ひげ爺のお産・子育てご意見番

子どもは育つ力を持って生まれてきますが
親に子育てする力が減っています。
親育て支援の中で感じたことを書いています。

奈良県のお産から国の問題へ

2007年08月31日 | 周産期医療
奈良県民さんありがとうございました。
おっしゃるように、「奈良県」だけの問題ではありません。その通りだと思います。

私のもとにも全国からお産に関する情報が寄せられてきています。
医療消費者がお産について悩み苦しみ、産むとこ探しをしている実態や医師不足の問題も承知しています。

「今回の事件は帝王切開もNICUも必要ない「妊娠3ヶ月」のつもりが、実際は「24週以上」でした。状況は大きく異なります。緊急帝王切開、NICUのフルスタンバイ、輸血の準備等々が必要となってきます。少なくとも、産科医2名、麻酔科医1名、小児科医1名、手術スタッフ3名以上が常駐している病院ということになります。もし、産婦人科医1人の病院がこの妊婦を受け入れ、病院で子どもが生まれ、NICUがないために子どもがなくなれば、その病院は裁判で負けるのです。」その通りですね。

私もそのような悲劇におそわれた医師を存じ上げています。
それらの医師は院長室で寝泊まりし休む間もなく、お産や産婦さんに寄り添っていました。
数人の医師が院長室で息を引き取っていたという事例を知っています。葬儀にも参列しました。
産科医は命を削って産婦と赤ちゃんに寄り添っています。
よかれと思ってやった事が医療訴訟に発展するケースが確実に増えています。

本来コミュニケーションがとれている患者からも訴えられる事があります。
まして、緊急搬送された病院では患者とのコミュニケーションがとれず訴訟になるケースが多いと思います。

産婦人科医1人の病院では、訴訟対策を配慮した医療にならざるを得ませんね。
従来は、されてきた医療行為が意味のない判例のために出来なくなる現在の状況はひどいです。

医師だけが悪者ではありません。
すべての問題の起因は「国の無策」だと思います。奈良県民さんの言うように、私の最終ターゲットは「国」です。
「医学的に何も間違っていないのに、訴えられる。民事だけならまだしも、逮捕までされる。これでは、「患者のためにがんばる」という一心で過酷な労働に耐えてきた医師が燃え尽きても仕方ありません。」
これまで犠牲になった医師の御霊に報告できるようにアクションを起こしていきます。

「国」「裁判所」「厚生労働省」に対して国民として要望していきます。

最後に、私のもとに寄せられている産科医の悲痛な叫びを掲載させていいただきます。

***********
「こんばんわ。新井さん、わたしたち産婦人科医もみんな、ママと赤ちゃんのために頑張っています。福島事件でかなり悩みましたが、「間違ったことをしてない』といわれている加藤先生を初期より、心から支援しています。
みんな36週で帝王切開したら、産科医は楽になり、夜も寝られることでしょう。
そうじゃないんだ!!ママは産む力を持ってるんだよ。と、励ますのが、産科医の醍醐味です。産む力を咲かせてあげたいです。
でも人間なので、やはりお産には水杯が必要だし、赤ちゃんだって泣けない子もいるんだということを、知ってほしいです。
でも結果がすべてですから。。どんなに頑張っても、おぎゃーーーて啼かなければ負けます。どんなにがんばっても、突然の出血はあります。
肺塞栓は怖くて怖くて大変ですが、さあーー何万分の1のために、日本のお母さんはいいお産を捨てることになるのでしょうか?だってたくさんお産が集約したら親切医療どころでなく、なにしろ100%安全なので、さっさと、見切りをつけて、帝王切開となるでしょう。これを食い止めるのはお母さんたちだとお思います。母乳育児が上手くいかないのはマッカサー元帥が日本を崩壊するために考えられたそうですが、大当たりでした。でも一番大きな原因は何千にか一人おっぱいの出ない人がかわいそうだから、、、みんな母乳がよいという話はやめようという、事なかれ主義、一億総中流主義のためだと思います。みんな一緒は違います。わたしは日本の医療が崩壊しないために、ノーフォルト制が引かれ、医療への警察権の介入を断固反対します。わたしたち産科医はお母さんと赤ちゃんが大好きだから日夜頑張っています。どうぞ、モチベーションが一気に下がる措置は避けてください。100%の医療のため、地域でお産できなくなったお母さんたちも100%の医療の犠牲者です。どうぞわたしたちは仲間をかばっているわけでないことを、伝えててください。」

拝啓
向寒の候、貴会ますますご発展のことお慶び申し上げます。
日頃のご活躍を快く拝見させていただいています。
 さて当院におきましては、諸般の事情により、本年3月をもって産科の入院取り扱いを中止しまして、外来診療のみとさせていただくことになりました。
長い間貴会のHPリストに紹介いただきありがとうございました。今後は分娩施設紹介のリストより取り下げていただきますようお願いいたします。今後貴会のますますのご活躍を祈念いたします。
私も昨今の産科情勢に希望が持てなくなってしまった一人で、厚生労働省医政局課長の判断(態度)や、過酷な労働環境を理解出来ない人々の影響、小生の体力などの理由で外来のみの診療に甘んじてしまいました。我が国の出生率を上げるような政治的バックアップ、助産師、看護師との連携などを密にしてもっとお産の素晴らしさ、子育ての楽しさなど啓蒙していくことも期待してなりません。
************
本当に悲しい世の中になってしまいました。
しかし、これにへこたれてはいません。
国民が健康でくらせる安心して生きていける日本にしていかなければなりません。
微力ながら力をつくしていきます。

奈良県民さん「パワー」をいただきありがとうございます。
心から感謝いたします。

これから育児不安で悩んでおられるお母さんへの支援にために数件電話をします。
そしてここでは「エネルギー」をいただきます。





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奈良県でのお産の悲劇(その2)

2007年08月31日 | 周産期医療
今回の産婦の搬送トラブルに関しては、奈良県民さんのコメントにあります「責めるべきは産婦人科医?奈良県の医療体制??それとも、この女性???」とありますが、私は一番悪いのは奈良県だと思っています。
また、お産は確かに「医療」ではありません。
正常なお産とハイリスクなお産は区別されるべきだと思っています。お産は妊婦とお腹に宿った赤ちゃんの共同作業です。
自分で産み育てるのだという意識の醸成がされなければなりません。その上で、分娩施設を本人の意志で選択すべきだと思います。

 奈良県には二つの救急搬送システムがある。救急が一般の救急患者の受け入れ先を探す「救急医療情報システム」と、医療機関がハイリスクの妊婦や新生児を別の医療機関に搬送する「周産期医療システム」に救急からの搬送をのせる仕組みを追加することが必要だと思っています。

奈良県産婦人科相互診療援助システムを速やかに作るべきである。そのためには、知事がリーダーになり、健康安全局、県立医大、医師会、奈良県産婦人科医療部会、助産師会などが叡智をしぼり体制を速やかに整えるべきだと思います。

県立奈良病院の医師の増員について
 奈良県立奈良病院(奈良市)の産婦人科医5人が04、05年の超過勤務手当の未払い分として計約1億円の支払いと、医療設備の改善を求める申入書を県に提出したことがわかった。医師らは「報酬に見合わない過酷な勤務を強いられている」と訴えていると言われていますがこのような状況では医師は確保出来ません。安心して医師が働ける職場でなければ医師の増員は不可能です。

