95歳の人間が作る映画、というだけで興味津々。何せ、世界でもこんな高年齢で映画を作った人は稀で、人間探究上でも画期的なことであろうと思う。
だいたい90を超えている人が何を考えているのか、私たちはあまりに知らない。しかも、それを映像化してくれるのであるから学術的にも貴重な映画資料になりえると思う。とか、そんな文化的に捉えるのは置いといて、やはりこの年齢になると、撮れるものは限られてくるから、遺作 . . . 本文を読む
2大スター競演による裏社会に生きる人間の闇と光、と言えばかなり聞こえはいいが、単なるヤクザ映画の抗争だけが画面をよぎり、せっかく二人を主演させた効果もほとんど感じないまま映画は終わる、、。
といっても、この映画で驚いたのは、クォン・サンウの普通の悪役ということかな。何故こんな脚本で出演したのか分からないけれど、誰でも良かった役柄でした。ポスターが良かっただけに、秀逸な人間映画だと思った僕が甘かっ . . . 本文を読む
急に突拍子もないものが出現したり、いかにも不安定な現代を描き続けている黒沢清が、妙に落ち着いて揺れ動く現代社会を、揺れないでぶれないでしっかり描写した家族ドラマだ。
結構オーソドックスな撮り方に驚く。いつもカメラが不安定感を与えているのに今回はしっかりと腰を据えている。映画の文法のようなものを意識させられる。練られた脚本だと気づく。
庭に向かう戸が若干開いていて雨風が入り込んでいる。この家の主 . . . 本文を読む