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ユキとニナ (2009/仏=日)(諏訪敦彦) 75点

2010-02-17 14:29:41 | 映画遍歴
【諏訪敦彦】のことだから、きちんとした脚本は用意していなかったのだろう、 だからかもしれないが両親が離婚をすると言ったその不安が子供の目線で描かれ、リアルすぎるほどだ。

屁理屈ばかり言う大人。離婚の原因は子供には関係がない。なのに、父親のみならず友達とも離れなければならない。しかも、遠く離れた日本に行かなければならない。一つのことから予想を超えた現実を知ることになる子供。

最後まで子供視線である。大人はただの環境の一つに過ぎない。子供は同様の体験をしたともだちと深い森に入る。しかし、そこも子供たちを自由に解放する場所ではなかった。そして子供は森の不思議な出口から母親の住んでいたという日本への疑似体験をしてしまう。

少女はちょっと大人になる。日本に行ってももう迷うことはない。ちゃんと普通の子供の生活を、小さな人生を始めるだろう。観客を安心させるラストだ。

シンプルだ。何か、絵本の世界にいるみたいだ。そんな少女の、不安定な気持ちを少しだけ切り取った映画だ。見ている間より、見終わってからの方が徐々に映画が気になり、印象度が高くなってくる映画である。フランスには大きな森が多い。いろんな精霊が住んでいるという。日仏合作だからこそ成し得た珠玉作である。

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