基幹病院への産科医の増員
奈良県立医大附属病院内に周産期母子医療センターの設置等に及び人員の確保に予算が必要になります。

妊娠出産のための県民への啓蒙活動
 今回のようなことが起きないようにするためには医療の体制作りも必要であるが、正常なお産はお産は「医療」ではありません。
命を授かった、そしてこれから授かるかも知れない女性の意識改革が急務です。
かかりつけ医と良好な医師患者関係を結び、毎日規則正しい生活をして、お腹の子どもを大事に育もうという心の醸成が必要です。「妊娠したら、その胎児への責任は妊婦と夫が最も大きい」く自己管理が必要です。
お産を取り巻く環境は奈良県においては厳しい環境におかれています。
正常なお産とハイリスクなお産とは区別されるべきです。
医療を必要としないお産までが基幹病院で行われている現状を変えていくべきです。
正常なお産は、助産師による自宅分娩や有床助産院でのお産や有床産婦人科など、産婦が選択できるように情報提供をしてください。
近年、妊娠中毒症や早産などハイリスクなお産が増加しています。それらの予防のための情報提供をしていただきますよう要望します。

今回の最大の問題点は、奈良県の医療体制の欠陥と県民への妊娠・出産。子育て等の母子保健医療対策が計画的に行われなかったことだと思います。

重ねて言いますが、私は医師や患者を責めているのではありません。奈良県がこれまで放置してきた責任は重大です。
今回の件は、たまたま交通事故が発生したために、露見したに過ぎません。それが無ければこの件は闇に葬られたのです。
類似した問題は、これまでも起こっています。この2件だけではありません。
過去にも搬送先を見つけるのに手間取ったことがあるはずです。




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奈良で妊婦の悲劇再び

2007年08月30日 | 周産期医療
奈良で妊婦の悲劇再び
またまた起こった奈良県の産科医療の問題

県が県民のことをないがしろにしているということが、今回の件ではっきりしたのではないだろうか。
また今回の件は、氷山の一角ではないのだろうか?
無事に搬送されているがたらい回しになって悲劇にならなかったケースがあるのではないだろうか?

奈良県は、我が国の産科・小児科の総合周産期医療センターの未整備の県である。
国は今年度中の整備を求めているが奈良では来年になる。
奈良県の健康安全局長は奈良県議会2月定例会で下記のように答弁している。
「昨年の十二月から一月にかけまして、医大と一緒にずっと毎週のように検討してまいりました。その中で、やはり三十床の後方病床を確保するための工事ということになりますと、現在のNICUを一たんやはりどこかに移さないといけない。そうなりますとその間、それもかなりの期間、現在の病床、新生児の受け入れが不可能になると。細かい専門家を加えた検討の中でそういうことが明らかになってまいりまして、やはりちょっと長い期間新生児の受け入れが減少するということになりますと、当然現在の母体の搬送率もまたふえてしまうということを考えまして、三十を十にして、その範囲での工事とすることといたしました。」
としているが、それでも来年に延びているのだ。

それまでの代替的な医療体制を昨年の妊婦死亡事件の教訓を、いかして作るべきであったが残念ながら何もしていなかったのである。それが露見した。
県や県議会そして県の産婦人科医療部会の三者の怠慢を赦すことはできない。

県立医大病院は何を考えているのだろうか!!!!
今回の受け入れ拒否に激しい憤りを感じる。

一時救急のあり方についても患者搬送の仕組みと職員への徹底をはかることが急務である。
大阪府産婦人科診療相互援助システムにのせることが、近畿ブロック知事会議でも検討されていたわけである。

同じことを奈良県は繰り返してはならない。

奈良県次世代育成支援行動計画では
基本目標 Ⅰ
〔結婚・出産・子育ての応援〕
結婚・出産・子育てをみんなで応援しましょう!
結婚・出産・子育てを 社会全体で支えていく意識づくり
結婚・出産・子育てを社会全体で支えていく意識づくり
推進施策の体系1
結婚・出産・子育てを応援する社会意識啓発の推進
(1)結婚・出産・子育てに関する意識啓発
 子育ては次代の担い手を育成する営みであり、社会全体が子どもを育てる義務を負っているという観点から、社会のあらゆる分野で、結婚や出産、子育てを歓迎し応援する気運を醸成し、安心して子どもを生み、育てることができる社会の形成について理解を深めるための啓発を行います。
推進施策の体系7
7 母性並びに乳児及び幼児等の健康の確保及び増進
 女性の社会進出の進展による共働き家庭の増加等により、母子を取り巻く環境が大きく変化する中で、若い世代が安心して子どもを生み、育てられるよう、妊娠・出産・新生児・乳幼児期において疾病の予防と健康管理をはじめ、思春期の保健対策、発育・発達の問題や慢性疾病のある子どもへの対応など、母子保健医療対策の充実を図ります。
 あわせて、健康診査の場等を利用し、母親等保護者に対する育児支援を視野に入れた相談をより充実し、育児不安の軽減に努めます。
 また、乳幼児期からの適切な食事の摂り方や望ましい食習慣の定着、食を通じた親子や家族、仲間との関わりを深めることにより、子どもの健全育成を図ります。
 さらに、新生児集中治療室の整備や小児専門医による電話相談窓口の開設による周産期・小児医療体制の整備に加え、医学的知識等の情報提供や不妊治療への助成などにより不妊に悩む方を支援します。

この行動計画は平成17年3月に策定されている。県知事も承知している。
「さらに、新生児集中治療室の整備や小児専門医による電話相談窓口の開設による周産期・小児医療体制の整備に加え、医学的知識等の情報提供や不妊治療への助成などにより不妊に悩む方を支援します。」
絵に描いた餅で計画だけ作文すればいいのか。それでは断じていけない。

何のための行動計画であるのか。
これが守られていれば、昨年の妊婦死亡事件も今回の件も起こっていない。
周産期・小児医療体制の不備な奈良県に住むのは危険だと言わざるをえない。

この事態を招いた奈良県、医務課、県立奈良医大、県会議員、県議会厚生委員会、
奈良県産婦人科医療部会の猛省をうながす。

今からでも、安心して産み育てることの出来る奈良県にして欲しい。
産科医不足はもはや言い訳にならない。

奈良県民よ怒れ。怒らなければ何も変わらない。

来週には、県知事、県議会議長に、要望書を提出すると同時に情報公開を求めていきます。
その上で、この問題の解決のためにアクションをおこします。


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職場復帰で母乳をあきらめないで

2007年08月29日 | 保育所でも母乳哺育は可能
母乳哺育をしていますが、職場復帰で保育所に預けなければならないので、粉ミルクに代えなければならない。
母乳で育てることは無理だとあきらめている お母さんが多くいます。保育所に預けるために、早めに粉ミルクに代える必要はありません。
受け入れ側の保育所が母乳哺育に理解があれば、自宅から母乳を運ぶことで 実現できます。

職場復帰の前までしっかり母乳を飲ませてくださいね。
一週間ぐらい前から母乳をしぼって冷凍して置くといいですよ。

私の無認可保育所ではお母さんが母乳を搾乳して冷凍し、 おばあちゃんが園児と一緒にになって届けています。

搾乳は手搾りあるいは搾乳ポンプでもよいのですが、 わが国ではカネソン本舗の搾乳器がよく用いられています。 どちらも搾乳法の習得と工夫で上手に搾乳できるようになれます。 搾乳した母乳はカネソンから発売されている母乳バッグに搾取して保存します。
会社などで搾乳するとき、我が子の衣類や写真を見ながらすると、オキシトシン(愛情ホルモン)が出て、母乳の量が増えます。やってみてください。

家庭用冷蔵庫(5度以下)ではビタミンなどの破壊から約6時間までの保存が可能です。
出来たらその日のうちに授乳するのがいいですね。

冷凍庫では免疫や成分はほとんど変化しないため6週間の保存が可能です。 解凍は流水で徐々に行い、哺乳瓶へと移してから37度(体温程度)に温めて授乳します。
温めるのは、お湯につけて温めます。
一度解凍や加温すると2時間でビタミンCは半減するので早めに飲ませてください。
また80度以上の加温は急速にビタミンCを破壊しますのでゆっくり湯煎で加熱してください。
電子レンジの使用は蛋白成分の変性をきたすのでやめてください。

