「デートに際し、男は女に奢るべき」という認識について:あるいは上昇婚志向や非婚が増える必然性

2023-02-17 11:35:35 | 感想など

 

 

何やよー知らんが、深田えいみが「女はデートに準備もお金もかかているので、デート代を男は奢るべきだ」とかツイートして炎上したらしい。てなわけで冒頭のような謝罪動画が上がってるわけだが、時折ネタを挟みながら話している感じからしても、まあ納得はしてないんだろうって感じがよくわかる(まあ本人にしたら、すぐ消したのにここまで言われるのは・・・て感情もあるんやろかね)。

 

今回は、この発言とこれに対する様々な反応が、最近扱った「男尊女卑的傾向と非婚の相関」で見た問題の本質を結構表してんなーと思ったんで、急遽予定を変更して取り上げてみたい。

 

まず、女性の側がデートに際して時間や費用がかかっている、という主張について。以前、『人は見た目が100%』という漫画を取り上げたこともあるし、また化粧動画なんかを見るとどれだけ女性が「変身」に時間・労力・金銭を費やしているかは当事者でなくても理解はできるので、「これだけ手間をかけたんだからそんぐらいやってくれや」と言いたくなる心情も、まあ理解はできる(特に深田えいみの来歴を知っていると、それこそ血道をあげてここまでの美貌を作り上げた人なんで、まあそらそうやろなて感じはしますよと)。

 

ただ、じゃあ何でそれがやたら反発を生んだり突っ込まれるのかって話なんだけど、例えばこれに対し、「今日俺車出してるんで、ガソリン代払って」と男側が要求するのは当然のことだ、と思うだろうか?そう思わないのだとすれば、なぜ化粧の時間や準備には金銭的対価を要求できて、ガソリン代やらにはその正当性がないと言えるのだろうか?て話である(他人に自信もって説明できます?)。

 

まあ結論「自分の都合だけ主張しててまるで他者性が無いっすねー。だからイラついてみんな攻撃してくるんすよ(・∀・)」でぶっちゃけ話は終了なんだけど、ここで面倒というか重要なのは、じゃあそういう主張をお互いにガンガン出し合って、合意形成すればいいんじゃね?て風にもいかねーって事だと思う。

 

わかりやすくするために、こんな極端な例を出してみよう。「今の自分になるにあたり、私は小・中・高と部活に長い時間をかけて身体を作り上げ、また塾にも費用を投下して大学に合格し、高い大学費用を払いつつ就活して今の会社に入った。で、君は今の君になるためにどれだけの時間と費用をかけたのか教えてもらっていい?」とか言ってる人を想像してみましょうか(遊戯王か何かかな?www)。

 

はい、男女問わず完全に「面倒臭い人」ですな。いやーこんなのと結婚はもちろん付き合おうものなら、どんなモラハラされるかわからんわと思って近づきたくなくなるんじゃないかしらねえ( ̄▽ ̄;)わかりにくいなら、これを別の場面に置き換えると、「俺の方が稼いでいるのに何を言ってやがる」とか、「誰に食わせてもらってると思ってるんだ」とか、まあそういう発言をする未来が見えますなあ・・・て話(その最終兵器バージョンが、別れる時に「お前に今までかかった費用を全部返せ」と要求する行為なんやけどもw)。

 

こういう主張をする人間は地雷臭(ここは「貧しい人間性」という意味で「ゲロ以下の臭い」と言いたい)がぷんぷんしますねえ、と書いたところで質問。今のような発言と、「女の方がデートの準備に時間もお金もかかっているんだから、奢ってしかるべきだ」と自分から主張するのはそれと何が違うのかね?

 

てなわけで、改めてさっき言ったような話に戻ると、「相手に自分のかけた時間やお金を対価として要求してよい妥当なライン」てどこなんすかね??もしくは、それを要求する行為がどう見えるかって客体化して考えたことあります?てことになるわけやね(これも前に書いたメタ認知能力ってやつですな。ちなみにそういう他の角度から見た発想に到らないなら、なぜそういうバイアスがかかってしまっているのか=そういう認識を形成しているものは何か、と自問自答してみた方がいい)。

 

実際のところ、そういう行為は「様々な関係性の中でお互いの了解があって成立するもの」であり、一般的な話題として自明のように持ち出すにはあまりにもセンシティブな題材だったってことやね(まあここまで叩かれる話でもないってことなんだけど、contraversialというか、何か目の敵みたいにされてる部分はあるなあと)。

