公園や庭園でよく目にする「藤棚」。麻溝公園のフジは蕾を大きく膨らませ今にも開花しそうである。当園の近くの道路脇に植栽されている一本の「フジ」が一足早く藤独特の花姿を披露し始め行き交う人の足と目を止めさせている。フジは4月下旬から5月上旬にかけて風情漂う薄紫色の長い穂のような花序を長くたおやかにしなやかに花序はしだれて下げて咲く観賞価値の高いつる性の花木である。広義にはフジ属を指し狭義には同属の「ノダフジ」を指す。floribundaは「花の多い」という意味のようである。「ノダフジ」の名は摂津国野田の藤之宮(大阪西成区付近)にフジの名所があったことによる。藤にはつるが右巻きと左巻きの二種類があり、右巻きの藤の標準和名は「フジ」または「ノダフジ」、左巻きの藤の標準和名は「ヤマフジ」または「ノフジ」である。フジの花姿は振袖姿のあでやかな女性を思わせる。フジは日本画に描かれ、古典文学、万葉集に登場する日本古来の花木である。藤の花言葉は「優しさ」、「歓迎」である。今週末にはあのたわわに咲いた優美な花姿を見ることができるであろう!!(2004)