保育所では、長い保存は必要ないので朝搾乳したものを保母さんに届けて冷蔵保存してもらい、 その日のうちに飲ませてもらえば問題はないでしょう。

乳頭混乱を起こしそうな場合は、保育所にお願いしてスプーンで授乳してもらうことをお願いしてください。
お迎えの時には保育所で授乳してからお帰りいただくといいです。

長期になれば、ほかでビタミンCを補給することも考えられます。

厚労省によって「育児支援」の名のもとにすすめられている保育所増設政策については
1日に数時間の母子分離が起こるので、愛着形成不全が発生するおそれがあり、それは青少年の犯罪につながる可能性が高いので、僕はこの施策には大反対です。

この、文章は母子分離を賛美するものではありません。
赤ちゃんとお母さんの愛着を形成するために母乳哺育は必要だと思うから書きました。

保育所に、1歳までは預けなくてすむような施策が「真の少子化対策」だと思う。
母子分離は青少年の犯罪に繋がる。
また、親から子育てされていない子どもは、親になったときに「子育て」に困難をきたすことになる。まさに人工飼育されたチンパンジーが人工交配で赤ちゃんを授かっても育てるためのプログラムがインプットされていないので出来ないのと同じことが、現在、生じている。


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間違っている!!市の5ヶ月健診

2007年08月28日 | 保健師の弊害
市の健診に行って保健師の間違った指導を、受けてこられた方の報告がありましたので書きました。
許せませんね。赤ちゃんとお母さんのために。
******************
市の健診に夫も含む3人で行ってきました。そこでは「離乳食は始めていますか?」と繰り返し聞かれました。「ここって5ヶ月健診なのに・・・」と思いつつ、出された離乳食の見本を食べている他のベビー達を見ていました。他にも、歯科衛生士サンのお話では、5ヶ月のベビーがセロリを舐めている写真を見せて、「こうする事で丈夫な歯になりますよ」みたいな説明がありました。6ヶ月までは母乳かミルクだけで…という話を聞いていた私達夫婦は「果汁もあげない時期に、生のセロリを舐めて大丈夫?果汁だって薄めてあげるのに・・・」と衝撃を受けました。
*****************
これでいいの?
このようなことを聞かされたらお母さんは罪悪感にとらわれますよね。
この方には、事前に離乳食については6ヶ月以降でできるだけ遅い時期で、赤ちゃんが欲しがる時から始めることをお知らせしました。厚生労働省も離乳食の手引きを改訂し、離乳食は6ヶ月以降からとしました。
すべての自治体にいっています。
それでも上記の様な指導がされています。強い怒りを覚えます。
5ヶ月で離乳食を始めていないお母さんはその日から自分を責めながら開始することになります。
子育てに熱心なお母さんは、素直に受け入れることでしょうね。

このお母さんのお子さんは体重が少し低いので、いろいろ指導されることや粉ミルクを勧められる可能性があることをお知らせしました。
「離乳食をまだしていないのですか」と責められても、「はい」といって笑ってごまかすことで、無知なアドバイスの犠牲にならなくてす。
さらに「セロリを舐めたら歯が丈夫になる」とんでもないことですね。
歯がためのつもりなのだろうか?

5ヶ月健診で離乳食の見本を赤ちゃんに食べさせるなんてとんでもない自治体ですね。
即刻止めるべきです。

今後この自治体に抗議をします。僕には許せません。

多くの自治体で、旧態然とした健診が今も行われているのです。
厚生労働省は、自治体を指導せよ。国の怠慢ある。


けしてすべてとは言いませんが、上記のような間違った指導が行われているのです。
「離乳食をはじめていますか」と聞いているのは5ヶ月健診ですから、中には4ヶ月の赤ちゃんもいます。6ヶ月以降から離乳食を始めましょうというのが国の基本方針です。

昔の保健婦は、助産婦が行っていたのでこそだてのことに熟知していました。
今の保健師は子育てを知らない人が多すぎます。
机上の知識やデータで指導しようとすることに問題がある。
とかく役人は問題点を指摘することを業務だと思っています。問題点をしてきされたお母さんは悲劇ですね。
自分勝手な判断で、健常児を異常があるから再健診を受けるように言ったりしています。
体重にしても、肥った子ややせた子、身長の高い子、低い子など様々です。
成長曲線の真ん中より上にいなければならないことはありません。

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母子同室への戦い(その6)

2007年08月27日 | 母子同室
今回は最終回です。
母子同室を進める上で最後は、堺市会議員の無所属市民派の山中優子さんにとどめをさしていただきました。
今回の件に理解を示していただきましたのでお願いしました。

堺市議会の健康福祉委員会での質問からです
山中議員の質問です。

平成17年6月17目
             母子同室について
Q1
 新生児の免疫力の強化、母と子の絆の確立のために母乳育児は今、世界で推進されています,1989年にはユニセフとWHOが「母乳育児の保護、促進、そして支援一産科施設の特別な役割」と題する共同声明を発表し、産科施設に
対して「母乳育児を成功させるための10ヵ条」を守るよう呼びかけています。
 市立堺病院では母乳育児についてどのようにお考えかお示しください,

A1
 堺病院では助産師が中心となり、母乳育児を推進しております。妊婦健診時に保健指導や母乳アドバイス、妊婦教室での乳房マソサージなどに積極的に取り組んでおります。
 分娩後にもカンガルーケアを行っており、新生児は生まれて直ぐに母親の母乳を含むことができ、母親と新生児の早期のふれあいを大切にしています。
 また入院中の授乳時間は、新生児が泣いたら、いつでも与えられるように自律授乳とし、自然な母乳保育支援を目指しています。
Q2
  「母乳育.児を成功させるための10ヵ条」は、母親が赤ちゃんを母乳で育てられるように、産科施設とそこで勤務される職員が実行すべきことを具体的に示したものですが、第7条に「母親と赤ちゃんが一緒に居られるように、終日母子同室を実施しましょう」と謳っています。そこでお尋ねします。母子同室にデメリットはあるのでしょうか。
A2
 デメリットについては、母親の疲労がよく言われているところです。母子同室の場合、母親は出産後の疲労に加えて、夜間のおむつ交換や授乳など新生児の世話をするので、睡眠不足になることがあります。

Q3
 母親の疲労・睡眠不足は医療サービス上問題がありますが、それについての対策はありますか。
A3
 母子同室を出産後、すぐに実施するのではなく、母親の状態や疲労度により産後数日から開始したり、母親の希望があれば、途中数日母子別室にするなり工夫することができます。
 実際に、母子同室を実施している多くの施設から、母親は退院後、疲労より母子同室のメリットの方を高く評価しているという内容が報告されています。

Q4
 それでは次に、母子同室のメリットについて、お答えください。
A4
 母子同室のメリットでございますが、
 ・新生児が欲しがる時に授乳ができるため、母乳育児を確立するのに有効で す。
 ・母親は入院中に子どもを観察する日を養い、育児に慣れることができ、退院後の育児不安の軽減に繋がります。
 ・新生児は常に母親の側にいることで、情緒の安定を得ることができます,
  また、母親も子どもへの愛情が育ち、母と子の絆が強くなります。
 ・母親だけでなく、家族も早期から新生児に触れることにより、家族関係の 確立を図ることができます。
 ・新生児は常に母親とともに過ごし、頻回に授乳するため母親の常在菌が子 どもに移行して、抵抗力をつけ、感染症に罹  
  患するリスクが低くなります。 これらがメリットです。

