如月のホン、大塚の演出そして演ずるは現役高校生。となれば、言わずとも期待させられる。
女子高生の入寮風景からこの劇は始まる。どこにで見られるような女子高生たちである。他愛ない話が続き、これは女性でないと書けない種類のホンだなということが分かる。
正直男の僕は聞いたことのない会話の連続でありました。ふむふむ、そうなんだと分かったようなことも言えない。分かっていそうで所詮男には分からない話なんだろうなあと思う。30年程前とはいえ、携帯がない時代とはいえ、女子高生のガラスの心はそうそう変わらないのであるまいか。
だから現代でも女子高生はこんな心情をたいがい有していると考え、見続ける。
劇が急展開し、ボーイフレンドとの交際で、会っていて楽しくない理由を正直に打ち明けた相手の男性が自殺する。それから波紋が広がる。5人の女子高生たちはみんな自分の問題として真剣にこの事件を考える。すなわち自分の人生を考えるのだ。
そして取った行動は、、。
ラストがあまりにも意外だったので、衝撃が観客に走る。そしてジエンド。恐い劇ではあるが、だからこそ現代の高校生にも真剣に目の前の人生という道を考えるひと時となる。
劇としては素晴らしいと思います。けれども、この劇場は2~300人ほど収容できる結構大きな劇場である。客席が2面配置なので、俳優が向こうの方を向いて話すとほとんど声が聞き取れない。高校生だからか、発声もちゃんと腹から声を出していないので余計聞き取れない。(高校生劇団といっても普通の劇団と同様に評価しています)
小劇場ではそれほど気にならない演劇の基礎部分も、こういう広い劇場では逆に牙を向くことになる。惜しいけど、こればっかりは仕方がないのかな。既成の劇団でも発声にもの足りないものを感じることは多いことは事実なんだから。
それにしても、白い大きな布を全員が持ち上げたり、風を起こしたり、折りたたんだり、すこぶる効果的な演出であった。印象的でした。
⚫Cucumber+三鷹市芸術文化センター『きゅうりの花』
⚫みつめ『キカイ』
⚫Litmus『タイムカプセル(仮)』
⚫GMP『罪色の花』
⚫ミサ・ミュージカル・スタジオ『真夏のミラクルガールズ〜クレージードッグよ、愛の歌を叫べ〜』
⚫演劇集団よろずや『紙屋町さくらホテル』
⚫真紅組『Bar あの夜 Special Edition』
⚫劇団ひととせ『わが町』
⚫evkk『売り言葉』
⚫壱劇屋『憫笑姫 -Binshouki-』
⚫演劇ユニット なりそこないプリンセス『オンナノコ』
⚫FortuneDoll、HINATA、KAN、中村莉緒、りん、Kaho、LoveSoSweet、劇団SOLA『フリーライブ』
⚫少年王者舘『シアンガーデン』
⚫STAR☆JACKS『じんない』
⚫佛教大学劇団紫『うさぎちゃん病』