「エグゼンプション」の対象は「相応の熟練と高い収入を満たす労働者」です。
簡単に言えば、成果が達成されれば労働時間の裁量は本人が決めることができます。
しかし、仕事に時間を要して残業しても、
休日勤務しても残業手当が出ないようです。
先日、日本社会への「エグゼンプション」制度の導入に賛成する内容の書籍を読みました。
『いっしょうけんめい「働かない」社会を作る』
感想ですが、筆者はいわゆる企業での勝ち組。
エリート、勝ち組の視点からの「エグゼンプション」の推進提案のように思われます。
例えば、「定期昇級」。
筆者は勤続しているだけで給与が増えて行く定期昇級に疑問を投げかけています。
特に、仕事ができないのに勤続年齢が増すことで給与が増し、
自動的に昇級。
仕事の処理能力に劣り、残業。
残業することで残業手当がつくことも問題にしています。
「定期昇級」の反対は「同一労働同一賃金」。
私は日本においての「定期昇級制度」に賛成です。
その理由は2点。
1つはライフスタイルです。
結婚して、子どもを産み育てるなどの出費は定期昇級の上昇カーブと同様に教育関連出費が増えていくからです。
教育に限っても大学までの授業料は全てタダとか、大学生になるまで「学習塾」というようなものが存在しなくて良いというような制度変更が必要になると考えられます。
2つ目として年功序列型定期昇級、ボーナス、そして退職金は本来は「同一賃金」としてもらうものとするならば、
それを後から受け取るというシステムがすでに出来上がっているからです。
継続性の原則から言っても、突然の制度変更は認められません。
新規採用を考えてみます。
アメリカ式の場合に
例えば、国分寺駅の丸井店の4階紳士売り場で販売員募集の場合。
彼、(彼女)は転勤することはありません。
また、出世することもありません。
また、丸井の事務員に転籍することもないのです。
国分寺丸井店の店長になりたい場合はその一般的なポストの募集に応募することになります。
対して、日本の場合は一括採用。
全員が「幹部候補」。
全国規模での転勤や業務変更(紳士服売り場から家庭雑貨売り場への変更など)もあるのです。
総合職、一般職という採用はありますが・・。
筆者は出世がないとわかっていた方が残業しない。
子育てにかける時間も増すのではないかと書かれています。
私見として、「出世」というキーワードをとっても一人当たりの作業量、仕事量が多ければ残業せざるをえないのが現実だと思います。
最後に一つだけ賛成だったのは「デュアルシステム」という在学中の職業体験です。
2週間ずつ、複数社経験することは職場における採用者と勤務する大学生の相互理解になり良いことだと思います。
学卒後の3年以内の離職率を減らすために
「教育のための受け入れ」のインターンシップから
「採用できる」デュアルシステムへの転換の必要性を感じます。
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