原作未読だから何とも言えないが塾の教え子の行方を捜しにはるか10数年ぶりに東京まで訪ねた塾教師の、同じく10数年時が止まっていた自分探しとシンクロする心情がほとんど伝わってこなかったのが惜しまれる。
彼はこういう映画はお得意だったはず。しかもあの、豪快な斬り方の【阪本】だ。何故男と女の中身に突っ込んでいかなかったのか。彼の作品をずっと見続けていた僕にしてはある意味また裏切られた感もする。
だいたい『この世の外へ クラブ進駐軍』から『闇の子供たち』までこの数年(『魂萌え!』は除く)阪本作品は以前のねちっこい力量が感じられなくなっている。換言すれば原作に負っている作品を自分のものに出来得ていないのではないか、と思われる。
この作品のキーは、何故塾教師が単なる教え子を探しに殺伐としたトーキョーを彷徨うか、といったことであり、すなわちそれは自分の思いを明確にする男の旅だったはずなのである。
それらは一応は【小西真奈美】側からは説明されはするが、肝心の【仲村トオル】側が描かれていない。セリフでなくとも、映像等で彼の心情を描くことが可能だったはず。心配なのは、そうならなかったのは、ひょっとしたら原作がそうだったのではないか、ということなのである。
阪本は彼自身の心の雄叫びを今まで映像で表現していたのではなかったのか。(僕が一番好きなのは『トカレフ』なのだが)彼には、ただ原作をなぞる職業演出家にはなってもらいたくないのだ。次作にまたまた期待するところであります。
彼はこういう映画はお得意だったはず。しかもあの、豪快な斬り方の【阪本】だ。何故男と女の中身に突っ込んでいかなかったのか。彼の作品をずっと見続けていた僕にしてはある意味また裏切られた感もする。
だいたい『この世の外へ クラブ進駐軍』から『闇の子供たち』までこの数年(『魂萌え!』は除く)阪本作品は以前のねちっこい力量が感じられなくなっている。換言すれば原作に負っている作品を自分のものに出来得ていないのではないか、と思われる。
この作品のキーは、何故塾教師が単なる教え子を探しに殺伐としたトーキョーを彷徨うか、といったことであり、すなわちそれは自分の思いを明確にする男の旅だったはずなのである。
それらは一応は【小西真奈美】側からは説明されはするが、肝心の【仲村トオル】側が描かれていない。セリフでなくとも、映像等で彼の心情を描くことが可能だったはず。心配なのは、そうならなかったのは、ひょっとしたら原作がそうだったのではないか、ということなのである。
阪本は彼自身の心の雄叫びを今まで映像で表現していたのではなかったのか。(僕が一番好きなのは『トカレフ』なのだが)彼には、ただ原作をなぞる職業演出家にはなってもらいたくないのだ。次作にまたまた期待するところであります。
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