人間の行動の決定について、多くの場面で十分な考慮/論理的な決定によるものではなく直観により決定していること、一見不合理に見える決定が迅速な決定という生活・生存上の合理性や進化の過程での合理性を持っていると考えられること、逆に子どもはむしろ論理的な決定をしていることを、心理学・脳科学の観点から解説する本。
大人が直観により判断して行動すること、その際プロ/達人の判断は訓練の末の直観が最も適切な行動となること、子どもは直観よりも論理的思考で選択していることを、脳細胞/神経細胞のシナプス/接続が淘汰・剪定されていき残った神経回路が速度や効率が増していく、その結果、特に訓練に裏打ちされた神経回路が直観的判断へとつながっていくということで説明しています。
子どもの判断の説明で、生後6か月半の乳児に台の上の物体を横にずらせて行き台からはみ出して普通なら落下するところまでずらせても落ちないと反応する(66ページ:重力現象を理解している)、生後8か月の乳児に赤と白のピンポン球が入った箱を見せ、中から数個取りだして取りだしたピンポン球が赤が多いときにその後箱を開けて白ばかりだと反応する(68ページ:確率を理解している)という実験結果には驚かされました。
心理学や脳科学の最先端を解説するというよりは、雑談/雑学的な関心で読むのに適した本ですが、いろいろと興味深く読めました。

辻本悟史 岩波科学ライブラリー 2015年8月25日発行
大人が直観により判断して行動すること、その際プロ/達人の判断は訓練の末の直観が最も適切な行動となること、子どもは直観よりも論理的思考で選択していることを、脳細胞/神経細胞のシナプス/接続が淘汰・剪定されていき残った神経回路が速度や効率が増していく、その結果、特に訓練に裏打ちされた神経回路が直観的判断へとつながっていくということで説明しています。
子どもの判断の説明で、生後6か月半の乳児に台の上の物体を横にずらせて行き台からはみ出して普通なら落下するところまでずらせても落ちないと反応する(66ページ:重力現象を理解している)、生後8か月の乳児に赤と白のピンポン球が入った箱を見せ、中から数個取りだして取りだしたピンポン球が赤が多いときにその後箱を開けて白ばかりだと反応する(68ページ:確率を理解している)という実験結果には驚かされました。
心理学や脳科学の最先端を解説するというよりは、雑談/雑学的な関心で読むのに適した本ですが、いろいろと興味深く読めました。

辻本悟史 岩波科学ライブラリー 2015年8月25日発行