厚木市山際に曹洞宗寺院「多賓山長福禅寺」はある。創建年は不詳であるが江戸時代頃ではないかと推定される。本尊は釈迦如来と道元禅師と瑩山禅師の一仏両祖である。県道129号線「山際信号」手前右側に位置している。入口に不動明王を祀った「不動尊道標」と「庚申塔」が建っている。「不動尊道標」は天保9年(1838)の建立で右=大山道、左=厚木道、猿ケ島村渡船場と刻まれている。案内板には「猿ケ島長坂三田・荻野新宿へ通じる大山道添にあるもので総高258メートルもあり市内最大の道標である。江戸時代から大山信仰者はこの不動明王に旅の安全を祈り無事に参詣を終わらせ無病息災稼業繁栄を願うのが生きがいであった」と記してある。また傍の庚申塔は万延1年(1860)の建立である。「山門」右側には「東陽の力石」と東陽和尚が田村堀を堰止めたという「扉」が現在も残っている。「山門」を抜けると境内右手に珍しいオレンジ色の屋根をした「本堂」、その左に「庫裏」がある。山門前及び境内左手には「南無六道化地蔵願王菩薩」、「延命地蔵大菩薩」、「石書法華塔」、「子育観世音菩薩」が奉られており樹林に囲われた静寂な寺域を形成している。(1805)










