人間、この劇的なるもの

2017-01-14 12:18:43 | 生活

 

 

うーん、色々勉強になるなあ・・・「リベラル」とか「人権派」と目されるものが絶対的に正しいわけじゃないし、逆もまた然りなのは当然のことである。あるいは先の大戦で言うと、戦勝国が完全な正義でもなければ、敗戦国が完全に間違っていたわけでもない(だから、「当時の日本=完全悪」という図式でものを考えてもただの思考停止にしかならず、そこにバックラッシュが生じるのは至極当然のことなのである。とはいえ、国際連合がいまだに日本を敵性国家と位置付けていることからも明らかなように、戦後の世界は連合国=正義、敗戦国=悪という物語で動いていることは再確認しておく必要があるだろう)。要は、そういった無謬性を求める思考や二項対立的思考に安住しようとすることが頽落なのである。しかし、日常の中で様々な情報に触れていると、ついそういう感覚とチェックアンドバランスの重要性を忘れてしまいがちになってしまうのう・・・とはいえ、あらゆる情報を完全に把握している状態などありえない以上、常に吟味・調整の試行錯誤というサイクルを止めないことによってしか偏った状態を回避できないのだから、(意識的・無意識的に)偏りたくなる心情もよく理解できるってもんだな。

 

 

 

 

前の人工知能に関する放送に比べると、パラダイムシフトって感じはないわな。まあ直近の世界の在り様の変化について述べているので、当然と言えば当然か。要するに人は「正しさ」を求めているわけでは必ずしもない、ってことや「正しさ」をユニバーサルに設定することがそもそも難しくなっている、という問題を精神分析などのアプローチを用いながら今一度繰り返している感じ(こういう書き方をしているのは、リオタールの「ポストモダン」に言及するまでもなくそれは今日当たり前の話であり、そもそも人間存在自体が、タナトスなどからして「正しさ」だけで説明しきれないことは「言い古された」と表現して差し支えないレベルの話だからで、フーコーで言えば「規律訓練型」から「生ー権力」型への移行もそのような認識に基づいている云々・・・とゆう事実が必ずしも共有されてないから、手を変え品を変え説明しているのであろうが)。宮台真司は「人を見て法を説け」という人だが、特に今回はある層に向けて発信している感が強くあった。要するに、ブレグジットやトランプ勝利などを受けて「反知性」だ「反真実」だと騒いでだけいてもダメで、本当にそこに掉さそうという気があるなら、それが生まれる背景を理解して(上から目線な言い方だが)手当てを考えねばならない。加えて、一昔前にはユニバーサルに通じると思われていた言葉(そこで具体例としてロールズが出てくるわけだが)を無反省に連呼していれば正義が担保できる(+他の人にも通じる)というナイーブさをいい加減捨て去るべきだ・・・とこう訴えかけているわけである。特に2016年の動きに危機感を覚えた人や、あるいは絶望しかけている人に対してね(それは主に「リベラル」と一般的には目されるような人たちだろう)。まあとても雑な言い方をあえてすれば、ユニバーサルでグローバルな人・社会の在り様をナイーブに信じる人がいると、その反動でますますトランプ現象的なるものが加速していくから、今のうちに前者に歯止め(私の場合、それは「『共感』の問題点」といった記事になる)をかけておくという狙いもあるのではないか(ちなみに宮台は、ビデオニュースやデイキャッチなどで、「グローバル化をどんどん促進すれば世界は幸せになっていく、というナイーブな思い込みに対する一種の気付け薬のような役割を果たしうるという点で、今回のトランプ当選を支持する」という趣旨の発言をしている。一見負け惜しみのようにも見えるかもしれないが、速すぎるグローバル化は悪であるという発言はスティグリッツなどもしており、それに連なる見解と言えよう)。

 

まあ私個人としては、前から「人権は擬制である」とか、「人を殺してはいけない理由はない」(それを認めると不都合な状況となるため社会はそれを回避しようとするだけのこと)と書き続けてきたし、はっきり言って啓蒙に興味がない(基本的に、勝手に生きて勝手に死ねと思っている)ので逆に冷めた目線で淡々と見ていた。しかしながら、この動画のテーマは昨年の10/10にウエッキー一家に誘われて参加したバーベキューと、そこから繋がるイミテーションゲーム5.5(当然「イミテーションゲーム5」の続きでもある)に関連する内容ではあるので、近いうちに記事へ起こしたいと思う。

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