時代も考えず、「戦争はイヤだ」とか「平和が一番」などと作中で言わせるジャンクが今もなお生産され続けている。「この世界の片隅に」という世紀の傑作が心を打つ理由も、それが広まった要因も理解できぬというのなら、もう黙っていた方が恥をかかなくていいんじゃないかね?
冷戦構造が機能し、その「空気」(=これはこれで戦中のファシズムと構造は変わらないと思うが)で社会が動いていた時は、そうただ言っていれば安パイだっただろう。しかし、色々な考え方が出てきている中で、ただ上辺だけの、あるいは押し付けがましいセリフをかまして、一体どういう人たちの心に響かせようというのか?あるいは結局、そういう発言が飛べば喜ぶ人たちに対するマーケティングを上手くやっているつもりなのか?と呆れかえる他ない(→というわけで「ヒトラー最期の12日間」や「帰ってきたヒトラー」が重要なのだか。そしてもちろん、「凡庸なる悪」について言及したハンナ=アレントもだ)。
まあとはいえ、「まどか☆マギガ」という傑作が「英雄」という存在がマッチポンプの中に組み込まれて搾取される構造を描き出したのに、いまだ平気でヒーローモノが描かれ続けている現実を見ると、製作側の意識が低すぎるのと、受け手を舐めすぎている現実(自分の理想をただ叫ぶだけか、あるいはマーケティングで賢しらにウケを狙うだけ)があるのだろうなあ、と改めて思ったりする今日この頃である。
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