ダルドリーは大好きな監督だ。「めぐりあう時間たち」「愛を読む人」の秀作群は今でも僕の心をときめかせる。でも、、
ハリウッド的な作品を作らないのがダルドリーのいいところなのに、今回は悪の権現たる権力を用いる人たちへの描写が甘い。ブラジルの裏社会がほとんど描かれず、子供3人を追いかけていつも逃げられるあのひどさはもうフランス風コメディの領域だ。
あの執拗な悪徳刑事も結構よかったのに、最後子供たちにあれかよ、とずっこける。また、あの暗号解読も思わせぶりだが、実際はそれほどとも思わない。最後に突如少女が出現し、あんな所に何日もいたのか、嘘だろうと少々興ざめします。
それでも映像的なビデオ撮影部分をうまく処理したり、ダルドリー、さすがと思わせるところは多い。
しかし、僕の感想としては、あんな裏帳簿ひとつのために(それも市の有力者の賄賂情報だが)観客が2時間映像を見続けさせられることの意味は何なのか、と考えてしまう。子供映画となると少々甘くなるのは彼の性癖か。それともそもそも僕の買い被りなのかなあ、、。
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