Q5
 母子同室には、多くのメリットがあることが分かりました。ところで堺病院では母子同室を実施していますか。

A5
 母子同室につきましては、全面的な実施には至っておりませんが、平成16年6月からNICU(新生児集中治療室)を退室された新生児を対象に実施しています。

Q6
  「NICU(集中治療室)を退室された新生児を対象に実施している」とのことですが、その内容と件数をお尋ねします。


A6
 NICU(集中治療室)に入室する新生児は何らかの治療が必要であるため、母親と接する機会が極端に制限されてしまいます。授乳だけでなく、子どもを抱くことも十分できないこともあります。
 新生児の症状が安定し、NICU(集中治療室)を退室した後、母子同室で過ごして頂き、母親の育児への不安の軽減や母乳育児を行っています。
 平成17年5月までで13組の母子同室を実施しています。数が13組と比較的少ないのは、NICU(集中治療室)退室後も新生児に治療が必要であるため母子同室ができなかったり、母親の状態が良くなかったりするケースがあるからで
ございます。

Q7
 -母乳育児の成功や育児不安の軽減など、多くの成果が認められる母子同室ですが、堺病院で全面実施に至っていな      
  いのは何故ですか。

A7
 母子同室の全面実施に際しては、安全対策が重要と考えるからです。母子の安全のため、病室の錠設置や面会者を制限できる設備が必要です。現在の病棟は混合病棟であり、様々な疾患・症状のある患者さんが入院されています。夜
間の新生児の泣き声が、他の患者さんの療養の妨げにならないように病床運用が必要と考えています。
 現在実施している母子同室の成果を今後の母子同室導入の資料として役立てたいと前向きに検討してまいります。
要 望
 前向きに検討していくというご答弁で安心いたしました。
 先日、厚生労働省から発表されましたように、平成16年度の出生率が1..29人であったことは周知のとおりです,国においても「子ども子育て応援プラン」を掲げ、少子化社会対策に取り組んでいます。
 是非とも早期に課題を検討されまして、堺市民の病院として、また地域の中
核病院として、その機能を十分発揮し、母子ともに安全な環境で母乳育児ができる母子同室を実現されることを要望してこの質問を終わります。
*************
この結果、今年の6月から母子同室が出来るようになりました。
市民のためにと願って行動を起こせば変わります。

目下、一ヶ月健診での母乳哺育率について、市当局から聞き出す準備をしています。
母子同室にしても同室以前の母乳哺育率30%台では困ります。
母子同室にさせた意味がありません。
妊婦への教育やスタッフのサポートがないのではないかと推察しています。

続けて追求していきます。



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母子同室への戦い(その5)

2007年08月26日 | 母子同室
いよいよ5回目です。
戦いはあとわずかで、終盤にさしかかります。
母子同室になっても、母乳哺育率や同室の利用者が増えなければ意味はありません。
よりよい子育てやお産をしていただくためには、おざなりで型どおりの母親教室や両親学級をやっても意味がありません。
なぜ母子同室にするのか、そしてどのように母子の関係を深め、頻回授乳をしてもらうのか等多くのことを学んでいただく必要があります。
そうでなければ絵に描いた餅です。

                                       堺病総第139号
                                       平成17年6月16日
新井一令様
                                           市立堺病院
                                            院長
質問書について(回答)
平成17年5月11日の文書により照会のあった件につきまして、回答いたします
NPO法人たまごママネットからの質問と回答

質問1
 母乳栄養での退院率については過去5年間のデータが無いとのことですが、以前小生に対して母乳栄養での退院率を提示していただきましたが、その率はどのようにだしたのでしょうか。
質問2
 この率を出すのは困難なことではありません。分娩後ルーチンでチェックをしているはずです。
 回答:当院では、退院時の母乳率ではなく一ケ月検診時での母乳率を重視しています.,なぜなら、入院中には十分に母乳が分泌されていても、退院後に分泌量の変わるお母様たちが多いと考えるからです。入院中のお母様たちの毎日の母乳量は、授乳表に記録しています。
 以前に提出させていただいた母乳栄養での退院率は、当院での生理的体重減少を検討する際に一時的に調査し資料としたものです。

質問3
 警備上の問題について
 ナースステーションに近い個室や総室を利用することで、看護師や助産師が頻回に訪問することは可能である。不在時は新生児室で一時的に預かればすむ。

回答:産科で入院の患者様は4B病棟の南側病室を利用していただき、婦人科および他科の患者様は主に北側の病室を利用していただいています。入院患者様の環境や精神的な安静を考慮すると、可能な限り病室は、入院目的別に分かれていただいた方が良いと考えています。
したがって、ナースステーションに近い部屋は母子同室に活用するとともに、手術患者様や病状の重い患者さまに利用させていただいています。
 全面的に母子同室を開始する場合、ナースステーションから遠い病室も活用しなければならないのが現状です。病室の施錠や防犯上必要な扉の設置など、安全対策を検討しています。

質問4
 通常の母子同室について検討したことはあるのですか?
 回答:通常の母子同室を行うことはもちろん検討しています.。現在実施しているNICU退出後の新生児母子同室も、今後全面的な母子同室を導入する際のプレテスト的な意義があります。


 現在実施している母子同室を体験したお母様からの意見や感想を、今後の母子同室導入への貴重なデークとして活用したいと考えています。

質問5
 新生児の面会時間はどうなっているのか。
 30分程度の面会時間では問題ないのではないか。面会スベースを設けることによってセキュリテイは守られるのではないか。
 業務用エレベータを一般の来前者が使用するのか。もしそうであるならば管理の問題である。監視モニターを設けることでカバーできる。
回答:現在面会時間は15:00~19:30となっており、ガラス越しで行っています。面会スペースを設け、ご家族に入っていただけるよう検討したいと思います。
 B病棟の業務用エレベータは一般の来訪者(面会者等)に使用禁止とはしていませんが、
業務用(非常用)とステッカーを貼ることで、できるだけのご遠慮を願っています。現実的には一般の方が使用されることは少ないですが、物理的にも行き来自由なため完全に使用できないようにすることは難しい状況です.。
************
とどめは堺市議会の委員会での質疑について報告します。
次回は最終回です。



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母子同室への戦い (その4)

2007年08月25日 | 母子同室
第4回は病院からの回答を掲載します。
やっと前向きになって母子同室を検討するという回答を引き出しました。

                                         堺病総第70号
                                        平成17年4月29日
新井一令様
                                               市立堺病院
                                                院長

①母子同室について
質問1.「まだ完全母子同室には至っていませんが社会のニーズに応えるべく、設備の改善を含め現在、前向きに検討中」とありますがどのようなことでしょうか。
回答:母子同室を行うには安全のため、病室の施錠とともに面会者の制限が必須です。市立堺病院の北側病棟(B病棟)には、B階段と業務用エレベーターが設置されており、これはナースステーションの反対側に位置しています。また医療者からは死角となるため、外部者が利用すれば誰にも気づかれず容易に病室に入ることができるのです。
 今までも、この出入りロを閉ざすことを考えましたが、消防法等の関係上閉ざすことができないのが現状です。母子の安全が確実に確保できなければ実施は困難です。
 また現在母性病棟には、さまざまな疾患・症状のある患者様が入院されています。夜間の新生児の泣声が、療養の妨げにならないように病室運用の検討が必要です。

質問2.NICUから一般新生児室に転棟し母子同室を行っている」とのことですがその数とどのように実施しているのか答えてください。
 回答:平成16年6月よりNICUを退院した新生児を対象に、母子同室を実施しています.,現在までで13名の母子が同室で過ごしました。
 まず母親に母子同室に関する説明を行い、母親の意思を確認します。産後の体調が悪く実施できない場合や、新生児に観察が必要で小児科医師から許可が出ない場合もあります。
母親の意思を確認し小児科医師の許可を得られた後、個室を準備し母子同室を行います。
育児日記をつけていただいたり、沐浴をしていただいたりして具体的な育児指導や授乳指導を行っています。
 現在実施しているこの母子同室の評価を、今後の母子同室導入に役立てたいと考えています。

②授乳時間について
質問1.自立授乳の方法について
「授乳時間は自立授乳(自律)とし」とありますが、どのように自律授乳をしているのでしょうか。母子分離の状態では不可能ではないですか、貴院の見解を具体的かつ明確にお答えください

 回答:母子同室を導入できない現状があるからこそ、母性病棟スタッフの工夫で自立授乳を行っています。母親と充分にコミュニケーションをとり、自立授乳の利点について説明します。その後は母乳量を確認しながら、新生児が泣いたら母親に声をかけるというケアを行ているのです。新生児室のスタッフと病棟を担当するスタッフが、協力して実現できています。

質問2.母乳での5年間の退院率についてお答えください
回答:平成14年 1か月健診時の母乳栄養率は46%でした。
平成15年 1か月健診時の母乳栄養率は34%でした。

質問3.第一沐浴の中止について
平成15年8月1日付けの回答で「第一沐浴を可能な範囲で中止する方向で検討する」とありましたが実現されたのでしょうか?

