冒頭から映像がどんよりして、荒く、この作品のテーマを鋭く表現する。そこにジェレミー・レナー が現れ、家畜を守るためハンターとしての銃声を放つ一撃。このシーンが、この映画の本質を表わしているかのように、、。
やり切れない映画である。でも目を背けてはいけないアメリカの現実でもあるのだ。映画は、そのアンタッチャブルの世界をこれでもか、これでもかと、ぐいぐい迫り来る展開である。力強い。その思いは全編映像に伝わっている。
ジェレミー・レナーがいい。彼の寡黙が実はラストに明らかにされる驚愕のリアルとなり、胸を打つのだが、納得させられる演技に感動する。
先住民が追いやられた保留地という環境は、彼らが人工的に守られる冒頭の家畜と同様と思われ、それを強いたアメリカの歴史的事実に唖然となる。いまだ、現代アメリカにこういう歴史的な問題が潜んでいたとは、、。
映画的タッチも骨太で、この題材を鋭く、堂々と大きく見せてくれた。秀作である。
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