高齢になり一度落ちた視力も、トレーニング等によって回復できると論じた本。
加齢等による視力の低下は毛様体筋の弾力性低下や水晶体の弾力性低下、硝子体の液状化等が原因であり、毛様体筋を使うトレーニングや目の周囲の血流を増加させる等によって視力を回復できるとして、目をキョロキョロと動かすなどのトレーニングや目の周囲や首の保温、さらには十分な睡眠、その他の健康な生活を勧めています。「見える」と信じることで視力が上がるとか、ストレスを減らすこと、美しいものやきれいなものを見て感動することが視力の回復につながるという主張もなされています。
人間の体はさまざまな点でつながり、健康や病気もさまざまなことが影響するでしょうから、この本で提唱されていることは、体にいいことだろうとは思うのですが、一度落ちた視力が回復しないというのは事実ではないという説明の根拠が、「一度失われると再生することはないと言われていた脳細胞が70歳を過ぎても適度な刺激を受けると再生することがわかってきました。視力も同じです。つまり、視力が回復する可能性はゼロではないのです」(16ページ)というだけでは、かなり心許なく思えます。著者が医師ではなく(政経学部卒)、記述の多くについて学術的な根拠が示されていないことも不安材料ではあります。
著者が経営するビジョンサロンでの実践、それにより視力が回復したという人が多数いるということがその背景にあるのであれば、書かれていること自体は基本的に健康によさそうなことなので、やってみてもいいかなと思いますけど。

中川和宏 PHP文庫 2019年2月15日発行(単行本は2012年9月)
加齢等による視力の低下は毛様体筋の弾力性低下や水晶体の弾力性低下、硝子体の液状化等が原因であり、毛様体筋を使うトレーニングや目の周囲の血流を増加させる等によって視力を回復できるとして、目をキョロキョロと動かすなどのトレーニングや目の周囲や首の保温、さらには十分な睡眠、その他の健康な生活を勧めています。「見える」と信じることで視力が上がるとか、ストレスを減らすこと、美しいものやきれいなものを見て感動することが視力の回復につながるという主張もなされています。
人間の体はさまざまな点でつながり、健康や病気もさまざまなことが影響するでしょうから、この本で提唱されていることは、体にいいことだろうとは思うのですが、一度落ちた視力が回復しないというのは事実ではないという説明の根拠が、「一度失われると再生することはないと言われていた脳細胞が70歳を過ぎても適度な刺激を受けると再生することがわかってきました。視力も同じです。つまり、視力が回復する可能性はゼロではないのです」(16ページ)というだけでは、かなり心許なく思えます。著者が医師ではなく(政経学部卒)、記述の多くについて学術的な根拠が示されていないことも不安材料ではあります。
著者が経営するビジョンサロンでの実践、それにより視力が回復したという人が多数いるということがその背景にあるのであれば、書かれていること自体は基本的に健康によさそうなことなので、やってみてもいいかなと思いますけど。

中川和宏 PHP文庫 2019年2月15日発行(単行本は2012年9月)