山北に下見を兼ねての散策帰り、笹川流れを車で流してきました。もうイワユリ(スカシユリ)が咲いていてどこか写真を撮れそうな場所が無いかと物色しながら南下して陸続きの岩場を見つけました。遠目にはイワユリのオレンジ色がかすかに見え、おあつらえ向きに駐車場もありましたから、早速車を止めて岩場に向かいました。
私の目には花しか注意が向いていません。岩場にへばりついているいくつかの花が興味深くて周囲の様子など全く気にせずカメラを操作していました。岩場にはウミネコが群れていて甲高い鳴き声を出しながら飛び回っていたり舞い降りたりして入るものの、海鳥はいつも群れているものという思いから特に気にはしませんでした。
花の写真を撮っていると後ろから頭をかすめるようにウミネコが何度か飛来します。「なぜか?」と考えてみてハッとして気づいたこと。ここはウミネコの繁殖地、花を探す目からふと我に返ると目の前に巣があり卵があるではありませんか。今のウミネコの飛来は巣を守るための攻撃なのだと知って、早々に立ち去ることにしました。それにしても目立たない色をした卵ですね。大きさは7-8cmはあるようです。
枯れ草が散乱しているなかに幼鳥の死骸が混ざっています。何かの原因で餌をもらえずに死んだのでしょうか。かなり大きくなってからの死骸です。得てして巣立ち近くに巣から離れて縄張りを犯した場合に成鳥に攻撃される場合があるようです。群れて生活をするけれど助け合って子育てをするという習性は無いのですね。
一応巣を作ってそこに産み落とされている卵がある一方で、何も手当てせず岩の割れ目に産み落としてある卵もあります。これで上手く孵化し成鳥になれるのでしょうか。結局は前述の死骸のようになってしまうのでしょうか。まだ巣作りを訓練したことのない若鶏の巣かもしれません。
何回かぼくの頭上を飛翔したおそらく巣を構えている親鳥なのでしょう。結構大きなとりで、しっかり観察すると綺麗な形をした鳥です。ウミネコのテリトリーに踏み込んでしまって思いがけずに彼らと触れ合った一時、ちょっと感動しました。野生に生きる厳しさも再認識しました。こんな身近に産卵場所があるなんて新潟はいいところなんですね。