ちょっとしたことで動揺したり、怒りや不安に駆られることへの対象方法について論じた本。
この本の基本的な考えの第1点は、人は他人の表情などから相手の感情を読み取り、その感情を共有してしまいがちだという点に基礎を置いています。怒っている人を見ると自分も怒りの感情、イライラした感情を持ち、逆に笑顔や落ち着いた表情を見ると怒りが薄れていくといった具合です。感情は伝染するといってもいいでしょう。
第2点は、人の感情が、自分の本心というか、自然な感情だけではなく、周囲の期待や常識に拘束されがちだということです。周囲の目からここは怒らないと馬鹿にされるとか、悲しまないと非常識と思われるというような状況が、怒りや悲しみの感情につながっているというのです。
そこで、著者は、基本的に極端な笑顔を作る、怒りその他の悪感情を持ったときはそれを極端な表情に表してみることで自分はそこまでの感情を実は持っていないと脱力する(気づく)、自分が本当に思っていることは、したいことは何と問いかける、第1次的に浮かんだ答にはそれは「常識」でそう思い込んでいるのではと疑いさらに本音を探求する、「やらなきゃ」と思っていることを無理にやらずにしたいことをする、といったことで自分の心を穏やかにする、それでその穏やかな気持ちが伝わることで相手の態度からもトゲが抜かれるというようなことを提唱しています。終盤では、「みんなの心が穏やかになる」とか「人は無意識に協力している」などの呪文を唱えることを勧めているのも、第1次的には、そういうことで自分の心が静まることが相手にも伝わることを述べているのでしょう。
一見、催眠術的にも感じられますが、表情から感情が伝わるということ自体は、ありそうなことで、うまくできるかどこまでできるかはともかく、心がけておきたいなとは思わせてくれます。
大嶋信頼 PHP文庫 2020年8月18日発行
この本の基本的な考えの第1点は、人は他人の表情などから相手の感情を読み取り、その感情を共有してしまいがちだという点に基礎を置いています。怒っている人を見ると自分も怒りの感情、イライラした感情を持ち、逆に笑顔や落ち着いた表情を見ると怒りが薄れていくといった具合です。感情は伝染するといってもいいでしょう。
第2点は、人の感情が、自分の本心というか、自然な感情だけではなく、周囲の期待や常識に拘束されがちだということです。周囲の目からここは怒らないと馬鹿にされるとか、悲しまないと非常識と思われるというような状況が、怒りや悲しみの感情につながっているというのです。
そこで、著者は、基本的に極端な笑顔を作る、怒りその他の悪感情を持ったときはそれを極端な表情に表してみることで自分はそこまでの感情を実は持っていないと脱力する(気づく)、自分が本当に思っていることは、したいことは何と問いかける、第1次的に浮かんだ答にはそれは「常識」でそう思い込んでいるのではと疑いさらに本音を探求する、「やらなきゃ」と思っていることを無理にやらずにしたいことをする、といったことで自分の心を穏やかにする、それでその穏やかな気持ちが伝わることで相手の態度からもトゲが抜かれるというようなことを提唱しています。終盤では、「みんなの心が穏やかになる」とか「人は無意識に協力している」などの呪文を唱えることを勧めているのも、第1次的には、そういうことで自分の心が静まることが相手にも伝わることを述べているのでしょう。
一見、催眠術的にも感じられますが、表情から感情が伝わるということ自体は、ありそうなことで、うまくできるかどこまでできるかはともかく、心がけておきたいなとは思わせてくれます。
大嶋信頼 PHP文庫 2020年8月18日発行