ひげ爺のお産・子育てご意見番

子どもは育つ力を持って生まれてきますが
親に子育てする力が減っています。
親育て支援の中で感じたことを書いています。

赤ちゃんのために断乳しますか?

2007年10月31日 | 卒乳・断乳
今回は断乳について書きます。
「断乳をしたいのですが、時期、タイミングを教えて下さい」という問い合わせがありました。
それに対して下記のようにお答えさせていただきました。
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最近では、無理に断乳はせず、自然卒乳するまで待ってあげようという考え方になっています。昔のままの指導で、周囲から断乳するようにと言われることも多く、悩んでいるお母さんはたくさんいます。
 赤ちゃんはオッパイを吸うことで栄養をもらうと同時に、お母さんの優しい心ももらっています。「オッパイを吸う」=「赤ちゃんの心を育てる」といってもいいと思います。また、断乳は一番好きなことを無理矢理取り上げてしまうことになりますから、赤ちゃんに精神的なダメージを与えます。
 母乳は子どもの「優しい心」を育てるもの。母乳を通してもらう母親の優しさは、子どもが成長した時、他人に対しての優しさにつながります。

1歳を過ぎると栄養のほとんどは食事から摂ることができます。だから「母乳はいらない」「母乳は薄くなって栄養がなくなる」などと言われることがありますが、そんなことはありません。1歳を過ぎると自我の成長が活発化、外からの刺激が多くなり、ストレスがたまってきます。こんな時オッパイを吸うことで安心感を感じ、ストレスが解消されます。それは親子の絆を生み「心の安全基地」を形成、自信を持って外の世界へ出る準備ができます。母乳は「自信」を育てるもの。赤ちゃんの気が済むまでオッパイを続けて下さい。いつの日か自信がつくとピタリとオッパイに興味を示さなくなります。
自然卒乳までたっぷり、ゆったり母乳育児を楽しんでください。
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赤ちゃんから無理矢理おっぱいを取り上げるのは非常に残酷です。
どうぞ皆さん、断乳を考えているお母さんがいたら、優しくおっぱいの大切さをアドバイスしてあげてください。
 母乳哺育が推進されてきましたが、まだまだ約40%の人だけしか母乳哺育が出来ていません。また、早い時期に断乳する人や混合から人工乳に変わってしまいます。
赤ちゃんの自立のためには卒乳まで母乳哺育が出来るように母親を支援してください。
そのためには、妊娠中に妊婦に対して、産婦人科医や助産師の教育がとても重要です。
2度ほどの母親教室だけでは無理です。
少なくても毎月、勉強会を開催するようにしてください。乳房マッサージよりも母乳のための知識を学ぶことが母乳哺育を推進する第一歩です。

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本当に卒乳ですか?

2007年08月06日 | 卒乳・断乳
卒乳に誤解があるようなので書いてみます。

卒乳というのは赤ちゃんが自分に自信を持ち、おっぱいを必要としなくなったときに自分から離れていくことを言います。
予定を決めて離乳すのは卒乳ではありません。

下のこの妊娠で、流産しやすくなるから断乳する、卒乳させると言うことを耳にします。
授乳中でもそのような事はありません。
事実無根です。それを信じている産科医が未だにいたり、それを信じている人がたくさんいるのも事実です。

妊娠中や子育て中に上の子と二人でタンデム授乳をしている人もたくさんいます。

お母さんの中には、予定を決めておっぱいを止めさせようとする人がいます。
赤ちゃんが泣いて欲しがり、夜中に起きても授乳を拒否します。

果汁や牛乳でだましたり、好きなものを飲ませたり食べさせてごまかします。
子どもは親の決心を知りやがてあきらめます。
あきらめたのを「卒乳」したといって喜んでいる親がいるのも事実です。
その話を聞いて「○○ちゃんは上手に卒乳したのね」なんて言う親がいますが
それは違います。

この「あきらめ」は、将来何らかの形で赤ちゃんの心の中に傷として残ります。
自分に自信が持てない人になります。
自然卒乳は「自立」の第一歩です。

自分が納得するまでオッパイを続けてもらった子どもは、自信がもて自立のできるこころの強い子になります。

子ども一人一人が違うように卒乳の時期も異なってきます。
長くおっぱいをあげていても甘え心の弱い子になることは決してありません。

卒乳をしたお母さん達の話では、赤ちゃんがおっぱいを吸ってくれなくなり、寂しいということはよく聞きますが、乳腺炎や体の不調を聞いたことはありません。

外国では2年以上母乳を続け、自然に卒乳するということが医学的にも推奨されています。
無理に母乳を止めることがよいとは思いません。
卒乳はお母さんの都合で中止するのではなく、赤ちゃんの発育、母子の信頼関係の深まりの中で自然に乳離れをしていいくことを言います。
無理をしないで卒乳に向かうことを勧めます。

「断乳」を商売にしている人たちがいます。
卒乳してもおっぱいの手入れなど必要ありません。
また閉経後にトラブルなど考えられません。

それらにだまされず、赤ちゃんの声を聞き、子どもに任せて自然卆乳をしましょうね。
親のつごうではなく「赤ちゃん主体」に考えましょう。

心豊かな人に育てていくために。

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