若い人たちの旗揚げ公演である。時間は50分ほど。中編である。とある喫茶店に昔の仲間が集まる。呼んだのは喫茶店のオーナーである女性。集まってきた人はその女性を良く知っているらしい。何となくその女性の娘とみんなが友人だったということが分かってくる、、。
もう一人スドウという男性が来るはずなのになかなか現れない、など、うまい設定ではある。俳優が少ないので多少奥行きが広がった感がする。
でも思ったほど . . . 本文を読む
最近警察庁内部そのものをターゲットした小説が流行っているような気がしてならない。確かに、庶民の預かり知らないことが多い警察小説は面白いが、それだからこそ書きぶりには細心の注意が求められるはずだ。
警察小説は特に、人間を深く描写できていないといけないと思うのである。この短編3つはそういう意味ではいかにも軽いような気がしてならない。造っているという気がするのである。警察関係の特殊話そのものはとても面 . . . 本文を読む
僕もいまだ本格モノが好きである。倒叙ものはなぜか好きになれない。やはり最後みんな一堂に集まって思いがけない犯人を告げるその醍醐味が好きだ。
けれど今や、もはやそんな本格モノは消滅したという。ほんとなのか。そして今やまだまともに書かれていないのは「読者が犯人」ものだけであるという。
誰がそんなことを決めつけたの?と僕は言いたい。そしてはっきり言おう。本作もやはりこの「読者が犯人」からすれば完全で . . . 本文を読む
マイムを伴った心理劇、そして時折素敵なダンスも披露される。舞台はスクエアになっていて空間的に素晴らしい造形。そこにどういうわけか入ってしまい出られない4人の男女。彼らの苦闘が始まる、、。
とにかくセンスがいいんだよね。こういうのは東京の小劇場では結構やってるけど、関西では見たことがない。いいよねえ。素晴らしい。
ストーリーはないかと思っていたが、ちゃんと解答編まで用意してあって、そこがちょっと . . . 本文を読む
警視庁付属犯罪資料館というミステリー愛好家からすれば絶好の舞台設定。オタクっぽいキャリアの女館長と左遷された熱腕刑事。それだけでもうよだれが出そうなぐらいワクワクします。
5篇の短編集だが、それぞれ綿密ですこぶる面白い。考えられないほどのミステリー展開。現代でもこういう小説が書けるんですな。まだまだ本格ミステリーは底が深いです。
5編全部秀逸だが、2つ目の「復讐日記」が特に素晴らしい。感心する . . . 本文を読む
このマット・デイモンのポスター。何か不安げに永遠を見るようなまなざしが気になる。秀逸なショットである。即映画館入り。
2時間半の長尺だけど、困難な時でもそれに立ち向かう勇気と知恵を淡々と映像は説いてくれる。もはや、映画にする題材はそろそろ枯渇し始めているのではと思い始めている吾輩であるが、こういう宇宙物はさすがアメリカ映画にしか出来えない範疇であり、期待に沿った出来栄えである。
この映画で好き . . . 本文を読む
観念的、難解な詩劇であります。女と二人の男。75分の間、彼らはそれぞれ言葉をつぶやく。それは途切れることはない。無尽蔵な言葉の洪水。観客は連想詩のような3人による言葉の攻撃を受け続ける。
舞台には何やら書きなぶったペーパーが散乱している。それを拾い、つぶやく女と男たち。詩である。でも何となくポエムといった感じはしない。むしろはるかかなた、万葉調で詠われる言葉を詩情を通して彼ら3人の語り部として表 . . . 本文を読む
映画的にはそう盛り上がりもせず、てらったところのあるわけでないストーリーが実にいいが、、。
でも悪い人があまり出て来なく、ある意味映画としては珍しい。そして実にみんな人に優しいのだ。
冒頭とラストも墓場のシンメトリーでしかし妙に計算され過ぎている。
ホンワカいい話なのに僕にとってはなんだか不自然で、何故か不協和音が鳴り響く。妙に作り過ぎているのではないかなんて、実に卑しい僕の性格がこの映画を . . . 本文を読む
登場人物が多すぎて、連携の殺人事件なのにそれらしくなく、なかなか魅力的なカップル刑事が主人公だと思ったらそうでもなく、そこそこの捜査本部のらしきはそこそこ狙っているがそれほどでもなく、要するにミステリーとして読むと僕的には全然ダメな作品でした。
結構書ける作家なのでやはり純文学で掘り下げればいいのではないでしょうか。だいたいこの小説を一応ミステリーの括りにするところが何とも言えん微妙なところです . . . 本文を読む