東鎌倉の駅前商店街に自社ビルを持つ老舗の陶磁器店「土岐屋吉平」を営む店主の久野貞彦と女将の久野暁美夫婦の息子康平が、妻の想代子の元彼に刺殺され、暁美の姉東子が想代子が康平の遺体の脇でハンカチで目元を押さえていたがどう見ても涙が出ていなかったと述べたことや裁判での被告人の発言などから、暁美は想代子に疑念を持ち続け、康平の死後店を手伝うようになった想代子の言動に神経をとがらせ…というサスペンス小説。
タイトルの「クロコダイル・ティアーズ」は嘘泣きの意味で、作品全体が想代子の態度をどう見るべきか、想代子の真意は何処にあるのかをめぐって展開してゆきます。
さまざまなことがら・疑問に思われることについて、最後に語られてはいるのですが、今ひとつストンと落ちないというか、スッキリしないものが残るように、私には思えました。
雫井脩介 文藝春秋 2022年9月30日発行
「オール讀物」連載
2022年下半期直木賞候補作
タイトルの「クロコダイル・ティアーズ」は嘘泣きの意味で、作品全体が想代子の態度をどう見るべきか、想代子の真意は何処にあるのかをめぐって展開してゆきます。
さまざまなことがら・疑問に思われることについて、最後に語られてはいるのですが、今ひとつストンと落ちないというか、スッキリしないものが残るように、私には思えました。
雫井脩介 文藝春秋 2022年9月30日発行
「オール讀物」連載
2022年下半期直木賞候補作