携帯の電波も届かないタイのド田舎の水上学校。新任の教師は前任者の日記を見つけ、いろいろ悩みを解決していく。しかし、それを読んでいるうちに
本当に恋に陥ってしまうというこれぞ純愛の粋を行く物語です。
最近、こういう素朴な純愛ものを見てないんですね。昔はそれこそ韓流を見ればほとんどこういったものが見られましたが、めっきり少なくなりました。でもこの作品はそんな韓流をはるかにしのぐ今現代人が忘れている何かを思い起こさせる作品でした。
文字で書かれている日記が二人(最初は男の方だけだが)の恋の純度を高めていくといった設定が素晴らしい。文字を読むということ、文字を書くということは自分自身そして相手を知るうえでこの上ない手段です。現代人が今忘れてしまっているものですね。このことがこの映画の基本にあることがまずうれしい。
そして大自然、子供たちと接するとき、人間は本来の自分の生き方に戻ることができる。この二人の彼女、彼氏は本当はそれほど悪い人たちではなく、現代という暗闇に棲んでいるまさしく私たちを暗喩しています。実に普通の人々たちです。
人間、素に戻りたいですね。でも最新の文明を身に着けた現代人にはそれはなかなか難問であります。
この作品のラスト、観客の、そして映画スタッフの思いがこれほど煮詰まり、昇華したシーンも珍しい。感動を超えています。2時間、すっとこのシーンを待ち焦がれていた僕たち、、。その映画的高揚。
こういう映画は日本、韓国、ましてや英米ではもはや作れないと思います。稀有な秀作を見させていただきました。ほんと、こういう映画を見たかったんだなあ、、。
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