足柄上郡松田町松田惣領(新松田駅の北方)に東国花の寺百ヶ寺の一つで花の寺と称されている曹洞宗寺院「萬松山延命寺」はある。創建は文明4年(1472)、本尊は聖観音菩薩と薬師如来。開基は小田原北条氏家臣の「遠山丹羽守直景」で、時代劇に出て来る桜吹雪の刺青で有名な遠山金四郎はこの遠山丹羽守直景の直系にあたる。当寺は明治6年(1873)に松田小学校の前身となった「貫穿舎」が設置されており、かつて寺子屋であったことが窺える。「寺門」(門柱)を入れば前方に「山門」があり前後に5本の紅白梅の木が植栽されて見事に咲きほこっている。山門を抜けると本堂への直線100mほどの参道は今は「梅」、来月は20本ほどの「桜」、4月には2000株の「ボタン」が咲き乱れ「花の寺」らしい華やぎをみせる。長い参道の先に「彼岸橋」が掛けられその正面にはコンクリート造りの白を基調とした「本堂」がある。本堂前の「白梅」と庫裏の庭の梅花が春を告げている。境内には「鐘楼」、左手に「子育水子地蔵尊」、朱塗りの「仁王門」があり、その奥に行基の発願によって宝亀元年(770)建立された朱を挿した「観音堂」がある。参道や境内には万霊塔、禁碑、山王権現塔などの石塔が数多くある。(1802)











