相変わらずモノクロで攻めるパブリコフスキ 。冷戦を舞台に男と女の本質的な愛を掘り下げる。といっても、この狂おしい愛は古今東西、文学にも映画にも今までいやほど描かれています。
例えば分かりやすいところでイギリスのエミリー・ブロンテが「嵐が丘」でキャサリンとヒースクリフの愛憎を亡霊になるまでとことん描いております。この映画も、お互い見た瞬間に永遠に運命の人となったお二人。まず体から震えるんですなあ。そして時間が惜しいようにスタンディングで、これが真実の愛ですネ。
映像もいろいろ今回も挑戦しているが、冒頭からちょっとだけ何やらやっておりますが、あとは予算の関係でしょうか、通常のモノクロが続きます。話としては、背景に戦後のいわゆる冷戦を描いているが、この作品の場合、それほど政治的ではなく、むしろ彼らの愛を妨げるツールとして捉えています。
男と女がこんな鍵穴にぴったしはまってしまう関係というのは、ある意味人生的には不幸なんでしょうなあ、若い時には素晴らしいと思っていたものも、この年になってくると、変に透けて見えてしまいます。いやいや、いけません。人生、何があっても突き抜けなければねえ、、。
俳優はズーラ役のヨアンナ・クーリグは絶品。ヴィクトル役の男優は50歳近くに見えたので、ちょっと微妙。もっと若いほうがよかった感もします。
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