伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

愛娘にさよならを

2016-04-17 00:03:35 | 小説
 刑事雪平夏見シリーズ第4作。
 第3作で打たれ瀕死の重傷を負い左腕がマヒした雪平が配属された監察官室の上司が妻とともに惨殺され、そこから始まる連続殺人事件を、自らが救えなかったと悔やむ雪平が独自に追い、警視庁捜査1課長山路から雪平につけと命じられた安藤、犯行予告と見られる手紙を受けたテレビ局への潜入捜査を命じられた林堂と平岡が犯人に迫っていくという展開です。
 犯人側の描写に工夫が見られ、なんか変だよなという思い、時期を曖昧にしたエピソードへの疑問が、最終的には無事に1点に集約されるのですが、それでもやはり、無理してる感が残ります。犯行の残虐さ、シリアスさと犯人像の非現実性がマッチしないという印象です。
 終盤は遊園地が舞台となりますが、「東京ドリームランド」の「ミッティー・ラビット」って…この種の言い換えがいつも白けるのですが、ディズニーランドを想定するなら小説なんだから「東京ディズニーランド」「ミッキーマウス」でいいだろうと思いますし、避けるのなら全然別のオリジナルの架空の名称を考えればいいと思います。
 タイトルは、あざとい印象です。


秦建日子 河出書房新社 2011年9月30日発行
コメント
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