50年ほど前、人種隔離政策時の南部の富裕層が舞台。こんな時代だったんだと当時を思い浮かべるしかない。でもそれより現代においてなぜ突然ある意味アメリカの恥部を露呈させたのか、、。
50年前だったら超昔の話であるとみんな思うのだろうなあ。KKK華やかなりし時だから黒人というだけで殺戮もされたと聞く。キング牧師も暗殺される。そんな時代であった。だからメイドが黒人の差別の話など取るに足りない話で、当時の世情から落ちこぼれてしまっていたのだろうか、、。
でもだからこそ生活感がじっくり描かれる本作は意外な迫力を持って現代に迫り来る。子育てとトイレの話は現代でも人種を超え、人間には重要なテーマなのである。
エピソードが卑近でかつ面白いので(失礼おば)、2時間半の上映時間はそれほど感じない。日常的な話なので、深く考えずただ眺めているだけで理解出来る演出ぶりでもある。
でも例えば悪役の奥様どもがラスと近くで例えば「疲れないの?」と罵倒されたりしてふとひるんでしまうなど、ちょっとそちら側にエコひいきしている嫌いがないではない。ああ言った人は通常、最後まで信念(?)を崩さないものなのではないか。ちょっと偽善っぽいと感じた。
でもこういったテーマにもかかわらずぐいぐい引っ張って行く展開は素晴らしくテンポもよく、秀作たる所以でもあるだろう。そして黒人のメイド二人の演技はさすがアカデミー賞ものであったと告白する。
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