 回答:平成17年2月より第一沐浴は実施していません。成果は具体的数値で示すことはできませんが、感染症が減少する傾向にあるようです。

質問3.カンガルーケアについて
同上の回答でカンガルーケアを導入する予定であるとしていましたがいつからどのように実行されるのでしょうか?

回答: 平成15年に希望する母親を対象に、カンガルーケアを始めました。平成17年より新生児の状態が良ければ、全例実施しています。
* ***************
やっと母子同室に向けて検討するという答えを引き出しました。
母子同室が出来ていないので母乳栄養率が低いことが立証されています。
1ヶ月健診での母乳率34%というのは低すぎます。
せめて70%はないと困ります。
また、第一沐浴の中止をさせることも出来ました。
市民が声を上げていくことで改善することが出来るのです。


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離乳食の開始はあせらないでね

2007年08月24日 | 離乳食
離乳食で悩んでいませんか?
我が子に早く食べさせたいと思ってあせっていませんか。
離乳の開始時期は今までは、早く始めることがよいとされ、果汁や離乳準備食として3、4ヶ月から与えられてきました。ところが乳児の消化管の発達や母乳の研究が進むにつれ、早期離乳の問題が指摘されるようになりました。特に果汁に対してはアメリカ小児科学会では「6ヶ月前には果汁は決して与えてはいけない」と禁止の勧告を出しています。
  果汁は赤ちゃんにとって必要のないものなのです。また母乳はお母さんの食べた食事によって匂い、味が変化しますから、いわゆる味ならしという離乳準備食も必要ありません。
離乳食の開始は6ヶ月過ぎからです。7ヶ月でも8ヶ月でもいいと思います。個人差があります。
また、離乳食の進み具合は赤ちゃんによってそれぞれです。
今まで母乳だけを飲んでいた赤ちゃんが、6ヶ月過ぎだから離乳食を食べなさいといってもとまどってしまいます。
始めは興味を持って食べた赤ちゃんもやっぱり母乳がよいといって離乳食を食べなくなることもよく見られます。
そのようなときには母乳をあげて落ち着いたところで離乳食を与えると食べてくれることがあります。

ドロドロ、ベタベタ、ツブツブはあくまで目安ですから、赤ちゃんによっては教科書通 りには行かないこともあります。
特に母乳の赤ちゃんは乳輪を噛むようにして哺乳していますから噛む力が発達しています。このため、ドロドロでは物足りなく思う赤ちゃんもいるようです。母乳の赤ちゃんでは時々見られることですから、赤ちゃんの好むようにすすめて大丈夫です。
早めにベタベタになったからといって丸飲みの心配はありません。回数についても2回に分けてあげても大丈夫です。思ったように離乳食が進まないとき、味の問題を考える必要があります。中期食になると初期食より味が付いているため食べることがあります。
赤ちゃんは胎児期からお母さんの食べているものの味を体験しています。母乳であれば更に強くお母さんの食べたものの味を認識し、離乳の始まる前にお母さんと同じ味の好みになっています。
離乳食は薄味にと指導され、自分たちが食べているものをお湯で薄め与えていることがあります。
また、赤ちゃん用にとつくるとき、ほとんど味付けをしないでつくることがあります。お母さんはおいしくないけど赤ちゃんに薄味を慣れさせるためといって食べさせます。
赤ちゃんは味がわかりますから、お母さんが食べておいしくないものは赤ちゃんにとってもおいしくないものになります。おいしくないものは赤ちゃんも食べません。
離乳食を食べてくれないというときには、お母さんが食べておいしいものを与えているか考えてみてください。薄味を考えるときには、家族みんなが食べるものも薄味でおいしい料理を作り、そのままの味を赤ちゃんに与えるようにすれば赤ちゃんも喜んで食べてくれます。

私は母乳哺育の赤ちゃんは離乳準備食はいらないと思います。
また、スプーンに慣らせることを目的に果汁やスープをあげましょうと言う育児書や保健師、栄養士がいますが、その必要は本当にあるのでしょうか?
赤ちゃんは日本人で箸で食べる民族です。乳幼児は最初は手づかみで食べることでいいのではないでしょうか。
食事と言うのは楽しいものだと言うことを学ぶのも大切です。
時々食事が険悪な雰囲気の中で行われていることがあります。
楽しい時間にすることはとても重要です。
離乳食も普段の料理の中から赤ちゃんが食べられる柔らかいものをとって口に入れてあげればいいのではないでしょうか。
わざわざ作っても食べないことの方が多いです。食べてくれなければイライラのもと。無理して作るなら赤ちゃんとのコミュニケーションの時間を持つ方がいいです。赤ちゃんのためにも。

母乳の栄養がなくなるという話もよく聞きます。これについては母乳の成分を調査した研究があり、それによると1才4ヶ月まで調べられていますがほとんど変わらないというのが結論です。
  微妙な変化はありますが、これは離乳食が進むにつれての変化であり、赤ちゃんの成長の合わせ、母乳も成長しているというすばらしい変化です。母乳は成長や脳の発達に大切な役割をしています。


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おしゃぶりは猿ぐつわの虐待

2007年08月23日 | おしゃぶりの弊害
おしゃぶりの弊害についての追加です。
今回は、新水巻病院小児科の白川嘉継先生が以前、たまごママネットの育児相談で回答していただきましたものを紹介させていただきます。
なぜ、いけないのかよくわかっていただけると思います。
**********
おしゃぶりを続けると指の変形や、歯列の異常が見られることがあり、5歳を過ぎておしゃぶりを続けていると14%の確率で歯列の異常が見られるとの報告もあります。なぜおしゃぶり指しゃぶりをするのでしょうか。おしゃぶり指しゃぶりは、時代とともに増加し、途上国より先進国ほど多くなっています。
 母親が子どもを常にそばにおいて抱っこして育てていた頃はとても少なかった行為のようです。
母乳栄養児より人工栄養児に多く、子どもと母親との距離を表し、指しゃぶりおしゃぶりは、寂しい時にそばにいて支えてもらえなかったために自分で自分を慰める行為と考えるのが妥当でしょう。

指しゃぶりをやめさせるた めには子どもの甘えを許すことも大切です。
3歳になりもう一度甘えなおしができると自然に消えると思います。
指しゃぶりおしゃぶりはそれを止めさせる時 の止めさせ方が問題になることがあります。
強制的にやめさせるのではなく、自然にやめることができるように、親が子どもをもっと受け入れることができるように変わらなければなりません。
まず、子どもの前で忙しくない振りができるように練習すること。ゆっくり歩き、ゆっくり話をして、いらいらせ?ず、子どもが何でも話せる雰囲気を作ることが大切です。今までの環境を変えてもすぐには効果が出ませんので、気長に取り組みましょう。

