いつも近所の公園の一番奥のベンチに座りクリームパンを食べている「むらさきのスカートの女」日野まゆ子を観察し続けている黄色いカーディガンの女権藤が、むらさきのスカートの女と友達になりたいと思い、策を弄して行く様を描いた小説。
語り手からは、しばらく働いては無職になることを繰り返すむらさきのスカートの女の社会性のなさ、特異さが描写されますが、語り手自身が勤務先がありながら家賃を長期間滞納して自宅に寄りつかず逃げ続けている上、何よりもむらさきのスカートの女を追い続けるストーカーぶりが目に付きます。他人の異常性をあげつらいながら、その人よりももっと異常な自分に気がつかない/自分の異常性は気にならない人のありようを考えさせられます。
この作品では、ホテルの清掃(芸能人がよく利用して30階建て以上で、ホテルメイドの生チョコが1粒980円という設定なので、かなり高級なホテル)の仕事、バックヤードの話が出てきますが、作者自身がホテルの清掃の仕事をしていたそうなので、そのあたりは、業界の実情、なんでしょうね。そうだとしたら、参考になります。

今村夏子 朝日新聞出版 2019年6月30日発行
芥川賞受賞作
語り手からは、しばらく働いては無職になることを繰り返すむらさきのスカートの女の社会性のなさ、特異さが描写されますが、語り手自身が勤務先がありながら家賃を長期間滞納して自宅に寄りつかず逃げ続けている上、何よりもむらさきのスカートの女を追い続けるストーカーぶりが目に付きます。他人の異常性をあげつらいながら、その人よりももっと異常な自分に気がつかない/自分の異常性は気にならない人のありようを考えさせられます。
この作品では、ホテルの清掃(芸能人がよく利用して30階建て以上で、ホテルメイドの生チョコが1粒980円という設定なので、かなり高級なホテル)の仕事、バックヤードの話が出てきますが、作者自身がホテルの清掃の仕事をしていたそうなので、そのあたりは、業界の実情、なんでしょうね。そうだとしたら、参考になります。

今村夏子 朝日新聞出版 2019年6月30日発行
芥川賞受賞作