うみねこ3rd最大の謎:「犯罪の証拠はない」

2008-10-21 01:54:33 | ゲームよろず
非常に興味深い要素の多いうみねこ第三話だが、中でも気になるのが裏TIPSに出てくる表題のような話である。もう少し詳しく引用しよう。

************************************************
検察は何度か捜査を試み、(中略)この“不幸な事故”が犯罪であることを立証できるだけの証拠は、ついに見つけることができなかった。
************************************************

そもそもあのような閉鎖空間で一人だけ生還すれば怪しまれるのは当然としても、明らかに奇妙なのは、「犯罪であることを立証できるだけの証拠」が見つからなかったことである。楼座と朱志香はまだしも、本編中の描写を見る限り各々が他殺体であることは明々白々たる事実であり、これで犯罪とわからないのなら検察など必要ない。穿った見方をすれば、あくまで「絵羽の」犯罪だと立証できなかったということでは?という解釈も不可能ではないが、「19人以上はいない」の赤字宣言を知るはずも無い検察の人間たちにとって、絵羽以外の存在、例えば六軒島に潜んでいた魔術を好む異常者(たち?)が17人を次々と殺害していった(そして絵羽はなぜか助かった)、というような可能性も考えうるから、犯罪であることを立証できるだけの証拠がない、というのは純粋に「他殺だという証拠が見つからなかった」と解釈するべきだろう。とするならやはり、本編中の描写からして奇妙な話だと言わざるをえないのだ。


ここから考えられることは二つである。

1.裏TIPSでも言われているように、検察が買収された。
2.そもそも本編の描写が現実を反映してない

正直な話、推理としては2の方がおもしろそうだし、また裏TIPSで既に示された見解でもあるため、薄っぺらな誰でも思いつくものであるという印象を受けるのも確かだ。ゆえに、2の方向性で考える人がすでに数多くいるであろうし、またこれからも続々と出てくることは予測できるが、それゆえにこそ1の可能性を真剣に考える必要性を指摘しておいた方がよいと思う。その理由は二つ。

1.雛身沢大災害とのアナロジー
2.第一話の真里亞の死体

1について。
“不幸な事故”とその生存者、そしてその狂人扱い…これらは明らかに雛身沢大災害を連想させるものとして意図的に組み込まれているが(第三話という位置づけも含めて)、ここから「実際には殺人が行われていて、それが事故だと偽装されている」というメタファーの可能性を疑わざるをえない。もちろん、そこではガス殺人という事故に見えやすい形がとられており、他殺であることを誇示しているうみねこの死体と同一視するのは危険だが、ひぐらしにおいて国家権力が関与していたことも考慮するなら、うみねこにおいて自衛隊の役割を検察が担っており、彼らがその死体を偽装した(あるいは事実を歪曲した)可能性は否定できない。

2について。
上記の読みは、ひぐらしを知らなければ思いつかない、という点でいささか反則的なのも確かで、それだけでは説得力に乏しい。しかしながら、うみねこ第一話で真里亞の顎の一部が発見されていることなどからすれば、“不幸な事故”と言うにはいささか胡散臭すぎないだろうか?矛盾しないものを考えれば、爆発による殺害というところか。2、3箇所くらいで死体をまとめて爆破し、死因をうやむやにするとか。これなら顎の一部が発見という状況と“不幸な事故”は両立しうるように思える(第十の晩の死に様はそれを連想させるが…)。もっとも、絵羽が真相を暴いたことにより「ルール」が変更されたのではないか、といったことも考えられるし、また“不幸な事故”は絵羽による恣意的な状況説明に拠ったものに過ぎない、という見方もできるがはてさて…


と色々考えてみたが、まとまった見解になるにはまだまだ時間がかかりそうだ。先ほどの「そもそも本編の描写が現実を反映してない」という見解とワルギリウス言うところの「解釈の問題」などを絡めつつ、少しづつ推理を進めていきたい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ソルトピットは遠かった。 | トップ | 閉塞感は… »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ゲームよろず」カテゴリの最新記事