30分完結という枠組みを考えれば、原作のような背景の説明を放棄してゴルゴ13というキャラ(の行動様式・超人性)にスポットを当てるのは必然的な戦略と言える(原作当時から大きく状況が変化していること、そして敷居が高い印象を与えるのを避けるという狙いももちろんあるだろう)。
とはいえ、彼が依頼を達成するのが明らかなため、一方でマンネリに陥るのも避けがたく、実際私は3~5巻を見ているあたりで一度飽きてしばらく見るのを止めようと思った(ゴルゴの超人的な狙撃以外にも割と見所のある方の「G線上の狙撃」でさえ、依頼者の過剰な振舞のせいで容易にオチが推測できてしまい、途中で飽きてしまった)。
しかしながら6巻になると、逃げた夫を追う女性に(周囲や国家からの心ない、あるいは言われなき迫害を通じて)同情的な描写がなされるがゆえに、どちらに視点を定めていいのかわからず苦味の残るマルタ島のエピソードや、ハイジャックからアマゾンでの大規模な戦闘に到る話、あるいは臓器移植というテーマ性の強い話(どうせ死ぬことの見えている人間は臓器移植に利用しても問題ないか)などが出てきて幅が広がり、また持ち直した感がある。7巻においても、移民の微妙な立場の話(このテーマはやや消化不良に思えるが、筆者の不勉強が原因かもしれない)や何の罪もない身近な人の死を通じて今まで自分たちが行ってきたテロリズムの恐ろしさを実感し、そこから距離を取る話などやはりテーマ性の強く出ている話が少なくない。そしてこのような描き方は、「ゴルゴ13アニメ版」で半ばネタにした「プリティ・ウーマン」のラストと非常に対照的である。
まあおそらくは、ある程度視聴者にゴルゴのイメージなどが定着したという判断のもと、「色」を出し始めたということなのだろう。この先の話にも期待したいところである。
とはいえ、彼が依頼を達成するのが明らかなため、一方でマンネリに陥るのも避けがたく、実際私は3~5巻を見ているあたりで一度飽きてしばらく見るのを止めようと思った(ゴルゴの超人的な狙撃以外にも割と見所のある方の「G線上の狙撃」でさえ、依頼者の過剰な振舞のせいで容易にオチが推測できてしまい、途中で飽きてしまった)。
しかしながら6巻になると、逃げた夫を追う女性に(周囲や国家からの心ない、あるいは言われなき迫害を通じて)同情的な描写がなされるがゆえに、どちらに視点を定めていいのかわからず苦味の残るマルタ島のエピソードや、ハイジャックからアマゾンでの大規模な戦闘に到る話、あるいは臓器移植というテーマ性の強い話(どうせ死ぬことの見えている人間は臓器移植に利用しても問題ないか)などが出てきて幅が広がり、また持ち直した感がある。7巻においても、移民の微妙な立場の話(このテーマはやや消化不良に思えるが、筆者の不勉強が原因かもしれない)や何の罪もない身近な人の死を通じて今まで自分たちが行ってきたテロリズムの恐ろしさを実感し、そこから距離を取る話などやはりテーマ性の強く出ている話が少なくない。そしてこのような描き方は、「ゴルゴ13アニメ版」で半ばネタにした「プリティ・ウーマン」のラストと非常に対照的である。
まあおそらくは、ある程度視聴者にゴルゴのイメージなどが定着したという判断のもと、「色」を出し始めたということなのだろう。この先の話にも期待したいところである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます