています。

続けて追求していきます。



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母子同室への戦い(その5)

2007年08月26日 | 母子同室
いよいよ5回目です。
戦いはあとわずかで、終盤にさしかかります。
母子同室になっても、母乳哺育率や同室の利用者が増えなければ意味はありません。
よりよい子育てやお産をしていただくためには、おざなりで型どおりの母親教室や両親学級をやっても意味がありません。
なぜ母子同室にするのか、そしてどのように母子の関係を深め、頻回授乳をしてもらうのか等多くのことを学んでいただく必要があります。
そうでなければ絵に描いた餅です。

                                       堺病総第139号
                                       平成17年6月16日
新井一令様
                                           市立堺病院
                                            院長
質問書について(回答)
平成17年5月11日の文書により照会のあった件につきまして、回答いたします
NPO法人たまごママネットからの質問と回答

質問1
 母乳栄養での退院率については過去5年間のデータが無いとのことですが、以前小生に対して母乳栄養での退院率を提示していただきましたが、その率はどのようにだしたのでしょうか。
質問2
 この率を出すのは困難なことではありません。分娩後ルーチンでチェックをしているはずです。
 回答:当院では、退院時の母乳率ではなく一ケ月検診時での母乳率を重視しています.,なぜなら、入院中には十分に母乳が分泌されていても、退院後に分泌量の変わるお母様たちが多いと考えるからです。入院中のお母様たちの毎日の母乳量は、授乳表に記録しています。
 以前に提出させていただいた母乳栄養での退院率は、当院での生理的体重減少を検討する際に一時的に調査し資料としたものです。

質問3
 警備上の問題について
 ナースステーションに近い個室や総室を利用することで、看護師や助産師が頻回に訪問することは可能である。不在時は新生児室で一時的に預かればすむ。

回答:産科で入院の患者様は4B病棟の南側病室を利用していただき、婦人科および他科の患者様は主に北側の病室を利用していただいています。入院患者様の環境や精神的な安静を考慮すると、可能な限り病室は、入院目的別に分かれていただいた方が良いと考えています。
したがって、ナースステーションに近い部屋は母子同室に活用するとともに、手術患者様や病状の重い患者さまに利用させていただいています。
 全面的に母子同室を開始する場合、ナースステーションから遠い病室も活用しなければならないのが現状です。病室の施錠や防犯上必要な扉の設置など、安全対策を検討しています。

質問4
 通常の母子同室について検討したことはあるのですか?
 回答:通常の母子同室を行うことはもちろん検討しています.。現在実施しているNICU退出後の新生児母子同室も、今後全面的な母子同室を導入する際のプレテスト的な意義があります。


 現在実施している母子同室を体験したお母様からの意見や感想を、今後の母子同室導入への貴重なデークとして活用したいと考えています。

質問5
 新生児の面会時間はどうなっているのか。
 30分程度の面会時間では問題ないのではないか。面会スベースを設けることによってセキュリテイは守られるのではないか。
 業務用エレベータを一般の来前者が使用するのか。もしそうであるならば管理の問題である。監視モニターを設けることでカバーできる。
回答:現在面会時間は15:00~19:30となっており、ガラス越しで行っています。面会スペースを設け、ご家族に入っていただけるよう検討したいと思います。
 B病棟の業務用エレベータは一般の来訪者(面会者等)に使用禁止とはしていませんが、
業務用(非常用)とステッカーを貼ることで、できるだけのご遠慮を願っています。現実的には一般の方が使用されることは少ないですが、物理的にも行き来自由なため完全に使用できないようにすることは難しい状況です.。
************
とどめは堺市議会の委員会での質疑について報告します。
次回は最終回です。



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母子同室への戦い (その4)

2007年08月25日 | 母子同室
第4回は病院からの回答を掲載します。
やっと前向きになって母子同室を検討するという回答を引き出しました。

                                         堺病総第70号
                                        平成17年4月29日
新井一令様
                                               市立堺病院
                                                院長

①母子同室について
質問1.「まだ完全母子同室には至っていませんが社会のニーズに応えるべく、設備の改善を含め現在、前向きに検討中」とありますがどのようなことでしょうか。
回答:母子同室を行うには安全のため、病室の施錠とともに面会者の制限が必須です。市立堺病院の北側病棟(B病棟)には、B階段と業務用エレベーターが設置されており、これはナースステーションの反対側に位置しています。また医療者からは死角となるため、外部者が利用すれば誰にも気づかれず容易に病室に入ることができるのです。
 今までも、この出入りロを閉ざすことを考えましたが、消防法等の関係上閉ざすことができないのが現状です。母子の安全が確実に確保できなければ実施は困難です。
 また現在母性病棟には、さまざまな疾患・症状のある患者様が入院されています。夜間の新生児の泣声が、療養の妨げにならないように病室運用の検討が必要です。

質問2.NICUから一般新生児室に転棟し母子同室を行っている」とのことですがその数とどのように実施しているのか答えてください。
 回答:平成16年6月よりNICUを退院した新生児を対象に、母子同室を実施しています.,現在までで13名の母子が同室で過ごしました。
 まず母親に母子同室に関する説明を行い、母親の意思を確認します。産後の体調が悪く実施できない場合や、新生児に観察が必要で小児科医師から許可が出ない場合もあります。
母親の意思を確認し小児科医師の許可を得られた後、個室を準備し母子同室を行います。
育児日記をつけていただいたり、沐浴をしていただいたりして具体的な育児指導や授乳指導を行っています。
 現在実施しているこの母子同室の評価を、今後の母子同室導入に役立てたいと考えています。

②授乳時間について
質問1.自立授乳の方法について
「授乳時間は自立授乳(自律)とし」とありますが、どのように自律授乳をしているのでしょうか。母子分離の状態では不可能ではないですか、貴院の見解を具体的かつ明確にお答えください

 回答:母子同室を導入できない現状があるからこそ、母性病棟スタッフの工夫で自立授乳を行っています。母親と充分にコミュニケーションをとり、自立授乳の利点について説明します。その後は母乳量を確認しながら、新生児が泣いたら母親に声をかけるというケアを行ているのです。新生児室のスタッフと病棟を担当するスタッフが、協力して実現できています。

質問2.母乳での5年間の退院率についてお答えください
回答:平成14年 1か月健診時の母乳栄養率は46%でした。
平成15年 1か月健診時の母乳栄養率は34%でした。

質問3.第一沐浴の中止について
平成15年8月1日付けの回答で「第一沐浴を可能な範囲で中止する方向で検討する」とありましたが実現されたのでしょうか?

 回答:平成17年2月より第一沐浴は実施していません。成果は具体的数値で示すことはできませんが、感染症が減少する傾向にあるようです。

質問3.カンガルーケアについて
同上の回答でカンガルーケアを導入する予定であるとしていましたがいつからどのように実行されるのでしょうか?

回答: 平成15年に希望する母親を対象に、カンガルーケアを始めました。平成17年より新生児の状態が良ければ、全例実施しています。
* ***************
やっと母子同室に向けて検討するという答えを引き出しました。
母子同室が出来ていないので母乳栄養率が低いことが立証されています。
1ヶ月健診での母乳率34%というのは低すぎます。
せめて70%はないと困ります。
また、第一沐浴の中止をさせることも出来ました。
市民が声を上げていくことで改善することが出来るのです。


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母子同室への戦い(その3)

2007年08月22日 | 母子同室
第三回
今回は市立堺病院からの回答を紹介します。
いかに、医師が母子同室や院内感染及び赤ちゃんの心や母親への支援がかけているのかを表しています。
また、母子分離が母親にダメージを与えることを全くわかっていませんでした。
母乳哺育について医師の知識がないのに唖然とします。
私のサイト(たまごママネット)からは「市立堺病院」の掲載は削除しました。

回答:本院は、救急告示病院であり、24時間患者様を受け入れています。従いまして、母児同室を全面実施した場合、救急患者様の緊急入院などにより、患者様や患者様に付き添ってこられた方などが母児同室の行われている病室に出入りされることがあり、新生児への病気感染が心配されます。
 本院では、出産後の妊産婦様の母体を保護していただため、新生児とは別室として、出産後の妊婦様に休養をとっていただくことを優先しています。

質問 :これまでに母子同室の施行について院内で検討されたことはありますか。
入院室を分離するなり、患者の症例別に病室を配置することで急患やお産以外の患者と分離する ことは可能ではないでしょうか。回答を求めます。

質問 :院内感染については見解を求めます。
母子の接触を推進する手段として母子同室が最初に提案されたとき、この方法は院内感染の発生率を増大させるのではないかと危惧する者が多かった。しかし、その後の膨大な研究によって、新生児室よりも母子同室の方が感染症の発生がはるかに少ないことが明らかになった。

 (Rush et al,,1991)
1959年というかなり早い時期の研究でも、母子同室の方が有害な細菌の増殖率が低く、感染症の発生率が低いことが示されている
(Montgomery et al ,,1959)この報告から30年もたっているにもかかわらず、市立堺病院の回答は「新生児への病気感染が心配されます」というそ根拠を提示してください。

2母乳哺育について
回答: 母乳哺育については、本院でも推奨しています。
(1) カンガルーケアについて
  本院では、出産後は、臍帯切断直後の赤ちゃんを母親の体に乗せて対面していただいています。また赤ちゃんの第一沐浴後は、母親にだっこしてもらっています。しかし、出産後の妊産婦様に休養をとっていただくことにより、母体保護をしていただくことを優先しているため、全面的なカンガルーケアは行っていません。

質問: 第一沐浴の有意性についてお答えください。
一般的には、出生当日の沐浴は今多くのところでは行っていません。出生当日の沐浴は、体温低下によると考えられる肺出血の危険性、皮膚感染は沐浴をしない方が少ないといわれています。
何故、リスクをおかしてまで貴院において行うのか具体的説明を求める。
 
(2) 早期の頻回授乳について
  本院では、出産後、15~16時間経過後から授乳を始めています。しかし、出産後の妊産婦様に休養をとっていただくことにより、母体を保護していただくことを優先するため、早期(出産後3~4時間経過後)の頻回授乳授乳は行っていません。

質問  :母体の保護という考えも以前は良く聞かれました。退院後に大変な思いをするのだからお 産後ぐらいゆっくりさせようと言う考えです。これで問題になるのは退院後は慣れないまま退院した母親が赤ちゃんの面倒をみないといけないと言うことです。赤ちゃんの1日を知らないままで退院しますから、こんなはずではなかったとパニックになることがあります。入院中に退院後にお母さんが自信を持って赤ちゃんを育てていけるようにサポートすることが大切なことだと思います。
「母乳哺育については、本院でも推奨しています」との回答であるがどのように推奨しているのか具体的に回答してください。
 母乳哺育のためには「早期の頻回授乳」は非常に重要だと考えますがいかがですか、お考えをお示し下さい。
 
 母乳育児をすることは母子共に練習・訓練が必要で、最初からうまくはいかない。
だからこそ、最初の3日間を充分サポートしてくれる人々が必要なのである。
最初の3日間の訓練・練習のありようが、その後の母と子の人生を大きく変えてしまうことも多い。
一方、母子分離されて新生児室に収容された赤ちゃんはよく泣いている。
それは、「不安だよ。寂しいよ。お母さんの所に連れて行ってよ。おっぱい欲しいよ。」と言っているのだと思う。
まさに、「カンガルーの如く」カンガルーや他の自然界の哺乳動物の母乳育児に学ぶべきではないかと思う。
大人の都合だけで分娩を進め、終了させて、母親の疲労回復と称して母子分離の産褥期を過ごす。
赤ちゃんが欲しがるままにおっぱいを吸わせることなく、哺乳瓶で人工乳を与えることは、あまりにも赤ちゃんの気持ちを尊重していないことになると思う。
つまり、赤ちゃんの基本的人権の侵害となるのです。赤ちゃんが母乳を飲む権利を奪っていることになる。このようにして、新生児期以降も、基本的人権を尊重されないまま成長した子どもは、建物で言えば、目には見えない基礎部分に手抜き工事をしたことと同じで、その上に立派な建物を建てても安定しないことと似ている。

ユニセフとWHOは1989年に「母乳育児の保護、促進そして支援?産科施設の特別な役割」と題する共同声明を発表し、世界の全ての産科施設に対して「母乳育児を成功させるための10ケ条」を守るよう呼びかけた。
また、1991年には「10ケ条」を完全に実施する産科施設を「赤ちゃんにやさしい病院(BTF BabyFriendly Hospital)」に認定する制度を設けた。
この制度は、世界のすべてのお母さんを助けて、赤ちゃんを母乳で育てられるようにすることによって、すべての赤ちゃんに等しく最善の人生のスタートをというユニセフとWHOの願い表している。

質問 :母乳育児成功のための10箇条(WHO/UNICEFの共同声明)について実施する意志がありますかお答え下さい
1.母乳育児の方針をすべての医療従事職に文書で通告すること。   
2.すべての医療従事職に、この方針を履行するために必要な知識と技術を教育すること。
3.すべての妊婦に母乳哺育の利点と実際をよく知らせること。
4.母親が分娩後30分以内に母乳哺育を開始で きるように援助すること。            
5.母親に十分な授乳指導を行い、もし子どもから離れることがあっても、泌乳を維持する方法を母親に考えてやること。           
 6.医学的に適応がないのに、母乳以外の栄養水分を新生児に与えないこと。         
 7.母児同室、すなわち母と児が1日中、24時間一緒にいられるように実施すること。      
 8.子どもがほしがるときに、ほしがるままの授乳をすすめること。              
 9.母乳哺育には、ゴム乳首やおしゃぶりを与えないこと。                   
 10.母乳育児支援団体を育成し、退院してゆく母親にこのような団体を紹介すること。

堺市民の将来のために是非、母子同室の実現を求めます。
積極的な回答を求めます。
***************
戦いはまだまだ続きます。


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母子同室への堺市との戦い(2)

2007年08月21日 | 母子同室
第二回
私は、市立堺病院及び堺市長に対して下記のような「質問及び要望書」を出して母子同室の実現のために活動しています。これは5年にわたる長期戦でした。
やっと昨年(2006年6月)に母子同室になりました。
一人の市民が声をあげることで改善できるのです。
正しいことを無欲で言い続ける事こそ最大の武器です。

最後は子育てに理解のある市民派女性議員が考え方に賛同してくれ、情報公開の場に同席してくれたり、
委員会で市当局に質問してくれたりしてやっと実現しました。
病院の助産師など内部にも理解者は必要です。

お母さんと赤ちゃんのためには母子同室は必要です。
不幸な子育てのスタートを切らせないためにも。

次に堺市に対して公開質問状だして市当局に回答を求めその回答に基づき話し合いを繰り返しました。
質問状と回答をお読みください。

*****************
2003年7月11日
堺市長 様
市立堺病院院長
   特定非営利活動法人 たまごママネット
       理事長 新井 一令
    住所 ○○○


 質問書及び市立堺病院産婦人科における母子同室の実施要望

2002年11月に市立堺病院からの回答について、母子同室ができない理由についての回答が不十分であり、再度の質問と要望を行う。

1 母児同室について
回答(堺市)
ご質問の「母児同室」については、よい点が多数あることを認識しています。
しかしながら、本院では、次に掲げる理由により、「母児同室」の全面的な実施は行っていませんのでご了解ください。
 なお、現在のところ、本院でも、妊産婦様から「母児同室」のご希望があった場合において、個室が空いているは「母児同室」を行っていますが、妊産婦様からの当該のご希望が余りないのが実情です。

質問

 妊婦からの希望がないのではなく「母児同室」の必要性の教育がなされていないのではないですかされているのであれば具体的に回答してください。

また、私どもの法人にはの堺市民多くから母子同室ではないので、同室が出来るところで分娩をするという声が寄せられています。貴院の患者からも、母子同室にして欲しかった。
退院してから大変だったという声が多数よせられています。それについてはどのようにお考えですか見解を求めます。

回答(堺市)

産科の専門病院では「母児同室」を実施しやすいと考えますが、本産婦人科病棟は、妊産婦意外の患者様も多数入院しておれれる混合病棟です。
従いまして、重傷な患者様の中には、同じフロアの病室から聞こえてくる赤ちゃんの泣き声が気にかかって休養できないという方もおられますので、母児同室の全面実施が困難です。

質問

 ユネスコの子ども権利条約9条に関連して「母児同室」をすべきだと思いますが貴院の見解をお答えください。
「母子同室」は、産後の母と子は一つの単位であり、不可分である事は、子ども権利条約にも、その第9条に明記してあります。(子どもは、親といっしょにくらす権利をもっています。ただし、それが子どもにとってよくない場合は、はなれてくらすことも認められます。
はなれてくらすときにも、会ったり連絡したりすることができます。)
出生直後から母と子を同室にする事により、赤ちゃんから発せられる様々なメッセージを感じることができます。
泣き声やその視線に対して、母親はすばやく反応し、授乳し、、オムツを替えてやり、話し掛け、そして抱っこを行います。
するとそれに対して赤ちゃんは、早期から養育者である母親が自分に関心を向けているかどうかを敏感に感じながら
発育するといわれてます。
母親からの働きかけに対して、赤ちゃんも反応し、お互いに密接で深いコミュニケーションが育まれます。
この母子相互作用により赤ちゃんには母親に対する愛着が育ち、母親の母性はより豊かになります。
母と子の心理的一体感が育まれると共に、親子の絆もまた強いものに育っていきます。

別室制の施設で教えられた赤ちゃんの扱いを、最良の育児法であるかのように錯覚して、帰宅後もそのやり方をまねて育児するしかないのが実情です。
その結果、育児不安を欠けてしまいます。
赤ちゃんの扱いと母乳哺育による母性が完成されないからです。
母と子の絆がつくられないと「可愛いはずなのに愛せない」と悩む母親になってしまいます。
「最初の一週間」こそ育児体験を持たない、核家族化する今日の妊婦さんにとっては、育児実習のゴールデンタイムでもあるわけですが、この人生の始まりにおける一瞬の手抜き、うっかりした瞬時の息抜きが、一生の悔いになります。

多くの赤ちゃんは天国のような胎内生活を経験し、産道ではこれまで経験したことのない痛みや苦痛の試練を経て、
新しい生活が始まります。
それまでの暖かく宇宙遊泳のような楽しい世界と比べて、この未知の世界は騒がしく、まぶしく、寒く、そして重力のある、不自由な世界です。

心ない病院では、形ばかりの母との出会いを終えると、直ちに新生児室へとつれていかれます。
突然の環境の激変です。
そこでは心を慰めてくれる懐かしい母の匂いも温もりも、そしてやさしい声も聞こえてはきません。
不安を訴えても誰も答えてはくれません。
更に空腹を訴えても決められた時間が来るまで、その欲求は満たされません。加えて新生児室では、
おっぱいからの直接の授乳時のように、五官を通じて行う互いの心の交流は望むべくもなく、多くの場合一定に時間を決めて、しかも哺乳瓶による「くわえのみ」で牛のお乳が与えられます。
おしっこや排便でオムツが汚れて不快を訴えても誰も答えてくれません。
どんなにメッセージを送ってもお母さんは現れてくれません。
誰一人として不安や不満、そして甘えを受け入れてくれません。
このように出生直後より赤ちゃんの生理や欲求を無視し、大人のルールを 守る事を強制した扱いに、やがて赤ちゃんはメッセージを送る事をあきらめ、人との交流・・・例えそれが自分の母親であっても・・・お互いのコミュニケーションを取りやめてしまい、自分の殻に閉じこもります。
サイレントベビー予備軍の誕生です。

皆さんの大切なお子さんのために、見せ掛けのきらびやかさにまどわされずに心の豊かさを、母と子の間に育まれる基本的信頼と心理的一体感と、母と子の共生生活へと向けて素晴らしい出発(たびたち)の場として施設が必要である。

すべての両親と新生児は、生まれたその瞬間から親密な接触を持つ権利がある。
母子が一緒にいることは、女性ないし赤ちゃんに影響を及ぼす帝王切開分娩やその他の医学的介入が行われた場合を含め、あらゆる状況において奨励されるべきであると思いますが貴院の見解を求めます。

産褥早期に母親と新生児をルーチンに離してしまうことによって生じたと思われる不利益に関する証拠はこの手法が広く普及した30年又はそれ以上の間に蓄積している。
いくつかの対照試験で、出産直後のの数時間に母親と新生児の相互作用を規制する施設の方針と、この期間に相互作用を促す方針との影響比較研究された。

母親としての愛情あふれた態度は、児との触れあいを制限された母親には、自由に触れ合うことを促された母親よりも有意に少なかった。
母子同室の方針と比較して母子分離がルーチン化した「市立堺病院」の方針は、社会的に成熟していない初産の母親が「幼児虐待やネグレクト」を引き起こす危険度が高くなるのではないでしょうか。
貴院の見解を求めます。

母子同室を奨励するとともに、正常新生児を集中管理する新生児室の廃止を求め、その見解を求めます。

まさに「市立堺病院」は赤ちゃんの人権や母性を育むなどという考え方がないといわざるを得ない。
猛省を促すとともに早期の母子同室を求めます。

また、入院中の母子の接触についてのスケジュール及び指導のための文書の提供を求める。
****************
次に続きます。

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市民病院との母子同室へ向けての闘い

2007年08月20日 | 母子同室
楽しい子育てのスタートには、早期の母子同室は大切です。
私は5年にわたり市立堺病院の母子同室に向けて一人で戦いをしてきました。
それは母子の健やかで楽しい子育てのために、早期の母子分離は避けなければなりません。
そこでこの戦いと母子同室の大切さを連続でお届けします。

第一回
これまで我が国のお産は、産後は母子の分離が行われていました。
「産婦の疲労回復」ということでに新生児室で管理する「母子分離」が行われていました。
赤ちゃんには「3時間おき」の授乳が行われ、お母さんは3時間ごとに授乳室で我が子に授乳するのが一般的でした。
この「3時間おき」の授乳は人工乳(ミルク)の消化に3時間かるところから設定されたものです。
母乳哺育の赤ちゃんは、1時間半から2時間で消化してしまいます。
従って赤ちゃんは3時間待たされると空腹で泣きます。また、生後まもなくからに頻回授乳しないと母乳哺育が出にくくなります。

母乳哺育はお母さんが出すものではなく、赤ちゃんが出してくれるものです。
頻回に授乳するためには、母子別室ではできません。
 また、母乳での退院率の高い施設では、異常がないかぎり「母乳が出るまで」何も与えないことを実施しています。

赤ちゃんは、3日分の「お弁当と水筒」を持ってくると言われています。
出ない乳首を何回も何回も吸うことで母乳哺育は獲得できます。

正常新生児の母子同室は妊産婦にも、赤ちゃんにも、ごく自然であり、あたり前にあるべきです。
母乳哺育の実践、母性の確立や母子の信頼関係(絆)を形成し、赤ちゃんに対する愛着の形成や育児に対する自信が得られます。

WHOやユニセフは我が国に対して勧告をしています。
母子同室を採用すると言うことは、すべての乳児を収容する新生児室を廃止するということでもあります。
新生児室の換わりに母子同室にするメリットは数多くあり、医学的根拠に基づいています。

1 母親と新生児が最適な接触の機会を持つことができ、一般的にこの相互作用を 病院スタッフではなく母親がコントロールできる。



2 母親は、乳児が早期に出す合図や要求、 生活パターンがよくわかるようになる。このため、 家庭で乳児の要求に応えるために準備が容易になる。


3 乳児は要求に応じて頻回に授乳させるため、すぐに充分な母乳を飲むことができます。
  母乳育児がうまくいく可能性が高まれば、 それに伴う栄養上、免疫上及び心理的な メリットもあります。


4 乳児の啼泣が少ない。(火のついたように 激しく泣く)

