土地評価に特化した相続専門の税理士事務所を開いた著者が、相続税申告の際の不動産評価に関して自ら取り扱った16の事例でさまざまな減価要因の適用の工夫・実例について解説した本。
冒頭に著者が土地評価に際して行っている、まず法務局で登記簿謄本(全部事項証明書)と公図の他に地積測量図(当該地のものがなければ隣接するすべての土地につき確認)、必要に応じて建物図面、隣地の土地要約書を取得、次いで役所で都市計画上の規制・制限の有無・内容、道路指定・接道要件等の確認、建築計画概要書の取得、道路査定図の取得、埋蔵包蔵地の確認(該当する場合、本掘事例の確認)等の評価対象地に関する資料で入手できる限りのものの入手、それらの情報からCADで土地平面図を作成、その後現地調査での確認(作成した図面との異同、道路との高低差:測定、敷地内や隣地の崖、上空の高圧線等、隣地の墓地、神祠等)、現地調査後に縄伸び・縄縮みの反映、セットバックや高低差があるときの造成費、現実の利用状況を反映した地目や不整形等を考慮した評価を書き込んでいくといった作業工程が紹介されています。実例の中でその具体的作業がさらに紹介されています。私は、不動産の事件も扱いはしますが、その領域が得意とか専門というわけではないので、そういうところ、そういう資料にも注意を払う必要があるのか、また書類上のチェックのみならず、CADでの図面作成と現地調査も確実にやっていく必要があるのかと、読んでいて、プロの仕事はこういうものかと感心しました。やっぱり得意分野以外は、その道の専門家に任せた方がいいかなと、改めて思いました。

下坂泰弘 税務経理協会 2020年11月20日発行
冒頭に著者が土地評価に際して行っている、まず法務局で登記簿謄本(全部事項証明書)と公図の他に地積測量図(当該地のものがなければ隣接するすべての土地につき確認)、必要に応じて建物図面、隣地の土地要約書を取得、次いで役所で都市計画上の規制・制限の有無・内容、道路指定・接道要件等の確認、建築計画概要書の取得、道路査定図の取得、埋蔵包蔵地の確認(該当する場合、本掘事例の確認)等の評価対象地に関する資料で入手できる限りのものの入手、それらの情報からCADで土地平面図を作成、その後現地調査での確認(作成した図面との異同、道路との高低差:測定、敷地内や隣地の崖、上空の高圧線等、隣地の墓地、神祠等)、現地調査後に縄伸び・縄縮みの反映、セットバックや高低差があるときの造成費、現実の利用状況を反映した地目や不整形等を考慮した評価を書き込んでいくといった作業工程が紹介されています。実例の中でその具体的作業がさらに紹介されています。私は、不動産の事件も扱いはしますが、その領域が得意とか専門というわけではないので、そういうところ、そういう資料にも注意を払う必要があるのか、また書類上のチェックのみならず、CADでの図面作成と現地調査も確実にやっていく必要があるのかと、読んでいて、プロの仕事はこういうものかと感心しました。やっぱり得意分野以外は、その道の専門家に任せた方がいいかなと、改めて思いました。

下坂泰弘 税務経理協会 2020年11月20日発行