 

で、もうちょっとだけ続くんじゃ( ̄▽ ̄;)
動画の中で出てくる、「格好つけたい(から奢る)」てのも重要なポイントやなと。これはいくつかに問題が分解できるんだけど、

1:一体いつまでオメーはお姫様気分なんだ(だから一人前として扱われんのやks)

2:「男女平等を標榜して対等に扱え」と言っておきながら、都合のいい時だけ相手にserveしてもらおうとすんなや

3:心情として「好意を持っている相手には、格好つけたところを見せたい」という人間はそれなりにいる

4:しかし、そういう金銭的余裕・精神的余裕がある人は社会が逼迫する中でどんどん減ってる

まあこんな感じっすかね。

 

これが前に書いた「男女平等と男尊女卑的価値観の混在が、少子化の加速を招く」って話で、つまり女性の社会進出と上昇婚志向の組み合わせはデスロードだってことなんよ。女性の社会進出が以前より進んで自分で稼ぐ術はあるbutお姫様気分は抜けない→より上の男性を求める(年収500万は欲しいンゴ)→そんな男性の割合は少ないし、いてもすぐに売り切れる→女性余リングという次第である(・∀・)まあだからと言って、条件に合う少ないパイで残っている男性に地雷臭を感じながらも焦って結婚に踏み切ると、あら予想通り、上昇どころか自分の生活が破壊されましたわーてことになる訳だが( 。∀ ゜)

 

でもって、さっき「様々な関係性の中でお互いの了解があって成立するもの」と言ったように、この話って「誰もが納得する最終解」はないんよね(だからこそ、相手との対話も含めた永遠の微調整なわけで、デジタルに割り切れるもんじゃあないっス)。そこに加えて、人の価値観も多様化してるんで(共通前提がかなりの程度消失してるんで)、もう日本人大スキーな不文律とか暗黙知じゃあ無理なんですわ。阿吽の呼吸?以心伝心??何それ美味いの???

 

今や「同じであるという共同幻想」があるだけで、中身は結構バラバラなんでね。だから本当は、その他者とどう擦り合わせしていくのかってスキルを身に着けていかにゃいかんのだけど、そうじゃなくて「空気読み」という形で表面的に同じように見せかけるスキルだけ磨かれていくんで、そりゃー永遠の微調整をしながら深い関係性を作るなんてメンド・・・と思ってやめる人が続出します罠。

 

てなことを踏まえると、コスパ志向でノイズ排除(ネタバレOK・先見せ上等)を求める人たちにとっては、「恋愛なんて先の見えないコスパの悪いことやってられっかよ」てなるのは必定だと思いません?自分VRやbotでよろしくやってるんで、産みたい女性が人工授精でも何でもやって勝手に子どもこさえてくださいな(お姫様扱いされたい女性と複数・多数の女性を養えるリッチマンの組み合わせ=一夫多妻制も可)。仕事と納税くらいはするんで後はヨロ。それが許せんってーなら独身税を導入でもしてみろや( 。∀ ゜)アヒャ

 

なーんてね。それを目指しても、ソロの割合がこれからどんどん増えていくのは確定だから、票田という意味でも難しいだろうし、仮に導入しても、偽装結婚やら結婚しても産みはしないやらで、結局「出生率1.8にすら到達せず反発も強いので廃止になりまちた」て結末になりそうですなあ(ついでに言っておけば、虐待やらの話からもわかるように、子どもを産みさえすればOKという事でも全くない)。

 

だから、これからさらに経済的逼迫と共同体崩壊が進んで、よりいっそう経済的余裕も精神的余裕も失った日本人の中には、氾濫するオルタナティブに耽溺する人が増え、ゆえに非婚傾向は加速し、そして少子化も止まらないって予測になる訳やな(ちなみに恋愛する人間がいなくなるわけでもないし、結婚・出産する人間がいなくなる訳でもない。あくまで傾向や割合の話である)。

 

まあこの流れの中でミソジニーやミサンドリー、あるいはインセルなどを取り上げることもできるが、さすがに紙幅がないので、お姫様扱いを求め、「承認欲求」という地獄の業火で焼かれ続ける「Needy girl overdose」の動画を引用して終わりたいと思う。

 

 

 


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