アユタヤツアー:雨により作られた、船内の異世界

2017-06-04 12:30:09 | タイ旅行

きれいな雨、雨、雨。やがては変わる。時代を流して。誰かを深く、愛したい。Oh,Boy、どうしてこんな世界へ・・・

 

ビュッフェを一通り堪能した後も、外の雨が止むことはなかった。南国の常ではあるが船内はエアコンがしっかりと効いており、満腹と退屈、そして冷涼さによる生体活動の停滞で人は次々と眠りに落ちていく。そこに響くのはパッセンジャーの虚しさを少しでも和らげんとする船長の観光・労いのアナウンス。しかしそれすらも、子守歌のように人を眠りへと誘い、この船はさしずめ巨大なゆりかごのようになっていた。

 

 

 

さっき十分に睡眠をとった私は、むしろ栄養源を確保して快活に今回のアユタヤツアーの記録をメモに取り始めていたが、おそらく三十代半ばくらいと思しき夫婦が、予定していた楽しみが台無しになった時に見られるあの何とも気まずそうな雰囲気の中で眠るという選択をするしかない様を見て、少しいたたまれなくなった。

 

特に一人でいる時は、何らかの事情でことが先に進まない場合にも、スケジュールに追われる生活の中でまとめることのままならなかった様々な思考の断片をまとめる時間が取れる、というメリットになりえる。何よりそうして自分の精神的時計がゆっくり流れることが変性意識へとつながり、普段見落としていた景色の様々なディテールが意味あるものとして現前してくるのがとてもおもしろく感じられる。しかし誰かと行動を共にしていた場合はそれぞれでスケジュールを合わせていることもあって、なかなか自前のクロックを状況に合わせて変えてしまうのが難しい部分もある。

 

ま、それこそが俺が単身旅行を強く好む理由だけどね。人に気を使うからじゃない?と言われたことがあるけど、それよりも変性意識になるのに他人が足かせになると感じるからってのが正確だなや。逆に変性意識状態をもっと容易に作り出してくれる人であるなら、その人とは積極的に旅行したいと思うのだが。

 

などと不遜なことを思いながら、メモを書き進めるムッカーであった。


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