フタリシズカ

山野草としては人気があるフタリシズカの季節です。ネーミングの魅力もあって里山の花としてはぴったりの感じです。里山の適湿地に時々見かけますね。比較的群生していることが多いのですが、わたしの知る範囲では、その広がりはあまり大きくありません。もっと沢山増えてくれるといいなぁと常々思っています。
一方、花は妙な作りをしています。分かるようで分からない、というより分かりにくい構造をしています。白く見えるのは花弁ではなさそうなのは直ぐに見当が付くものの、一体何か？ルーペがあったら観察してみてください。なんとこれは雄しべの花糸に相当するもので内側を拡大してみるとそこに葯が付いています。そしてその下方の小さな突起状のものが雌花（雌しべ）です。花というにはいささか逸脱している体で、自然の不思議さを感ぜざるを得ない存在なのです。

フタリシズカの「花」の裏側

花といっても「花糸」に相当するもので、裏側には葯がへばりいついているのがわかります。

フタリシズカの雌しべ

「花」（雄しべ）を外した残りを見ると小さな突起が見られます。これが雌しべですね。