忙しいとは心を亡くすと書きます。
甘えを許すとは、寂しいとき必要とするときに、「そばに居て」に対して「うん、いいよ」と言うこと。「忙しいから、あ なたの欲しがったゲーム買ってあげるから遊んでいてね」と言うのは甘やかし。寝る前のおしゃぶり指しゃぶりはなかなか取れないので気長に待つこと。ストレスとは何らかの要因が加わり、ストレスホルモンが増加した状態のことで、十二指腸潰瘍ができることがあります。口内炎は一般的ではないようです。
指しゃぶりおしゃぶりを無くすには子どもと距離を縮める練習をすることが効果的です。
*****************
いかがですか。
育児情報誌などの商品を販売する広告が目的の雑誌の意見やご用学者に惑わされないようにしてください。
赤ちゃんの意志が表現できるように、おしゃぶりで口を塞がないようにしてください。
ある意味で「猿ぐつわ」と一緒です。


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母子同室への戦い(その3)

2007年08月22日 | 母子同室
第三回
今回は市立堺病院からの回答を紹介します。
いかに、医師が母子同室や院内感染及び赤ちゃんの心や母親への支援がかけているのかを表しています。
また、母子分離が母親にダメージを与えることを全くわかっていませんでした。
母乳哺育について医師の知識がないのに唖然とします。
私のサイト(たまごママネット)からは「市立堺病院」の掲載は削除しました。

回答:本院は、救急告示病院であり、24時間患者様を受け入れています。従いまして、母児同室を全面実施した場合、救急患者様の緊急入院などにより、患者様や患者様に付き添ってこられた方などが母児同室の行われている病室に出入りされることがあり、新生児への病気感染が心配されます。
 本院では、出産後の妊産婦様の母体を保護していただため、新生児とは別室として、出産後の妊婦様に休養をとっていただくことを優先しています。

質問 :これまでに母子同室の施行について院内で検討されたことはありますか。
入院室を分離するなり、患者の症例別に病室を配置することで急患やお産以外の患者と分離する ことは可能ではないでしょうか。回答を求めます。

質問 :院内感染については見解を求めます。
母子の接触を推進する手段として母子同室が最初に提案されたとき、この方法は院内感染の発生率を増大させるのではないかと危惧する者が多かった。しかし、その後の膨大な研究によって、新生児室よりも母子同室の方が感染症の発生がはるかに少ないことが明らかになった。

 (Rush et al,,1991)
1959年というかなり早い時期の研究でも、母子同室の方が有害な細菌の増殖率が低く、感染症の発生率が低いことが示されている
(Montgomery et al ,,1959)この報告から30年もたっているにもかかわらず、市立堺病院の回答は「新生児への病気感染が心配されます」というそ根拠を提示してください。

2母乳哺育について
回答: 母乳哺育については、本院でも推奨しています。
(1) カンガルーケアについて
  本院では、出産後は、臍帯切断直後の赤ちゃんを母親の体に乗せて対面していただいています。また赤ちゃんの第一沐浴後は、母親にだっこしてもらっています。しかし、出産後の妊産婦様に休養をとっていただくことにより、母体保護をしていただくことを優先しているため、全面的なカンガルーケアは行っていません。

質問: 第一沐浴の有意性についてお答えください。
一般的には、出生当日の沐浴は今多くのところでは行っていません。出生当日の沐浴は、体温低下によると考えられる肺出血の危険性、皮膚感染は沐浴をしない方が少ないといわれています。
何故、リスクをおかしてまで貴院において行うのか具体的説明を求める。
 
(2) 早期の頻回授乳について
  本院では、出産後、15~16時間経過後から授乳を始めています。しかし、出産後の妊産婦様に休養をとっていただくことにより、母体を保護していただくことを優先するため、早期(出産後3~4時間経過後)の頻回授乳授乳は行っていません。

質問  :母体の保護という考えも以前は良く聞かれました。退院後に大変な思いをするのだからお 産後ぐらいゆっくりさせようと言う考えです。これで問題になるのは退院後は慣れないまま退院した母親が赤ちゃんの面倒をみないといけないと言うことです。赤ちゃんの1日を知らないままで退院しますから、こんなはずではなかったとパニックになることがあります。入院中に退院後にお母さんが自信を持って赤ちゃんを育てていけるようにサポートすることが大切なことだと思います。
「母乳哺育については、本院でも推奨しています」との回答であるがどのように推奨しているのか具体的に回答してください。
 母乳哺育のためには「早期の頻回授乳」は非常に重要だと考えますがいかがですか、お考えをお示し下さい。
 
 母乳育児をすることは母子共に練習・訓練が必要で、最初からうまくはいかない。
だからこそ、最初の3日間を充分サポートしてくれる人々が必要なのである。
最初の3日間の訓練・練習のありようが、その後の母と子の人生を大きく変えてしまうことも多い。
一方、母子分離されて新生児室に収容された赤ちゃんはよく泣いている。
それは、「不安だよ。寂しいよ。お母さんの所に連れて行ってよ。おっぱい欲しいよ。」と言っているのだと思う。
まさに、「カンガルーの如く」カンガルーや他の自然界の哺乳動物の母乳育児に学ぶべきではないかと思う。
大人の都合だけで分娩を進め、終了させて、母親の疲労回復と称して母子分離の産褥期を過ごす。
赤ちゃんが欲しがるままにおっぱいを吸わせることなく、哺乳瓶で人工乳を与えることは、あまりにも赤ちゃんの気持ちを尊重していないことになると思う。
つまり、赤ちゃんの基本的人権の侵害となるのです。赤ちゃんが母乳を飲む権利を奪っていることになる。このようにして、新生児期以降も、基本的人権を尊重されないまま成長した子どもは、建物で言えば、目には見えない基礎部分に手抜き工事をしたことと同じで、その上に立派な建物を建てても安定しないことと似ている。

ユニセフとWHOは1989年に「母乳育児の保護、促進そして支援?産科施設の特別な役割」と題する共同声明を発表し、世界の全ての産科施設に対して「母乳育児を成功させるための10ケ条」を守るよう呼びかけた。
また、1991年には「10ケ条」を完全に実施する産科施設を「赤ちゃんにやさしい病院(BTF BabyFriendly Hospital)」に認定する制度を設けた。
この制度は、世界のすべてのお母さんを助けて、赤ちゃんを母乳で育てられるようにすることによって、すべての赤ちゃんに等しく最善の人生のスタートをというユニセフとWHOの願い表している。

質問 :母乳育児成功のための10箇条(WHO/UNICEFの共同声明)について実施する意志がありますかお答え下さい
1.母乳育児の方針をすべての医療従事職に文書で通告すること。   
2.すべての医療従事職に、この方針を履行するために必要な知識と技術を教育すること。
3.すべての妊婦に母乳哺育の利点と実際をよく知らせること。
4.母親が分娩後30分以内に母乳哺育を開始で きるように援助すること。            
5.母親に十分な授乳指導を行い、もし子どもから離れることがあっても、泌乳を維持する方法を母親に考えてやること。           
 6.医学的に適応がないのに、母乳以外の栄養水分を新生児に与えないこと。         
 7.母児同室、すなわち母と児が1日中、24時間一緒にいられるように実施すること。      
 8.子どもがほしがるときに、ほしがるままの授乳をすすめること。              
 9.母乳哺育には、ゴム乳首やおしゃぶりを与えないこと。                   
 10.母乳育児支援団体を育成し、退院してゆく母親にこのような団体を紹介すること。

堺市民の将来のために是非、母子同室の実現を求めます。
積極的な回答を求めます。
***************
戦いはまだまだ続きます。


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母子同室への堺市との戦い(2)

