


22日に清里を訪れたとき「清里現代美術館」を訪れた。当初知識がまったくなく、期待をしていなかった。建物にたどり着いたときも私立にしては凝った美術館だなと思ったが、それ以上の感慨はもよおさなかった。
あとで聞いたら館長だったようだが、入るなり妻と母に丁寧に説明をしてくれた。私は例により、人の話は聞かずにさっと中に入り自分の気に入った作品はないかと、うろうろ始めた。音楽と現代美術の調和も射程に入れているらしく、ジョンケージの音楽作品のCDの演奏が響いていた。


展示作品の中で私がもっとも心惹かれたのが、ティングリーという作家の絵画作品うち2点。初めて聞く名前であったが、よく計算されつくした画面を思い出させてくれる甘い香りが美しかった。この絵の前に立っていると、そこを離れるのがとても惜しいような気分になってしまった。このような絵に出合えるとはまったく想像していなかった。



さて、2階に行くとジョン・ケージの作品がたくさん壁にかけてある。大昔にジョン・ケージの楽譜を見てとても興味深く見ることが出来た。今回は二回目である。
私はこの作曲家の楽譜の読み方はまったく知らない。しかしこの楽譜を見ていると楽譜そのものが音楽を奏でているようで、嬉しいのだ。今でもこの踊りだしそうな楽譜は手放したくない。こんなにも人を突き動かそうとするエネルギーにびっくりした。何度見てもこの楽譜は楽しい。楽譜そのものが、音楽とは別に作品として成立しているような錯覚に陥る。
その他、猪熊玄一郎の絵もあったが、狭い空間にあり写真を向けようがなかったのがさびしかった。
別室に現代美術の展覧会のカタログなどが所狭しと積まれているのだが、棚に並べられていないので手にとって見ることができない。もう少し整理して欲しいと切に願う。
しかしとても楽しい美術館であったとおもう。このような美術館にはゴーストタウンの中でも引続き人を集めて存続してもらいたいと思った。