小田原市栄町に聳える塔がひときわ美しい白亜の木造の聖堂「小田原ハリストス正教会・聖神降臨聖堂」がある。日本ハリストス正教会はキリスト教の教会で、自治独立が認められている正教会所属教会の一つである。千代田区神田駿河台の「ニコライ堂」(正式名称は東京復活大聖堂)が府主教座である。東方正教会とも呼ばれキリスト教が生まれた中近東を中心にギリシャ、東欧から、ロシアへ広がった。日本へは江戸時代末期、函館のロシア領事館付きの司祭として来日した「ニコライ」によって伝道された。「小田原教会」は1877年に聖ニコライ大主教が神父であった時に洗礼を受けた「イオナ友田清兄」と「イオシフ峰義準兄」によって始められた教会である。2年後には信徒たちの聖堂を建てたいという思いから始めた募金活動によって1887年には白亜の木造の聖堂が建立された。最初の聖堂は関東大震災のときに焼失後、塔ノ沢にあった小聖堂が1937年購入した土地(栄町)に小田原教会は移築された。1969年には現在の「聖堂」が建てられ1983年には「信徒会館」と「司祭館」が新築され、現在の美しい白亜の聖堂となった。(2205)
相模原市南区麻溝に四季の花が絶えない「相模原麻溝公園」はある。今、当園の代表花「クレマチス」がそろそろ終焉を迎えようとしている中5つのゾーンでアジサイが咲き始めている。「グリーンタワー」前の「子供広場」の一画に紫と白の花が咲く「藤棚」が造られている。既に紫の藤は終わったようであるが、白の藤が咲き始めている。この季節を華やかに彩る白色と紫色の「フジ」(藤)はマメ科の落葉性のつる植物。4月下旬~5月上旬に長い穂のような花序を垂れ下げて咲く、観賞価値の高い花木である。藤は日本古来の花木で万葉集にも詠われている春の代表花木である。藤棚に巻きつくように弦の各所に淡紫色の花を房状に垂れ下げてしなやかに優雅に咲くその美しい花姿は誰しもが心酔させられる。香りが強く、たおやかに咲く藤は古来から女性らしさの象徴とされ、藤の花や葉は図案化し家紋、短歌、歌舞伎、画題として使われている春の代表的花の一つである(2204)
立川市と昭島市に跨るように造られた「国営昭和記念公園」はある。広さ(面積)は165ha。園内の「原っぱ東花畑」から「花の丘」へ行く途中に戦後日本で造営された日本庭園の中では戦後最大級の造営規模を誇る「日本庭園」がある。平成9年4月に誕生、その広さは約6haである。広大な昭和記念公園の中にあるため目立たないが一歩足を踏み入れるとそこは静寂な別世界となる。造営当初は人工的な作りの庭園の印象から歳月を経て草木も成長し落ち着いた素晴らしい庭園となっ旅。この庭園のコンセプト「緑の回復と人間性の向上」の元、自然を範とし豊かな季節感のある「池泉回遊式庭園」である。南の門より左回りの順路に沿い「芝生広場」があり、その先に庭園の30%は占有している中心的存在の「池」があり池畔には周りの建物、樹木を映し出され幻想的な美しさを魅せている。「西の流れ」を渡ると休憩所の「精池軒」があり、ここからの園、池の眺めは格別で素晴らしい。休憩所の先に銅板葺き木造平屋建て数寄屋造りの茶屋「歓楓亭」があり「ボタン」が咲き庭園と調和のとれた佇まいを見せている。ここを過ぎると左手に「盆栽苑」、四阿「涼暮亭」、小さな滝、北の流れの先の「橋」より左手に菖蒲園、青色の「アヤメ」が咲き誇り、池面眺め渡りきった所に「四阿の昌陽」がある。四季折々の表情、美しく澄んだ池やせせらぎが織りなす風情、景色のよさは時を忘れさせてくれるひと時であった。(2205)