僕もいまだ本格モノが好きである。倒叙ものはなぜか好きになれない。やはり最後みんな一堂に集まって思いがけない犯人を告げるその醍醐味が好きだ。
けれど今や、もはやそんな本格モノは消滅したという。ほんとなのか。そして今やまだまともに書かれていないのは「読者が犯人」ものだけであるという。
誰がそんなことを決めつけたの?と僕は言いたい。そしてはっきり言おう。本作もやはりこの「読者が犯人」からすれば完全ではない。面白いけれどなんだか肩透かしを食ったような感じでもある。
本格でも大山誠一郎などはまさに汗をかきかき、日夜ミステリーに格闘しているではないか。本格はまだ健在なりき。僕はそう信じる。
でも深水のミステリー好きだから生じたこの快作も捨てきれぬ何かがあります。その熱意に拍手!!
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