5 母親は、看護スタッフより早く医学的問題の症状や徴候を発見する。

6 頻繁に授乳を行うため、乳児のビリルビン値が 低くなり、黄疸が減少する。
  この結果、検査や光線療法の必要性が減る。

7 感染症に罹患するリスクが小さい。



WHO勧告13  1992 
トリエステ会議のコンセンサス勧告はすべての両親と新生児は、生まれたその瞬間から親密な接触を持つ権利があるとしている。
母子同室で一緒にいることは、赤ちゃんに影響を及ぼす帝王切開分娩やその他の医学的介入が行われた場合を含め、
あらゆる状況において奨励されるべきである。
母親と赤ちゃんは分離されてはならず、母親が望むだけ赤ちゃんと一緒にいられるべきである。
母子同室を奨励するともに、正常新生児を集中管理する新生児室の廃止が検討されるべきである。
さらに、健康でない赤ちゃんのケアについても、両親が参加されることが奨励されるべきであり、それは赤ちゃんに実際のケアを行ったり治療の決定に参加されることを含む。

妊娠中より、胎動時に胎児に話しかけ、出産後は児を扱う時は必ず声かけをするように指導している。この行動は、妊婦の母性を醸成し育み、育児に対する使命感が作られ、遊び感覚の育児が実践でき、「育児が楽しい」という母親が増えている。

添い寝(母子同床)を積極的に奨励している。児は母親と接触することにより落ち着いてくるし、母親も喜ぶ。また、添い寝により児に対する愛着が、さらに深まってゆくようである。
児と向かい合った側臥位で、下の腕で児を抱え込む方法と、仰臥位で児をお腹に乗せる方法の二種類を指導している。

このようにメリットの多い母子同室です。

明日へ続く

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母子同室は親子にとって大切!!!

2007年07月28日 | 母子同室
哺乳動物は子を産み、その子を抱いて、哺乳して育てる。
現代の日本ではこの当たり前な子育てができていない。
「安全」という名のもとに管理され、ベルトコンベアー式なお産を強いられ、生まれれば赤ちゃんはそのまま新生児室に送られ、母親に抱っこもされないままに定期的に人工乳を与えられる。
肥らせ眠らせることを子育てと教えられるが、これは「飼育的」であり、子育てとはいえない。
飼育は単に体の栄養を与えるもので、子育てとは体だけでなく心の栄養も同時に与えられるべきです。

「疲れを癒す」とのもとに赤ちゃんとの接触のないままに退院し、家に帰ってから子育てへの不安と責任感に押しつぶされ、育児不安になる。
乳幼児の時はうまくいっても、子の親に対する信頼が育まれず、その後の対人関係に影響すると言われている。

赤ちゃんは生まれたばかりにはまだリズムができていません。
母親と一緒にいることでリズムがつくられ、生まれたばかりの赤ちゃんでも母子同室でお母さんと一緒にすごしていると、退院までの間に少しずつリズムがつくられます。

退院後も慣れた状態で家に帰りますから、スムーズに子育てを行うことができるようになります。
一方、母子異室で時間授乳-3時間毎にするとこのリズムがつくられず、退院後の母親はとまどい、
育児不安を訴えることが多くなります。
生まれて間もなくは母乳は出ませんが、この時期に頻回母乳を行うことで、母乳の分泌を早めるとともに、乳頭亀裂などのトラブルを少なくすることができます。

十分に母乳が出るようになってからも、
母乳の消化は一時間半から2時間です。
頻回にオッパイを与えるということは、母乳を与えるというだけでなく、その回数だけ母親とのスキンシップを
とることができます。
時間授乳は栄養としてミルクを与えるというだけで、スキンシップやコミュニケーションの機会が少なくなってしまいます。

人工乳は胃内停滞時間が長くお腹がすかないということが起こります。
人工乳の場合には3時間の間隔があけやすくなります。
このコミュニケーションの差は大きくなってから人間関係が上手く築けなくなる。

 本来の人間的な子育てをするためには、妊娠中からの知識と心構えを身につけ、母と父がともに心を一にして取り組むことが重要です。

コメント (6)
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