鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

桃とさくらんぼとバナナ

2011-11-04 | エッセイ

桃は、丸くてかわいらしく、豊満な体をしており、水気もたっぷりあって、実に色っぽい。

桃の皮は薄い。爪で簡単にはがすことが出来る。

薄着の娘が簡単に脱ぐようなものだ。

身を護ろうという気があまりないようだ。

果物屋では、クッションでくるんで保護している。

このような待遇を受けるのは、桃のほかには高級果物の代表であるメロンとマンゴーくらいのものである。

桃は、過保護娘で、身持ちは悪いが、むちむちしたみずみずしい体で色っぽく、男心をそそるところがある。

 

さくらんぼは、小さくてめちゃくちゃかわいい。

思わず、食べてしまいたいほどかわいい(食べるけどね)

桃のような色気はないが、上品で清楚なお嬢さんといった感じがある。

棒の先にペアでぶら下がっているところもかわいらしい。

神様が、ていねいにデザインを考えて作ったようだ。

世間に出てくるのが年に1回というのも、深窓の令嬢のようで気になる存在である。

皮をむかずにすむように、皮ごと食べられるよう気を使っているところも好もしい。

それに、種飛ばしという楽しい遊びも出来る。

 

一方バナナはどうか。

容姿は、桃やさくらんぼよりも劣る。

果物というのは普通丸いもので、それが果物のかわいらしさ、愛らしさとなっている。

ところが、バナナは棒状である。

棒状の果物って、他にあるだろうか。

皮は厚くて、身を護ろうという気はあるようだ。

しかし、脱ぐときは桃に負けず大胆である。バナナの皮はつるりと簡単にむける。

その肌は、桃のようなみずみずしさはないが、クリーミーでねっとりとしている。

人間が食べやすいように種は退化しており、おいしくて栄養もあり値段も安い。

いじらしいまでに、人間に気に入られようとしている。

 

桃子ちゃんとさくらちゃんとナナちゃん、それぞれの魅力があって、私としてはどちらともお付き合いをしたい。

コメント (10)
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