この映画、実に面白く楽しく、しかし男である吾輩にはアッパーカットにも近いブローを胸にずしんと感じながら見終えました映画でもあります。確かにこれは男どもが気付かぬ間に(というか、気づかぬふりをして)じわじわと女たちがしっかりと力をつけて反撃に応じたレジスタンスでありますネ。おお恐い!
こんなに便利な世の中を駆け抜け、教育も男と同様に身をつけた女性たちにも、明治以降男どもにあしざまに押しつけられた屈辱の体たらくを、我々男どもは恐らく知ってはいても、無視し続けていたのだろう。そんな当たり前のことがこの映画を見るとよく分かってくる。
この映画に出てくる男どもの見事にひ弱なことよ。卑屈なことよ。もうあまりに露骨過ぎて目を背けたいぐらいだ。でもこれは真実であるのだ。それは認めざるを得ない。う~む。何故かいい気持がしない。
それほどあっけらかんとした女たちの男どもに対する対決が描かれる。もはや無視することもできない現実であることよ。女性たちの冷たい視線も感じます。
とは言いつつ、2,3の感想がございます。
その1。この蒼井優の役どころ。うまいけど、あんなに見事に(あんなつまらない男に)振られる蒼井はやはりちょっと変。安藤サクラだったらドンピシャだけど、、。
その2。これほど男を攻撃していて脚本が女性、なのに監督が男である理由は何なんだろうか、、。(どこかである程度の制御をしたということか、、)
その3。いくら都会からちょっと離れた地方都市だとは言え、彼女たちにとっての「優雅な生活が最高の復讐である」とする結果が、ただ現実から逃げることに起因するとは、、。
どうもしっくり来ない閉塞的な結末ではあります。あれだけ男をばったばったコテンパンに切り落とした映画にしては、実におとなしい切り口です。あまりやると、嘘っぽいコメディになってしまうからか、、。
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