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この映画、最後まで一気に突っ走る。頭で考えさせてくれません。行動あるのみ。これは映画の原点ですね。面白いものとは何か。すべてこの映画に詰まっている。この年になっても随分映画的に高揚させてくれた映画です。
カネとクスリと警察。この中で市井の人間に必要なものは本当はカネだけなんだけど、生活の助けのためにクスリに手を出した家族が辿り着いたところは警察だった。
それも悪徳警官だらけの闇だったから、人を売り、金を捧げなければならなくなる。それは連鎖を生み、まるで宗教上の輪廻のようだ。
これが単純で実に分かり易いのだ。「地獄の沙汰も金次第」なんて言いますが、この地獄が現代のフィリッピン警察なんでしょうな。映画のほとんどが警察シーンで、それはまさに現代の地獄でした。
映画って、頭で考えずに、ずんずんこのドキュメンタリーっぽい映像にめり込んで、楽しむ。こんな見方って、ホント、久しぶりに感じました。映画に出てくる出演者は、見事誰一人頭で考えることなんかしない。
あるのは行動のみ。やはりカネはこの世でもあの世でも切って捨てることはできないのだ。(三途の川を渡るのに六文銭が必要だもんね)
さて、人を裏切り、金も無一文になったこの家族。でも、愛情だけはたっぷりあります。あの取調室の中の夫婦の愛の強さと、家族が金のために起こす行動にはただただ熱いまなざしを送りました。この愛情の資本があれば、いつでもまたやり直せます。
とにかく爽快な一気映画。今年のベスト3には絶対入ります。
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