予告編を見て絶対見ようと思った映画。でもなあ、いいんだけど見終わった後は何か普通の映画。殻を破った映画とは言えない気がする。何かなあ、、。
確かにサクラは抜けている女優である。まさに天職だよね。一挙画面を独り占めにするその存在感はすごい。(敢えて言うとDOCOMOのお父さんとのあのキャッチボールCMは、サクラがものすごくいいのに、岩松了もそれにも増してすこぶるいい。いつも最後まで見てしまうその凝集力。サクラが相手を食わないなんてこれは珍しい)
何故不満かというと新しさがないからなんであります。この話の展開は、もう嫌というほど見てきたあるダメ人間の再生物語である。古くは「レイジングブル」もこのパターン。
確かに100円ショップでの現代の描写はなかなかのものだが、負け組と認識される人たちの描写で、最後に突き抜けるものがないんです。根岸季衣が押し込み強盗を図るぐらいではコメディにはなっても現実の打破にはならん、と言いたいのです。
でもサクラの映画に対する姿勢はやはりスゴイ。我々、市井の人間が共感できる何かを持っている。まだまだこれからもイケル俳優である。
100円ショップに登場する負け組とみなされる人たちも十分おいしい演技を見せてくれる。安心感もある。
あと、 この手の映画では常連の新井浩文が思ったよりかなりいい。短髪にしてキレが戻ったような変身(?)ぶりである。これほど多作なのにいつもどこか新鮮さを感じさせる達者な俳優だ。
全体的にはやはり演出かなあ。ボクシングシーンを除いてサクラの演技に頼ってる。そう感じる。面白かったけど。
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