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百万円と苦虫女 (2008/日)(タナダユキ) 75点

2008-07-24 11:16:25 | 映画遍歴
そこらにいる等身大な主人公、一つひとつのエピソードがごく自然で現代に生きるものにとってすこぶる共感できるものとなっている。

フリーターで生活をしている人は限りなく多く、その人たちの目線はすなわち現代の目線でもある。主人公は自分探しでなく、むしろ自分を見たくないのだという。そうなんだよね、自分探しの映画も今まで数あれど、すべて主人公は自分に対して積極的だったなあ。自分を見つけたいんだ。

でも、この映画の主人公はそうではない。自分を知っているから、むしろ極めたくない。そう世間で望んでいることをしたいわけでもない。むしろ無視されてもいい、人に迷惑をかけたいと思っているわけではない、ただ自分の普通の生活をしたいだけなのである。

こういうどこにでもいそうな若者を主人公に据えたのがまずこの映画の魅力であります。ほとんどの人がこの女性に共感できるのではないか、と思われます。

エピソードの中で桃娘のキャンペーンで村の集会で村(企業)のエゴが露骨に彼女に降りかかるシーンがあります。これが今の現代社会の現実なのであります。社会で生きていこうとするとどうしても経済的なものとは無縁でいるわけには行かない。フリーターであってもそれは一緒なのでしょう。

冒頭からの前科についてですが、まあちょっと映画では大げさに表現しているように見えますが、通常、罰金刑ぐらいでは常識的に前科と言わないのでは、、。そこが少々違和感が残りました。まあ、前科というのは法律的に存在するものでもないらしいですが、、。

でも、蒼井優はいいですね。彼女の清廉さはこの映画のすべてだと思います。

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