国営昭和記念公園の中の施設の一つ「日本庭園」内の北側に我が国初の国営盆栽展示施設「盆栽苑」がある。平成16年11月3日(文化の日)に開園した。盆栽苑は歴史と伝統ある国風盆栽展クラスの盆栽を中心に鑑賞できる施設で「展示ゾーン」には古木を展示、「学習ゾーン」では盆栽が作られていく過程を初心者の方にも分かりやすく解説してくれる。ここは幅広い年齢層に人気があるようだ。六つの盆栽棚に展示されている盆栽は「日本盆栽協会」の協力を得て全国各地の愛好家から寄贈された国風盆栽展クラスの名品盆栽61鉢が中心に置かれている。樹形には株立ち、寄せ植え、石付き、文人木、懸崖、模様木とあり「主幹」の見事さ大きさから樹齢100年に近いのではないかと思われる盆栽もありどれも手塩にかけたもので一日にしてならずの芸術的な美しさに心酔した。今や、盆栽は海外でも人気、買い付けにあるいは修業に来る人もいるくらいである。(1610)
相模原市磯部に唯一現存する幕末期の擬洋風建築で国登録有形文化財指定の「旧中村家住宅」はある。建築当初は3階建であったが関東大震災後3階部分は取り除かれ2階建てとなった。この住宅は鎌倉大工の石井勘五郎が10年の歳月を掛けて手がけた。まず木造平屋建(床面積88㎡)て黒褐色をした「長屋門」より敷地に入ると外観はまさしく和風の要素っぷりで青い瓦、特に2階は外壁をと白の「海鼠壁」とし洋風の要素として軒を曲線の白漆喰で塗り込め正面に縦長の窓を配するなど和洋が見事に調和した美しさである。1869㎡の宅地面積内に1階部分は西側に「玄関」、「どま」があり、「武台」の間に「しきだいのま」、「ちゃのま」、「きゃくざしき」、「ぶつま」「なんど」、「おかって」という整形四間取りの「主屋」となっている。(1610)