2007年08月21日 | 母子同室
第二回
私は、市立堺病院及び堺市長に対して下記のような「質問及び要望書」を出して母子同室の実現のために活動しています。これは5年にわたる長期戦でした。
やっと昨年(2006年6月)に母子同室になりました。
一人の市民が声をあげることで改善できるのです。
正しいことを無欲で言い続ける事こそ最大の武器です。

最後は子育てに理解のある市民派女性議員が考え方に賛同してくれ、情報公開の場に同席してくれたり、
委員会で市当局に質問してくれたりしてやっと実現しました。
病院の助産師など内部にも理解者は必要です。

お母さんと赤ちゃんのためには母子同室は必要です。
不幸な子育てのスタートを切らせないためにも。

次に堺市に対して公開質問状だして市当局に回答を求めその回答に基づき話し合いを繰り返しました。
質問状と回答をお読みください。

*****************
2003年7月11日
堺市長 様
市立堺病院院長
   特定非営利活動法人 たまごママネット
       理事長 新井 一令
    住所 ○○○


 質問書及び市立堺病院産婦人科における母子同室の実施要望

2002年11月に市立堺病院からの回答について、母子同室ができない理由についての回答が不十分であり、再度の質問と要望を行う。

1 母児同室について
回答(堺市)
ご質問の「母児同室」については、よい点が多数あることを認識しています。
しかしながら、本院では、次に掲げる理由により、「母児同室」の全面的な実施は行っていませんのでご了解ください。
 なお、現在のところ、本院でも、妊産婦様から「母児同室」のご希望があった場合において、個室が空いているは「母児同室」を行っていますが、妊産婦様からの当該のご希望が余りないのが実情です。

質問

 妊婦からの希望がないのではなく「母児同室」の必要性の教育がなされていないのではないですかされているのであれば具体的に回答してください。

また、私どもの法人にはの堺市民多くから母子同室ではないので、同室が出来るところで分娩をするという声が寄せられています。貴院の患者からも、母子同室にして欲しかった。
退院してから大変だったという声が多数よせられています。それについてはどのようにお考えですか見解を求めます。

回答(堺市)

産科の専門病院では「母児同室」を実施しやすいと考えますが、本産婦人科病棟は、妊産婦意外の患者様も多数入院しておれれる混合病棟です。
従いまして、重傷な患者様の中には、同じフロアの病室から聞こえてくる赤ちゃんの泣き声が気にかかって休養できないという方もおられますので、母児同室の全面実施が困難です。

質問

 ユネスコの子ども権利条約9条に関連して「母児同室」をすべきだと思いますが貴院の見解をお答えください。
「母子同室」は、産後の母と子は一つの単位であり、不可分である事は、子ども権利条約にも、その第9条に明記してあります。(子どもは、親といっしょにくらす権利をもっています。ただし、それが子どもにとってよくない場合は、はなれてくらすことも認められます。
はなれてくらすときにも、会ったり連絡したりすることができます。)
出生直後から母と子を同室にする事により、赤ちゃんから発せられる様々なメッセージを感じることができます。
泣き声やその視線に対して、母親はすばやく反応し、授乳し、、オムツを替えてやり、話し掛け、そして抱っこを行います。
するとそれに対して赤ちゃんは、早期から養育者である母親が自分に関心を向けているかどうかを敏感に感じながら
発育するといわれてます。
母親からの働きかけに対して、赤ちゃんも反応し、お互いに密接で深いコミュニケーションが育まれます。
この母子相互作用により赤ちゃんには母親に対する愛着が育ち、母親の母性はより豊かになります。
母と子の心理的一体感が育まれると共に、親子の絆もまた強いものに育っていきます。

別室制の施設で教えられた赤ちゃんの扱いを、最良の育児法であるかのように錯覚して、帰宅後もそのやり方をまねて育児するしかないのが実情です。
その結果、育児不安を欠けてしまいます。
赤ちゃんの扱いと母乳哺育による母性が完成されないからです。
母と子の絆がつくられないと「可愛いはずなのに愛せない」と悩む母親になってしまいます。
「最初の一週間」こそ育児体験を持たない、核家族化する今日の妊婦さんにとっては、育児実習のゴールデンタイムでもあるわけですが、この人生の始まりにおける一瞬の手抜き、うっかりした瞬時の息抜きが、一生の悔いになります。

多くの赤ちゃんは天国のような胎内生活を経験し、産道ではこれまで経験したことのない痛みや苦痛の試練を経て、
新しい生活が始まります。
それまでの暖かく宇宙遊泳のような楽しい世界と比べて、この未知の世界は騒がしく、まぶしく、寒く、そして重力のある、不自由な世界です。

心ない病院では、形ばかりの母との出会いを終えると、直ちに新生児室へとつれていかれます。
突然の環境の激変です。
そこでは心を慰めてくれる懐かしい母の匂いも温もりも、そしてやさしい声も聞こえてはきません。
不安を訴えても誰も答えてはくれません。
更に空腹を訴えても決められた時間が来るまで、その欲求は満たされません。加えて新生児室では、
おっぱいからの直接の授乳時のように、五官を通じて行う互いの心の交流は望むべくもなく、多くの場合一定に時間を決めて、しかも哺乳瓶による「くわえのみ」で牛のお乳が与えられます。
おしっこや排便でオムツが汚れて不快を訴えても誰も答えてくれません。
どんなにメッセージを送ってもお母さんは現れてくれません。
誰一人として不安や不満、そして甘えを受け入れてくれません。
このように出生直後より赤ちゃんの生理や欲求を無視し、大人のルールを 守る事を強制した扱いに、やがて赤ちゃんはメッセージを送る事をあきらめ、人との交流・・・例えそれが自分の母親であっても・・・お互いのコミュニケーションを取りやめてしまい、自分の殻に閉じこもります。
サイレントベビー予備軍の誕生です。

皆さんの大切なお子さんのために、見せ掛けのきらびやかさにまどわされずに心の豊かさを、母と子の間に育まれる基本的信頼と心理的一体感と、母と子の共生生活へと向けて素晴らしい出発(たびたち)の場として施設が必要である。

すべての両親と新生児は、生まれたその瞬間から親密な接触を持つ権利がある。
母子が一緒にいることは、女性ないし赤ちゃんに影響を及ぼす帝王切開分娩やその他の医学的介入が行われた場合を含め、あらゆる状況において奨励されるべきであると思いますが貴院の見解を求めます。

産褥早期に母親と新生児をルーチンに離してしまうことによって生じたと思われる不利益に関する証拠はこの手法が広く普及した30年又はそれ以上の間に蓄積している。
いくつかの対照試験で、出産直後のの数時間に母親と新生児の相互作用を規制する施設の方針と、この期間に相互作用を促す方針との影響比較研究された。

母親としての愛情あふれた態度は、児との触れあいを制限された母親には、自由に触れ合うことを促された母親よりも有意に少なかった。
母子同室の方針と比較して母子分離がルーチン化した「市立堺病院」の方針は、社会的に成熟していない初産の母親が「幼児虐待やネグレクト」を引き起こす危険度が高くなるのではないでしょうか。
貴院の見解を求めます。

母子同室を奨励するとともに、正常新生児を集中管理する新生児室の廃止を求め、その見解を求めます。

まさに「市立堺病院」は赤ちゃんの人権や母性を育むなどという考え方がないといわざるを得ない。
猛省を促すとともに早期の母子同室を求めます。

また、入院中の母子の接触についてのスケジュール及び指導のための文書の提供を求める。
****************
次に続きます。

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市民病院との母子同室へ向けての闘い

2007年08月20日 | 母子同室
楽しい子育てのスタートには、早期の母子同室は大切です。
私は5年にわたり市立堺病院の母子同室に向けて一人で戦いをしてきました。
それは母子の健やかで楽しい子育てのために、早期の母子分離は避けなければなりません。
そこでこの戦いと母子同室の大切さを連続でお届けします。

第一回
これまで我が国のお産は、産後は母子の分離が行われていました。
「産婦の疲労回復」ということでに新生児室で管理する「母子分離」が行われていました。
赤ちゃんには「3時間おき」の授乳が行われ、お母さんは3時間ごとに授乳室で我が子に授乳するのが一般的でした。
この「3時間おき」の授乳は人工乳(ミルク)の消化に3時間かるところから設定されたものです。
母乳哺育の赤ちゃんは、1時間半から2時間で消化してしまいます。
従って赤ちゃんは3時間待たされると空腹で泣きます。また、生後まもなくからに頻回授乳しないと母乳哺育が出にくくなります。

母乳哺育はお母さんが出すものではなく、赤ちゃんが出してくれるものです。
頻回に授乳するためには、母子別室ではできません。
 また、母乳での退院率の高い施設では、異常がないかぎり「母乳が出るまで」何も与えないことを実施しています。

赤ちゃんは、3日分の「お弁当と水筒」を持ってくると言われています。
出ない乳首を何回も何回も吸うことで母乳哺育は獲得できます。

正常新生児の母子同室は妊産婦にも、赤ちゃんにも、ごく自然であり、あたり前にあるべきです。
母乳哺育の実践、母性の確立や母子の信頼関係(絆)を形成し、赤ちゃんに対する愛着の形成や育児に対する自信が得られます。

WHOやユニセフは我が国に対して勧告をしています。
母子同室を採用すると言うことは、すべての乳児を収容する新生児室を廃止するということでもあります。
新生児室の換わりに母子同室にするメリットは数多くあり、医学的根拠に基づいています。

1 母親と新生児が最適な接触の機会を持つことができ、一般的にこの相互作用を 病院スタッフではなく母親がコントロールできる。



2 母親は、乳児が早期に出す合図や要求、 生活パターンがよくわかるようになる。このため、 家庭で乳児の要求に応えるために準備が容易になる。


3 乳児は要求に応じて頻回に授乳させるため、すぐに充分な母乳を飲むことができます。
  母乳育児がうまくいく可能性が高まれば、 それに伴う栄養上、免疫上及び心理的な メリットもあります。


4 乳児の啼泣が少ない。(火のついたように 激しく泣く)

5 母親は、看護スタッフより早く医学的問題の症状や徴候を発見する。

6 頻繁に授乳を行うため、乳児のビリルビン値が 低くなり、黄疸が減少する。
  この結果、検査や光線療法の必要性が減る。

7 感染症に罹患するリスクが小さい。



WHO勧告13  1992 
トリエステ会議のコンセンサス勧告はすべての両親と新生児は、生まれたその瞬間から親密な接触を持つ権利があるとしている。
母子同室で一緒にいることは、赤ちゃんに影響を及ぼす帝王切開分娩やその他の医学的介入が行われた場合を含め、
あらゆる状況において奨励されるべきである。
母親と赤ちゃんは分離されてはならず、母親が望むだけ赤ちゃんと一緒にいられるべきである。
母子同室を奨励するともに、正常新生児を集中管理する新生児室の廃止が検討されるべきである。
さらに、健康でない赤ちゃんのケアについても、両親が参加されることが奨励されるべきであり、それは赤ちゃんに実際のケアを行ったり治療の決定に参加されることを含む。

妊娠中より、胎動時に胎児に話しかけ、出産後は児を扱う時は必ず声かけをするように指導している。この行動は、妊婦の母性を醸成し育み、育児に対する使命感が作られ、遊び感覚の育児が実践でき、「育児が楽しい」という母親が増えている。

添い寝(母子同床)を積極的に奨励している。児は母親と接触することにより落ち着いてくるし、母親も喜ぶ。また、添い寝により児に対する愛着が、さらに深まってゆくようである。
児と向かい合った側臥位で、下の腕で児を抱え込む方法と、仰臥位で児をお腹に乗せる方法の二種類を指導している。

このようにメリットの多い母子同室です。

明日へ続く

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おしゃぶりより指しゃぶり

2007年08月19日 | おしゃぶりの弊害
おしゃぶりにはマイナスの効果が多いです。
おしゃぶりで寝ぐずりやご機嫌悪いのが治まったとしても、それに依存してしまうと、今度はその「おしゃぶり離れ」が必要となります。

あかちゃんは、泣くことでさまざまな要求を訴えてきます。
それをおしゃぶりで「やめさせる」ことはあかちゃんの訴えを強制的に中止させることになります。
重ねていく打ちにすこしづつ反応が乏しくなっていくこともあります。

親の都合で「口にふたをして」だまらせるのはよくありません。
あかちゃんが愚図るのは何か不快なこと、不安なことがあるからで、それをおしゃぶりで解決してしまうと、根本的な解決になっておらず、不安をかき消す道具として依存してしまうようです。

あかちゃんの自主性・自己主張の気持ちを潰してしまう可能性もあります。

赤ちゃんの口の感覚は敏感で、口に刺激を与えられるとそれだけで満足してしまい、他の欲求が抑えられてしまいます。そのためあまり泣かなくなりおとなしい赤ちゃんになります。赤ちゃんの心の発達は、お母さんやお父さんとの数限りない抱っこや声がけによって育っていきます。

そのきっかけになるのが泣いたりむずかったりすることです。
おしゃぶりを与えてしまうとこのきっかけが少なくなってしまい、抱っこや声がけが少なくなってしまう心配があります。

指しゃぶりは赤ちゃんの発達の中でみられることですから止めさせる必要はありません。
赤ちゃんの意志でやっています。

親がおしゃぶりを与えることはやめましょう。
心の発達のためにも。

母乳で育てる人には、特に影響があります。
飲めなくなってしまうこともあるのです。

吸われなくなれば、母乳の分泌が少なくなります。
そうすると、より吸えなくなってしまうという、悪循環に陥ってしまいます。
また、赤ちゃんは乳頭混乱をおこします。

おしゃぶりは止めましょう。


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WHO勧告にみる子育て支援

2007年08月18日 | インポート
WHO(世界保健機関)が妊娠や子育て支援について多くの勧告を出しています。
今日はその中で産後の医療技術についての中から一般市民への情報提供について紹介します。

***********
産後における適切な医療技術のためのWHOコンセンサス会議
一般市民への情報とメディア若い世代が、出産や乳児ケア、親としての責任について学ぶ機会がほとんどない社会では、このような経験に向けて準備をさせる教育が必要である。

出産後の期間に関する情報は、正確明快な、目を引くような見せ方をした、質の高い堅実なものが、両親、子ども、教師、医療専門家ならびの政治家の間に広められるべきである。

WHOとその地域事務局は、ジャーナリスト、メディア、広報活動リーダー及び専門雑誌の編集者と定期的に
会合を持つプログラムを設け、WHO会議の勧告や母子保健に影響するさまざまな問題を、彼らに充分知らせるべきである。
WHOは、トリエステ会議とそれ以前の二つの会議で採択された勧告の実践を促進すべきである。

**********
と結んでいる。

残念ながら守られていないのが実情ですね。
最近は、マスコミやジャーナリストの質が落ちています。
特にテレビはひどい、情報源にはならない。
視聴率至上主義、営利優先の経営が人材育成に影響しているのではないだろうか。

時には間違っている情報を平気で放送している。
勉強不足が原因です。

さらには、各省庁や企業から提供される報道資料という情報を垂れ流し情報を鵜呑みにし
報道している。
企業の発表はお土産や食事つき、あご足つきのこともあります。これらは特権ですね。

一部まともな報道番組もありますことを付け加えておきます。

マスコミの記事や報道に中味がないのです。
記事を書き取材する能力が欠落してきています。
正しい情報を専門的な視点で報道する力を養って欲しいと願わずにはおられません。


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